- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121804488
作品紹介・あらすじ
知的な観察によって、人を悩ます強弁・詭弁の正体を見やぶろう。言い負かし術には強くならなくとも、そこから議論を楽しむ「ゆとり」が生まれる。人食いワニのパラドックスや死刑囚のパラドックスなど、論理パズルの名品を題材に、論理のあそびをじっくり味わおう。それは、詭弁術に立ち向かうための頭の訓練にもなる。ギリシャの哲人からルイス・キャロルまでが登場する、愉快な論理学の本。「鏡と左右」問題の付録つき。
感想・レビュー・書評
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大学生の頃に、この本と出会ったが、なぜか読まずに何年も過ぎ去ってしまった。
SNSの発達により、さまざまな人が議論に触れる頻度が多くなっている。その中で、「それは論理の飛躍だ」「論点のすり替えだ」と言ったような意見が出た際に、何が「飛躍」や「すり替え」なのか分からず置いてけぼりにされることもあるだろう。そんな方におすすめしたいのがこの本である。
相手をうまく誤魔化す詭弁や、声を大にして叫ぶような強弁は、どういった種類があるのか。これらを冷静に分析し、解説している点において、まさしくタイトル通り詭弁論理「学」だと思った。
特に良かったのは、「話す側」の論理、すなわちロジカルシンキングや論理的な話し方だけでなく、「話を聞く側」にも言及している点。
どれだけ筋道立てて話そうとしても、聞かない人がいて、そうしたときは、相手に話させ「つまづきの石を探す」ことが大事だ、と筆者は説く。
正しいことを言えば、相手も納得するだろうと思ってしまうが、相手にも考えがあることは忘れてはいけない。
また、第4章にある、「ワニのパラドックス」が実際に呼び鈴として使われていると、イラスト付きで書いてある箇所は、それまで論理パズルで頭がガチガチになっていたので、拍子抜けして笑ってしまった。
詭弁や強弁は、なくなることはないだろう。著者も述べていたが、使う際は、身近な人や自分の中での言葉遊びに留めたいものだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本は悪くない。ただ私が個人的にがっかりしただけ。論理パズルというタイトルだったら楽しく読んでいたかもしれない。
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世に蔓延る強弁や詭弁に惑わされないための論理学。
といっても、論理クイズなどが用いながらの軽妙な語り口なので、全く堅苦くなく、気軽に読める。 -
読んでも詭弁が使えるようになるわけではない。
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今となっては古風な判断推理系の問題が載っている本。学術系の本ではない。
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駄作
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導入部分は勉強になったことが多かったが、後半になるにつれ、ついていけなくなってしまった。
私は論理学を学んだことはないので、本書がどういった立ち位置なのかはわからない。唯一判然としているのは、私の頭には論理の欠片もないことだ。
「論理学ほど文系の皮を被った理系科目はない」とゲーテが言っていた通りであった。 -
野崎昭弘著『詭弁論理学 改版 (中公新書 ; 448)』(中央公論新社)
2017.4発行
2023.7.8読了
野矢茂樹さんの著書と勘違いして購入してしまったもの。筆者は数学者らしく、内容も数学的なクイズのようなものばかりで、私には太刀打ちできなかった。
【目次】
はしがき
Ⅰ 議論の種々相
議論べたの悩み
無理押しの強み
詭弁と強弁
論理のあそび
Ⅱ 強弁術
⒈強弁術の誕生
⒉小児型強弁
⒊二分法
⒋相殺法
⒌強弁術の総括
Ⅲ 詭弁術
⒈詭弁術の誕生
⒉強弁との境
⒊あてにならない話
⒋論点のすりかえ
⒌主張のすりかえ
⒍消去法
⒎ドミノ理論
⒏詭弁術の総括
Ⅳ 論理のあそび
⒈やさしいパズル
⒉説得ということ
⒊上級パズル
⒋四十人の貴族とその従者
⒌理髪師のパラドックス
⒍自己矛盾を利用したパラドックス
⒎死刑囚のパラドックス
〈付録〉鏡をめぐっての会話
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/028095655