感染症 増補版 広がり方と防ぎ方 (中公新書 1877)

  • 中央公論新社 (2020年4月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784121918772

作品紹介・あらすじ

グローバル化による人やモノの大移動によって、病原体が世界的に拡散するリスクは劇的に高まった。本書では、伝染病対策の歴史、病原体の種類や性質、伝播経路と遮断法など、感染症の脅威に正しく対処するための基礎知識を伝える。コレラから新型インフルエンザまで、多様な感染症をわかりやすく解説したロングセラーに、新型コロナウイルスの特徴や予防法を考察した新章「新型ウイルスが広がりにくい社会」を加えた増補版。

みんなの感想まとめ

感染症に関する基礎知識とその歴史をわかりやすく解説した本書は、グローバル化が進む現代において、感染症対策の重要性を再認識させてくれます。特に新型コロナウイルスに関する最新の知見が加わったことで、読者は...

感想・レビュー・書評

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  • ◯大分コロナウイルスも落ち着いてきたと思われるが、今一度、感染症についての本を読んでみたいと思い手にする。
    ◯感染症対策において、我々のような普通の人たちが普段の行動を心がけることが一番重要であると再認識した。日本人の潔癖とも言える性格が、コロナウイルスの感染拡大防止に寄与していると思うと、ものは見方、考え方で変わるのだと感じる。
    ◯旧版の最終章が性感染症について書かれており、意外な気もしたが、著者は母子手帳についても著作がある点、母子保健の分野との関連性で捉えると納得である。
    ◯昨今、オンラインでのピルの処方が議論されているが、エイズの視点を持ち込んだ場合、また方向性が変わっていたかもしれない。そもそもその視点での議論がされていたのか疑問である。やはりものは見方、考え方で変わる。
    ◯また、旧版の途中で、マスクを全国民に配布することが提言されている。今の状況を著者が見たときどう思うのか興味深い。この本を読むと、改めて、マスクに高い信頼性を寄せることになるが、今般の状況を踏まえると、政策的には配布のタイミングが遅すぎたのかもしれないと思う。

  • 2006年に発行された同タイトルの本が、増補されたもの……お察しの通り『新型コロナウイルス』についての2020年時点での知見が端的かつ丁寧に記載されている。
    本書では感染症の歴史や、その衛生による防除などがわかりやすく解説されている。時々見聞きする疫学の『コホート研究』の内容がストンと理解出来たのが良かった。
    過去の歴史や経験を踏まえて、感染症に対して研究者がどう挑んでいたのか、また当局がどう対策をしてきたのかが、とてもわかりやすく書かれているので、この時代の基礎知識として必須の書だと思う。
    当時危険視されていたエイズについても、細かく書かれており、ピルについての言及もされていて、なかなか面白い立ち位置の見方だなと感心した。風潮というのは、馬鹿に出来ないほどの影響力があるとしみじみ思う。

  • 今となっては当たり前になりつつある感染症対策の基本的な情報を踏まえ、人類が直面している(直面してきた)ウイルスについて体系的に説明されている本。
    感染症に関して分かりやすく解説された良書でした。

    エンベロープを持っていて高温多湿には弱いと説明されているコロナウイルスが、夏でも感染力を持続出来ている所が疑問に思いました。

    新興感染症が発生した際は拡大しないように対応する事が最優先ではあるが、既に広まった場合の対応策(どの程度の対策を行うのかなど)を過去の教訓から考えておく必要があると感じました。

  • 【琉球大学附属図書館OPACリンク】
    https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB30262550

  • SDGs|目標3 すべての人に健康と福祉を|

    【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742939

  • 資料ID:98200177
    請求記号:081||C||1877
    配置場所:工枚特集③
    (※配置場所は、レビュー投稿時のものです。)

    ☆特集展示「アフターコロナ・ウィズコロナ」☆
    新型コロナウィルス感染症への対策や、コロナ禍後の展望について、免疫学・経済学・人類史・IT業界などの注目すべき分野から、知見を得られる本を集めました。

  • 感染症やその予防について基本的なことが学べる。
    一般人の入門書として良いと思う。

    インフルエンザや性感染症、エイズなど、現在社会が対策を講じるべき感染症について記載もある。
    新型コロナについて補章が加えられているが、まだ深くはない。

  • 過去の教訓から今後の対策を練る。
    当たり前のことのようだが、いざ未知の伝染病に日常が変わっていくと人はどうしていか分からなくなり、闇雲に恐れてしまい、情報は錯綜する。
    自己判断と情報処理能力が問われる。

  • 感染症の基本的なことがよくわかる。文体も読みやすく、よい本だと思います。新型ウィルスに関する補章も今となっては、報道等で皆理解していることではあるが、きちんと書かれていて、基本的な対処法は感染症全般に対して、不変であることを知ることができ、今一度気持ちを引き締める意味でも、基本的な指南書としての役割があるのではないかと感じた。

  • 完全に感染症を防ぐことは不可能に近い。

    しかし、過去の感染症から学びとれることは多々ある。また、どのようにすれば拡大せずに済むか考えるための材料にこの本はなる。
    感染症の実態を知り、自分に何ができるか。
    さらに大きくいえば、このような社会の状況の中で自分がどう生きるか考えていきたい。

  • 感染症について概観。本編は少し前のものだが、新型コロナウイルスでも、対策は大きく異ならないことがわかる。予防が大事といことも。

  • 感染症のメカニズムとそれの防除の取組について理解できた。
    んだけど・・・所々に入る筆者の意見に?がついた。
    後半部にあるあついコンドーム押しと、ピルが容易に使えるようになればHIVも増えるという飛躍理論は、時代錯誤な感じがする。

  • 【配架場所】 図・3F文庫・新書  中公新書 No.1877
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/445912

  • 感染症の権威による感染症の解説本の新型コロナアップデート版。SARSの時点でマスクの重要性や集団免疫に言及している点はさすが専門家なのです。「新型コロナアップデート版」と書いていますが、新型コロナ関連の情報は少ないので、「感染症について正しい知識を持つ」という視点で読むといいと思います。新書なのでサクッと読める点もよいのです。
    続きはこちら↓
    https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2020/09/blog-post_12.html
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  • コレラから新型インフルエンザまで、多様な感染症をわかりやすく解説したロングセラーに、新型コロナウイルスの解説を加えた増補版。

  • 新型コロナに合わせた増補版。ウイルスはどうやって感染するか、どうやって防ぐかという、基本的なテーマに沿って、インフルエンザやエイズなど、人類を悩ましている感染症を引き合いに見ていく。無知から来る恐怖心やデマや偏見などへの対策には、まずウイルスを知ることが前提だけに、騒動や愚行が先鋭化した状態下ほど、特効薬より効き目がありそう。あらゆる感染経路や方法を読むうち、普段の生活の中で、無数のリスクに身を晒している気分にもなる。が、それが生きているという事でもあり、適切で適度な予防こそ最適解と感じた。

  • SARSウイルスは、咽頭で少量増殖してから、血液を介して肺や腸管へ行き、大量増殖すると考えられる。香港では、アパートを訪問したSARS患者が浴室内のトイレを使い、ウイルスが含まれていた便が排水管を落下した時に、飛沫が管内に発生した。換気扇を回していた浴室の床の排水口から飛沫が吸い出され、階段部分から上の階や他の棟へも拡散したと考えられる。この団地で、二次感染を含めて300人以上が感染した。

    病原体は、長期的には人間との共生に移行すると考えられている。短期的には、病気がうつりやすい条件があれば強毒化し、うつりにくい条件では弱毒化する(イーワルド)。

    リンパ球にはBとTの2種類がある。Bリンパ球は抗体をつくり、Tリンパ球は、Bリンパ球を助けて抗体をつくらせる。ヘルパーTリンパ球には、2種類ある。ウイルスや細菌に対しては、Th1が応答し、Bリンパ球がIgG抗体をつくるのを助ける。花粉、ダニにはTh2が応答し、Bリンパ球がIgE抗体をつくるのを助ける。

    日本人のA型肝炎ウイルスの抗体保有状況によると、1950年代以降に生まれた人は抗体を持っていない。水道水の塩素消毒が普及して、ウイルスがいなくなったことを意味している。

    ウイルス外側のタンパク質には、16種類のヘマグルチニン(H)と、9種類のノイラミンさん分解酵素(N)がある。通常のインフルエンザでは、ウイルスのタンパク質を開裂させるトリプシン様酵素が存在する気道や腸管のみが感染する。ヘマグルチニンの開裂部位に変化が起きると、細胞内の酵素によっても開裂が起こるようになり、全身で感染する。この高病原性ウイルスH5N1によって、1996年から2019年までに東アジアで450人が死亡している。いまのところ、強い咳を起こさないが、気道粘膜で局所感染を起こし、咳によって伝播する変異を起こすと、新型インフルエンザとなる。

    スペイン風邪は、ウイルスが肺胞で増殖してガス交換ができなくなり、窒息死をまねいた。咳による飛沫によって感染は広がった。

    タミフルは、ウイルスが細胞外に出る時に細胞膜上のノイラミンを分解する酵素の活性を阻害する。ノイラミン分解酵素は、すべての亜型のインフルエンザウイルスが持っている。

  • コロナ禍において、今の時期は特にマスクをしている顔周りが暑苦しくなってしまいマスクを外してしまいがちだが、どんなマスクであれ装着することで感染のリスクを減らすことができる。感染者が増加している今、人が大勢いる場所では暑苦しくてもマスクを外さないようにしたい。

  • 現在の新型コロナウィルスの流行に伴い読んでみたが、子供を持つ親としては性感染症の章により興味をひかれた。子供達への確かな性教育にもっと力を入れて欲しいと改めて思った。

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著者プロフィール

1940年山梨県生まれ. 東京大学医学部卒業, 同大学院博士課程修了. 国立予防衛生研究所研究員, 国立公衆衛生院衛生微生物学部長, 国立予防衛生研究所感染症疫学部長, 国立感染症研究所感染症情報センター長を経て, 2001-12年大妻女子大学家政学部教授. 国立感染症研究所名誉所員. 大妻女子大学名誉教授.著書 『文明とアレルギー病――杉花粉症と日本人』(講談社, 1992年)『感染症の時代』(講談社現代新書, 2000年)『母子手帳から始める若い女性の健康学』(大修館書店, 2012年)訳書 E・ノルビー『ノーベル賞の真実――いま明かされる選考の裏面史』(東京化学同人, 2018年)P・ヴィンテン=ヨハンセンほか『コレラ、クロロホルム、医の科学――近代疫学の創始者ジョン・スノウ』(メディカル・サイエンス・インターナショナル,2019年)

「2020年 『感染症 増補版 広がり方と防ぎ方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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