アーロン収容所 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (1973年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (246ページ) / ISBN・EAN: 9784122000469

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

戦争を背景に、異国間の文化や価値観の違いを深く掘り下げた作品は、読者に強い印象を残します。イギリスという国の恐ろしさや、敗戦後の日本の心情が描かれ、歴史の重みを感じさせます。また、著者の捕虜時代の考察...

感想・レビュー・書評

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  • イギリス人、イギリスという国の恐ろしさが所々で感じられる。
    ヨーロッパという国の怖さは今でも変わらなく思う。
    少しカリカチュアめいた筆致もまた良く、敗戦後の日本の心象風景のようなものも感じられるようになっている。

  • 行く先の暗い、何のために戦っているのか分からなくなるような兵隊時代よりも、決着の着いた後の捕虜時代の方が嫌だったと言う著者の考えに驚かされた。
    本の中でふれられている収容所は、すごし易いとは言えないが、他の場所と比べるとかなりマシなのではないか。
    それでも、たとえ無能でも、上層部の視線の先に、故郷が、家族が見えるという事が、希望になり、前に進む力になっていたのだろうか。
    海外で外国人に支配された時、家族との絆が遠くなったと感じた時、苦しさがこみ上げたのだろうか。

  • 戦争を通して、異国間の文化や人種間の価値観の違いなどを知ることのできる本。
    人間性は、その環境によって様々に感じられるといえことがよくわかった本だった。

  • 読むのが辛くて挫折。
    やっぱり戦争はだめです。どんなに大きな崇高な大義があってもだめです。
    …という月並みなことしか言えない。読むのが辛かった。

  • "終戦とともにイギリス軍の捕虜となった経験談を語った本。
    日本版「夜と霧」ともいえる本。
    イギリス人、インド人、ビルマ人それぞれの当時の環境下での行動を語っている。
    戦闘状態で尊敬を集めていた人物が、捕虜となったときに尊敬を集めているとは限らない。
    それぞれの環境で、リーダーとなる人物が登場するところも興味深い。

    この平和な時代にこそ読み継がれるべき名著だと思った。"

  • ビルマ戦線で終戦を迎え、そのまま英軍捕虜として過ごした二年間を綴った一冊。歴史書、文明論、日本人論として優れているのは言うにおよばず、才能の活かし方など自己啓発本と読める箇所もある。
    本書が、こうしたいろいろな読み方ができる良書になっているのは、捕虜という特別な環境に置かれながらも 冷静に客観的に人間を観察できた著者の力量に因るところが大きい。
    時代を間違えば右翼的な書と扱われた可能性もあるけれど、今は日本人なら読むべき一冊として誰にでも推せる。

  •  本書は、終戦直後から昭和22年5月までの1年9ヶ月間ビルマにおける英軍捕虜として強制労働に服せられた会田雄次氏の回顧録である。西欧ヨーロッパ、英国がヒューマニズムの源流国であるというのは嘘ではないだろう。しかし、人種偏見がいまなおヨーロッパ社会の底流に確実に存在しているということがわかる貴重な体験記だ。

    本書を読むことでできる疑似体験というのは、実際の捕虜生活の苦しさの数千分の一、あるいは数万分の一かもしれない。それでもなおその過酷さと生き残っていくために要領のよさが求められるという現実は、たいへん生々しいものとして伝わってきた。捕虜生活という非日常では盗みに長けているとか、嘘をついても毅然、平然としていられる大胆さが強力な武器になるというのは皮肉なことだった。こうしてみると、非日常的な世界と日常的な世界で求められる能力というのは、非常に大きな隔たりがあるように思う。つまり能力の発揮、その潜在的な力の発露というのはやはり、時代環境によってことなるので、ほとんど運とか偶然性に左右されるものなのではないかと考えずにはいられなかった。

  • おすすめ。
    #興味深い #過酷 #読みやすい #確かな観察眼 #戦争

    書評 https://naniwoyomu.com/33411/

  • 私が英国留学することを(そしてこれまで英国在住経験があり、英国に好意的な印象を抱いていることもおそらく)分かった上で、職場が私に渡してきた一冊
    大前提として、世界大戦に巻き込まれ、戦闘員のみならず戦争捕虜としてされた経験による苦しさは計り知れない
    そのような壮絶な実体験を持った人が書いた記録としてはとても貴重である
    しかし、著者である会田雄次氏は歴史学者だ
    そんな権威を背負って書く一冊としては、どうなのだろうか
    英国人を一括りにして、怪物と呼び、ヘイト感情を抱かせるだけの内容で、国際理解とは程遠い結果をもたらすだけではないであろうか
    もちろん、当時よりよっぽど平和な世の中に生まれた私には、彼らの苦痛を知る由もない
    だから当時の本音を残す史料としては貴重だと思う
    しかし、歴史学者を名乗りながらこのような本を書くのは社会悪だと思う

  • 解説:村上兵衛

  • 【要約】


    【ノート】
    ・手嶋さん推薦

  • 読むべき本

  • 第二次大戦後の捕虜収容所の話。この前読んだ虜人日記も面白かったが、本作も面白かった。この二作は著者の立場は違うが(本作は学徒の一兵卒、後者は軍属のエンジニア)どちらも逞しさを感じられて頼もしい日本人像に憧れるところがある。また、収容する側の違いも(本作は英国、後者はアメリカ)興味深い。日常から軍隊、前線、敗走、捕虜と変化目まぐるしい中にしか見えてこない人間の本質のようなものがそこにはあるのかも知れない。生きるってどういうことなのかを考えさせらる。

  • 会田雄次(1916~1997年)は、京都市生まれ、京都帝大文学部卒、第二次世界大戦時にビルマ戦線に従軍した後、神戸大学文理学部助教授、京大人文科学研究所教授、京大名誉教授。専門はイタリア・ルネサンス研究だが、日本人論、日本文化論でも多くの著作を残した。
    本書は、自らがビルマ(現ミャンマー)で英軍捕虜として過ごした約2年間の体験を綴ったものである。
    収容所(ラーゲリ)における想像を絶する経験を描いた作品には、フランクルの『夜と霧』、石原吉郎の『望郷と海』、ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィチの一日』など少なからぬ著名な作品があり、そこで主に描かれたものは極限状態に置かれた人間の姿である。
    しかし、本書に描かれたものはそれらとは異なり、「この経験は異常なものであった。・・・捕虜というものを私たちは多分こんなものだろうと想像することはできる。小説や映画やいろいろの文書によっても、また、日本軍に捕えられたかつての敵国の捕虜を実際に見ることによっても、いろいろ考えることができる。・・・ところが実際に経験したその捕虜生活は、およそ想像とかけちがったものだったのである。・・・私たちだけが知られざる英軍の、イギリス人の正体を垣間見た気がしてならなかったからである。いや、たしかに、見届けたはずだ。それは恐ろしい怪物であった」と語るもので、“収容された日本人”側の姿ではなく、“収容した英国人”側の異常な姿である。
    それは、裸で自分の下着を持ってきて、洗濯をしている日本兵に、「これも洗え」と放り投げる英軍女性兵士であり、うつ伏せで死んでいるビルマ人の顔を靴の先で蹴り上げ、「finish(deadではない)」と気の無さそうにつぶやく英軍軍曹の姿である。
    著者はそこに、英国人の言葉ではごまかせない人種差別・偏見を見てとる。即ち、英軍女性兵士からすれば、植民地人や有色人は「人間」ではなく「家畜」にひとしいものだから、それに対し人間に対するような感覚を持つ必要はないのであり、英軍軍曹からすれば、ビルマ人の死は、一匹のネズミの死と同じであり人間の死ではないのである。
    そして著者は、その経験は、ヨーロッパ(人)というものの特殊な姿を浮かび上がらせ、ヨーロッパ(人)に対する見方を根本的に変えるべきであることを示唆してくれたのだと語る。
    私は外国人とともに仕事をする機会が少なくなく、この類のテーマに安直に結論を出すことを好ましいとは考えないが、最も多様な人種を受け入れてきた米国においてさえ今なお頻繁に表面化する人種差別の実態を見るにつけ、現実の難しさを感じると共に、自らのプリンシプルを確立するためには、本書に描かれたような様々な事実(過去であれ現在であれ)を知った上で、それらを消化する必要があると思うのである。
    (2012年4月了)

  • ビルマでの2年間の捕虜生活体験談。同じ抑留でもソ連とは全く逆の、イングリの狡猾さが良くわかった。グルカ兵やインド兵や濠州兵や地元ビルマ人の観察もおもしろい。しかしなんと言っても、著者も含めた日本兵の様子が新鮮。現代日本のサラリーマン社会とあまり変わらないかも。 
    戦時に活躍する人と平和時に頭角を現す人は異なるという話(昼行燈大石内蔵助)や、抑留中の士官の権威の保ち方なども具体的に書かれていておもしろかった。

  • 筆者の戦後二年間のイギリス軍捕虜生活(在ビルマ)。
    不愉快で屈辱的な扱い(「私たちが英軍兵舎の掃除にノックの必要なぢといわれたときはどういうことかわからず、日本兵はそこまで信頼されているのかとうぬぼれた。ところがそうではないのだ」「ノックされると…(中略)…身支度をしてから答えねばならない。捕虜にそんなことをする必要はないからだ」)を受けながらも、「日本人は、ただ権力者への迎合と物真似と衆愚的行動と器用さだけで生きてゆく運命を持っているのだろうか。」など考えを巡らすなど、筆者の冷静な考察がまとまっている。多人種(英国人、インド人など)との民族性や感覚の違いや、そこから生じる妙なトラブルなど、リアルに描写されている。

  • ずいぶん前から読もう、読もうと思いつつ、難しそうな印象でなかなか手に取れないでいた本です。
    ところが読み出したら、夢中になって読み進めました。

    日本人論続出の導火線となったとありますが、アーロン収容所での経験や、ビルマでの戦時の状況などを説明しつつも、日本人というものを考察し、イギリス人、インド人、ビルマ人の性質についても指摘しています。
    また、本書を執筆した当時の日本に登場していたセンチメンタル・ヒューマニストや進歩主義者についても鋭い指摘をしている箇所があます。
    本書は著者の体験談ですが、それだけにとどまらず、人の性質をよくよく観察し、冷静な目で分析しているのだなと感じました。

  • 日本人論の走りだということだけど、ほんとに面白かった。

    人間や社会や人種、その他もろもろに関する考察は素晴らしい。

    「人間の才能にはいろいろな型があるだろう。その才能を発揮させる条件はまた種々あるのだろう。ところが、現在のわれわれの社会が、発掘し、発揮させる才能は、ごく限られたものにすぎないのではないだろうか。多くの人は、才能があっても、それを発揮できる機会を持ち得ず、才能を埋もれさせたまま死んでゆくのであろう。人間の価値など、その人がその時代に適応的だったかどうかだけにすぎないのではないか。」

  • ゴーマニズム宣言戦争論の参考文献であることから、購入。漫画内でかなり強調されていた、白人の捕虜への態度が、サラッと書かれていたギャップが印象に残った。読み手によって、印象が異なる好例ともいえるのではなかろうか(小林よしのり氏にとっては、かなり衝撃的だったのだろう)。私自身も衝撃的ではあったが、さもありなんという捉え。しかし、一個人とはいえ、当時の実体験は貴重な資料である。

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著者プロフィール

会田雄次

一九一六年京都府に生まれる。四〇年京都帝国大学史学科卒業。四三年に応召、ビルマ戦線に送られ、戦後二年間、英軍捕虜としてラングーンに抑留された。帰国後、神戸大学、京都大学(人文科学研究所)をへて、京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス史。著書は『アーロン収容所』『ルネサンスの美術と社会』『ミケランジェロ』など多数。九七年逝去。

「2019年 『日本史の黒幕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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