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- Amazon.co.jp ・本 (508ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122001305
感想・レビュー・書評
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西南戦争の後、自由民権運動の頃まで、高校までの日本史では5行くらいで片付けられてしまうところ。明治維新の英雄時代は、西郷や大久保、木戸の死を持って終わり、伊藤博文や山県が、国家としての器作りに苦闘する頃の物語である。
いろいろな人物が多層的に出てきて楽しいし、色川大吉の踊るような文体も興味深いが、民衆を主軸に据えて、政府要人を時代の趨勢に無理解であった戯画的な権力者として描く手法は、今では胡散臭いと思う読者が大半であろう。民衆に関わる文献はどこまで正確なものなのか、あまたの民衆の内、なぜここで彼らだけが取り上げられているのか、結局、そこは色川の独断、良くいって色眼鏡に彩られたものではないのか、と思ってしまう。
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