世界の歴史 (3) 中世ヨーロッパ (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (499ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122001688

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  • 西洋中世史の大家、堀米庸三氏による概説書。

    西洋中世史は個人的にはとてもイメージが沸きにくい分野だった。
    フランス、イギリス、ドイツ、イタリアといった現在の西欧諸国はすでに姿を現しながらも、一方で今日われわれが馴染みがある主権国家体制とは遥かに違う混沌とした政治体制が永年続いた時期。
    一体全体、あの時代はどういう社会で、人々はどんな社会階層を構成し、誰が政治を動かしていたのか?

    そんなぼんやりつかみどころのなかった西洋中世史の輪郭を与えてくれる一冊。

    ゲルマン民族大移動からルネサンスの直前までの時代を、時系列に沿って追いながらも、ただ政治的出来事の羅列に留まらず、西洋世界の根本原理とも言うべき各世紀の大きな政治のうねり・変化を常に背景に語ってくれるので、変遷が分かりやすい。
    特にカノッサの屈辱から教皇のバビロン捕囚に至るまでの法王権の盛衰は本当に面白かった。

    ローマ的世界観の崩壊、ゲルマン民族移動の混乱期を経て、法王&封建貴族の時代から、徐々に国王と都市(商人)の時代に移っていくさまが実に立体的に描かれる。
    そして、わずかにではあるが着実に力をつけていく農民たちの姿も描かれ、遠い将来近代ヨーロッパの政治を動かす社会階層の対立がこの時代から徐々に形成されていたことが手にとるように感じられる。

    合間合間に、その時代の習俗や生活の描写も結構しっかり入れてくる。それが王侯貴族だけでない、商人や農民の動向が中世世界に明確な色付けを与えていたことをよりリアルに感じさせてくれる。

    出版年が古く、人名表記が現在と異なる英語準拠の部分が多いのが注意が必要だが、西洋中世史の第一歩としてはとても良い一冊のように思われる。

  • 中央公論社の旧版「世界の歴史」の第3巻目。375年のフン族から始まるゲルマン民族の大移動から1377年のアヴィニョン捕囚までを掘米庸三が担当、後半の百年戦争を経てイギリス、フランスで統一国家が整備される15世紀までを当時掘米庸三の門下生だった木村尚三郎が担当している。

    政治史、宗教史、経済史がバランスよく書かれており、比較的わかりやすい。ゲルマン民族をただの蛮族とせずにローマとの交易を通じて民族大移動前から文明化されていたと公平な記述がされている。堀米庸三がカール大帝を大好きらしく、カール大帝の章で文章が乗っていたのが可笑しかった。学説的にはイスラム勢力に地中海を奪われたことでヨーロッパが成立したとするピレンヌ史観の影響が色濃く、古いかもしれない。50年前以上に出た本なのでその点は仕方ないが。文章は学者としてはうまくとても読みやすい。ただ如何せん375年から15世紀と千年以上に渡り歴史が書かれているのでなかなか頭の中で整理がつかないのが難点だ。あと学名が古いので読む時ときはネットとかで用語の確認は必須である。
    今だと中世ヨーロッパに関する手頃な新書等がたくさんあるので、そちらを中世ヨーロッパ史の入門としたほうが良いかもしれない。図書館にあったら読むぐらいかなあ。

  • 中世ヨーロッパ史の概略をつかむのに適している。政治・文化・社会の記述のバランスがとても良い。中世ヨーロッパの歴史の躍動する展開が生き生きと描かれている。中世ヨーロッパに対して興味をひかれる文章で、理解しやすい記述。文字が小さいことと、内容や表現に古さのある箇所など気になる点もあるが、中世ヨーロッパ史への良き案内人になってくれる一冊。

  • w

  • 最初のほうはちょっとゴチャゴチャした印象だったけど、基本的には読みやすい中世ヨーロッパの解説本。やはりこの時代は現代とは全然違う世界観で面白い。

  • (1993.05.02読了)(1993.04.01購入)
    *解説目録より*
    かつては暗黒時代とされ、いまやヨーロッパ近代への基礎をつくった時代として再認識されつつある中世世界が、最新学説の展開で浮き彫りにされる。

    ☆世界の歴史・中央公論社(既読)
    「世界の歴史(1) 古代文明の発見」貝塚茂樹著、中公文庫、1974.11.10
    「世界の歴史(2) ギリシアとローマ」村川堅太郎著、中公文庫、1974.11.10
    「世界の歴史(4) 唐とインド」塚本善隆著、中公文庫、1974.12.10

  • 時代が古いせいか少々読みづらい点もあるが、通史の説明としては良いのかと思う。

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