味な旅 舌の旅 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122007574

感想・レビュー・書評

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  • 書かれた時代が1960年代後半なので内容は甚だ古臭い,全国各地の食べ歩き紀行.というごくありふれたテーマ…なんだけど著者が宇能 鴻一郎(笑).
    かといって,「あたし,……食べちゃったんです. すごく,大っきぃいの」というような文体では無い.いや,それならそれで面白い気はするのだが,冗談は於いても若い頃から描写力あったのだなぁこの人は.

    考えてみれば,この時代は経済も復興発展していて交通も便利になり,それでいて地方色も色濃く残っていた時代だから,旅の食い歩きが一番楽しかった頃かも知れない.文中では地方色が薄れていくのを嘆く一節もあるのだが,今からすればまだ充分イケてる感じがして羨ましかった.

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著者プロフィール

宇能鴻一郎(うの こういちろう)
1934年、北海道札幌市生まれ。本名鵜野広澄。家族4人で、東京、山口、福岡、満洲国(現中国東北部)撫順、長野県坂城と移り住み、満洲国奉天にて終戦を迎える。福岡県立修猷館高校から東京大学教養学部文科二類に入学。修士課程在学中の1961年、仲間たちと創刊した同人誌『螺旋』掲載の「光りの飢え」が『文學界』に転載され、これが芥川賞候補となる。次作の「鯨神」が翌年1月に芥川賞を受賞。以後おもに性を主題として新しい文学を切り開くが、文壇では正当に評価されず、1971年から徐々に女性告白体の官能小説に軸足を移した。歴史小説、ハードボイルド、推理小説でも独自の世界を築いている。
 主な著書に『密戯・不倫』『楽欲(ぎょうよく)』『痺楽』『肉の壁』『黄金姦鬼』『お菓子の家の魔女』『切腹願望』『金髪』『斬殺集団』などがある。

「2022年 『甘美な牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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