ものぐさ精神分析 (中公文庫 M 181)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122009363

感想・レビュー・書評

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  • 心理学の下地が全くなかったので、ところどころ理解が難しい部分もあったが、概ね興味深く読んだ。その独特の考察には唸らせられるものがある。時間をおいてまた読みたい。

  • フロイト原理主義といえばジャック・ラカンだけれど、とても読めたしろものじゃない。その点本邦には明解痛快な先生がいるから愉快である。
    人間は自然を支配するために文化をつくったが、こんどはその文化の規制におしつぶされて神経症になるというのがフロイトだが、岸田理論は個人のもつ私的幻想のうち他者と共有できない部分がエスのなかに蠢き発症するという。
    これに基づいて、歴史、人間、社会のすべてが説明される。あまりにわかりやすくて怖いほどである。
    岸田は臨床家ではない。逆に患者である。思索家であり著述家である。それを踏まえて気をつけて読まないとおぼれてしまうかもしれない。

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著者プロフィール

精神分析者、エッセイスト。1933年生まれ。早稲田大学文学部心理学専修卒。和光大学名誉教授。『ものぐさ精神分析 正・続』のなかで、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎない、とする唯幻論を展開、注目を浴びる。著書に、『ものぐさ精神分析』(青土社)、「岸田秀コレクション」で全19冊(青土社)、『幻想の未来』(講談社学術文庫)、『二十世紀を精神分析する』(文藝春秋)など多数。

「2016年 『日本史を精神分析する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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