第三の波 (中公文庫 M 178-3)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (588ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122009530

感想・レビュー・書評

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  •  本書が世に問われて既に24年。私自身初めてページを繰ってから20年ほどにもなるが…少なくとも将来社会設計への参与を指向する立場において、これほど示唆に富む書には未だ他に出逢っていない。
     筆者は、人類文明を大きく、第一の波(農耕社会)、第二の波(産業社会)そして現在波を高くしつつある第三の波と、この三つの波の複合作用によって形成されるものとし、その作用を観察、予測している。
     本書は、政治社会、経済、軍事の分野において前世紀末に多大な影響を与え、各分野においての基本書のひとつとなっていたが、今日では些か下火か…しかし、今日においても依然として極めて有益な書と思う。
     あくまでも本書の視点はひとつのものさしに過ぎない。知識としてというよりは、自らの思索の触媒として活用され得べき書と思う。
     個人的には、読む度に新たな発想のタネともなり、座右から離せない書物のひとつ。

  • 第一の波(農耕)、第二の波(産業革命)の次の世界を1980年のトフラーがどう予想していたか。1万年ものあいだ、人間は自分の家と田畑の近くで働いてきた。人間と土地を繋ぐ家族中心の生活が、産業革命によって断ち切られた。しかし在宅勤務が当然になると、また家族中心の生活がホットになると予測する。 大量生産による規格化製品の時代は終わりに近づいているし、電子、コンピュータ、通信関連産業が伸び、「全ての家にコンピュータがある」世界は実現した。 一方で、「通信が通勤にとってかわるため、石油、自動車、不動産開発業は痛手を受ける」は、未だ途半ば。在宅勤務が当然になる気配はなく、今は自動車産業も伸びている。 しかし、次の世代ではそうなる予感はします。 

  • 大学の講義で出会い、手に取った本。

    とにかくこの本は凄い。
    何が凄いって、30年前に書かれた本だということである。

    この本は、論理的に未来を読み解くプロセスが書かれた本。
    トフラーが予測した未来は現代において、ほぼすべてが当たっている。そして、これからおそらくこう起こるであろうことが書かれている。
    未来予測のプロセスを学ぶという意味で、面白い本でした。

  • いまさらこの本に気がついたことが
    悔やまれる。時代とともに色あせる部分も
    あるとは思うが、考え方、その他、
    若い人ほど読むとためになるかも。

  • 現代社会をどのように理解するのか?
    「答え」とまでは言いすぎてずが、そのひとつの「文法・文脈」がトフラーの「第三の波」。

    産業低迷、宗教対立、戦争、テロ...
    日々複雑になっていく現代社会をどのようにとらえるのか?
    アプローチの方法によって
    「経済学」「政治学」「社会学」「文化人類学」とか様々に呼ばれるわけですが
    結局はどの学問も最終的には社会を理解するためのツールです。

    なんで大学で勉強するんだろう?学問とは何なんだろう?と見つめ直す為にも
    「第三の波」は重要な視座を与えてくれるはず。
    文系の大学生は読んた方がいいかも。

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 )

  •  
    ── トフラー/徳岡 孝夫・訳《第三の波 198010‥ 19820910 中公文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4122009537
     
    <PRE>
     Toffler, Alvin 作家・未来学 19281004 America 20160627 87 /《The Third Wave》
    ♀Toffler, Heidi 作家・未来学 19290801 America        /Alvin's wife
    ♀Toffler, Karen (child)  1954‥‥ America 2000‥‥ 46 /Guillain–Barre syndrome
    </PRE>
    https://www.youtube.com/watch?v=-WhD8MhL0Gs
    http://q.hatena.ne.jp/1533033701#a1268347(No.1 20180801 01:39:24)
     わたしの脳内年表 ~ 創世記+種の起源+終末論 ~
     
    …… 田舎食堂では「コーラ」を注文すると「ペプシ」が出てくる。
    http://q.hatena.ne.jp/1154972725#a584440(No.1 20060808 11:14:51)
     第三の波から第三者の時代へ
     
    …… フランス語は(第三の波に)乗りおくれ、英語の風(ウィンドウ
    ズ)に飛ばされ、アクサンがウムラウト(沈黙)とともに追放された。
    http://q.hatena.ne.jp/1243871741#a924012(No.2 20090602 14:00:57)
     
    https://oshiete.goo.ne.jp/qa/5591454.html(No.1 20100114 02:42)
    …… 第三の波 ~ アダムが耕し、イブが紡いだ後 ~
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C2%E8%BB%B0%A4%CE%C7%C8
     
    http://q.hatena.ne.jp/1362927655#a1193272(No.3 20130311 12:11:30)
     脳内風景 ~ 地図のない町に住む女 ~ 情報美学外論
    https://twitter.com/awalibrary/status/747817653406928896
     
    http://twilog.org/awalibrary/search?word=%E7%AC%AC%E4%B8%89%E3%81%AE%E6%B3%A2&ao=a
     
    (20160630)(20180802)
     

  • すごいよかった。結局のところこの理論をどう実行に移すか、(主に政治的枠組みにおいて)というところが重要なのだと思う。36年前に出されたこの本が言い当てている混乱は未だに現在形のものであるし、そのあたりから政治理論が進化していないということでもあるんだろう。

  • この本を引用した論文や提案は山ほどある。しかしながら、大半はこの本を読了していないことが分かった。
    600p弱を読むのはなかなか大変である。
    しかし、それだけの価値はある。

  • 農耕的自給自足生活を第一の波とし、そこに ”くさび” が入り、生産者と消費者に分かれた事により発生し爆発的に広まった産業主義時代が第二の波。それら現状分析を元に新たな”第三の波”となる社会の未来予測、傾向、方向性を示している。第一とは似て非なる、その第三の波。非マス化、非集中化など、とにかく多様化故に第二とは真逆の分散化。


    この本が3.11以降の現在に自分の下へやって来て読む事が出来、非常にグッドタイミング。正に現代の日本の諸所の問題や対立は、第三の波の移行に対する、第二の波に属する人々の”あがき”とも受け止められる。エネルギー、マスコミその他様々な問題の先を行く方向性が漠然とだがイメージできた。


    もはや政治システムも、様々な機関などの多様化非集中化にスピード的にも処理不能で時代遅れとの論。


    非集中化故に国家変容。そこを読むと、昨今話題のTPPの問題が想起され、それに対しての反対という思考も既に時代遅れのよう+新たな時代の幕開け、最先端のように思えてくる。グローバル化。グローバル化だが世界が一つの中央集権政府に治められるような概念は幻想で、互いに脳神経細胞のように結ばれたネットワークであるとの予測があった。


    第三の波社会では最小単位として家族が重要であると。結局はその未来の社会ネットワークも、インターネットWEBの形状や概念と同様な、小規模コミュニティ単位を基礎とした、網の目状の連結の様な形か、などとも空想してしまった。


    ・自分の祖父母の代:田舎の農耕的社会~終戦後の第一の波的。
    ・両親世代:団塊世代+高度成長期、発展に直線的な経済、市場生活。第二の波的。
    ・そして自分の世代、その祖父母両親の双方の世代の思想を無意識的に受け継いでおり、二者択一的に、どちらの様な感じが良いのか…との思いが頭の片隅にあった。客観的には大災害を抜きにしても明らかに日本全体に閉塞感があり、未来への希望や方向性が明確ではなかったが、この本に有る方向性を参考にしてもいいかもしれないと感じた。脱都市化。そして第一と似て非なる、新たな半自給自足、DIY生活。一とニの総合。


    後々気がついたが、この本はスリーマイル後、チェルノブイリ+冷戦終了前(もちろんインターネット普及前)に書かれており、それを感じさせない程この現代の様々な問題に合致している。30年前の問題が何も解決されていないとも言えるし、長いスパンで変革していくとも言える。

    今、正にその変革の歴史の真っ只中にある。最終的にはこの本の予測通りにはならないかもしれないが、人それぞれ自分自身で新たな方向性を創造し歩む事は可能であり、それがこれからの新時代の初動の”波”であり、その個人個人のムーブメントの有機的連結が、結局はその著者の予測した第三の波社会に非常に近いものになるのではないかと。

    ……単一なものにくさびが入り、分離が故に対立、混沌、競争し発展し発展し尽くし収縮に転じ、再び元の形に一周したかのように戻るが、結果的に元とは違った性質、中身での成長発展した形体??。

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