少女コレクション序説 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012004

感想・レビュー・書評

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  • 澁澤龍彦の幻想世界とエロス。
    少女・人形への想いが物語りの少女につながる。
    コンプレックスの様々な名称は、たくさんあって驚いた。

  •  デカルトコンプレックスについて

     近代哲学の礎を築いた最重要人物デカルトが、死んだ娘を模した少女の人形に魅せられていたという逸話はあまり有名である。この話に嫌悪感を抱くものは多いだろう。しかし、誤解を恐れずに言えばそもそも少女という存在自体が幾分かはオブジェなのである。失った人間がその空白を埋めるために想像世界で愛を獲得するためには、対象の幻影だけで事足りるということを知ることになるだろう。幻影とはすなわち人形である。
     
     リラダンの『未来のイヴ』で人口美女アダリアーへの不可能の恋に悩むエワルド青年は、人形製作者であるエディソンから、訓戒を与えられる。
    「貴君にとって、あの女の真の人格は、あの女の美しさの輝きが貴君の全存在中に真ざました《幻影》にほかなりません。この影だけを貴君は愛しておられる。・・・結局、あの女のうちに創造したりしておられるものは、貴君の精神が対象化された幻ですし、またあの女のうちに、複写された貴君の魂でしかないのです。そう、これが貴君の恋愛なのですな。」
    すなわち、人形愛は究極の自己愛にほかならないのである。

  • 再読。

  • 「少女」という影に自身の欲望を投射するとか、小児期に負った心の傷が芸術の根底になるとか、自分の要素を持った客体として妹をみる(近親相姦)とか……読んでいると、「女性として」はいろいろ言ってやりたくもなる。けれど対象を「その者の対」と単純化して考えたり、好きな物語の登場人物(BL)に置換したりすると、読み物としては楽しめてしまう。
    あと個人的には「クロンハウゼン夫妻の列挙したポルノグラフィーの特徴を示す11項目のリスト」が日本の現在でもフッツーに通じ得てみえて、人間変わらないなぁと苦笑してしまった。
    後半は前半の知識を基に、「少女」を拡大した知識が語られていて興味深かった。

  • タイトルと中身は結構違ってて、エロス全般について考えた文学書という感じでした。
    読んでいて心にとめておきたい文章が結構でてくるけど、教養がないと読みにくく、分からない単語もちらほら出てきました・・・

  • エロス、倒錯、フェチズムが渦巻くめくるめく澁澤ワールド満載! のエッセイ。
    耽美で官能的な文章世界にはみてはいけないものをそっと覗き込むようなスリルがあり、引き込まれました。
    シモン先生の儚く官能的な少女人形がまた、この世界にぴったり。

  • 少女コレクション序説/人形愛の形而上学/アリスあるいはナルシシストの心のレンズ/犠牲と変身/東西春画考/セーラー服と四畳半/インセスト、わがユートピア/幻想文学の異端性について/ポルノグラフィーをめぐる断章/近親相姦、鏡のなかの千年王国/処女生殖について/ベルメールの人形哲学/ファンム・アンファンの楽園/幼児体験について/コンプレックスについて/宝石変身譚/エロスとフローラ/鏡について/匂いのアラベスク/玩具考/マンドラゴラについて/シモンの人形

  • エッセイ。性倒錯とかに関する文学的な解説である。

  • 耽美、幻想的、の意味を知った本。
    当時の私にはちょっとレベルが高かったのでじっくり読みました。

  • 再読。しばらくぶりに澁澤の衒学趣味を堪能する。本書は、その大半がエロティシズムをめぐるエッセイからなるが、いつもながらの博覧強記ぶりには驚くばかり。澁澤を読む楽しみは、まさにここにこそあるのだろう。エロティシズムの本質が「産まない」ことにあるとすれば、たしかに人形への偏愛はその極北の姿でもある。なお、表紙は四谷シモン製作の人形だが、本書に刺激されてベルメール等の関節人形をGoogle画像でしばし鑑賞することに。人形から発せられる静謐で不思議なエロティシズムに思わず魅き込まれそうになった。危ない、危ない。

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著者プロフィール

1928年東京生まれ。東京大学仏文科卒。フランス文学者、エッセイスト、小説家、翻訳家。マルキ・ド・サドやジョルジュ・バタイユの著作の翻訳・紹介をする一方、人間精神や文明の暗黒面に光を当てる多彩なエッセイを数多く発表。晩年は小説を発表するようになり、遺作となった『高丘親王航海日記』は第39回読売文学賞を受賞した。1987年没。

「2018年 『ドラコニアの夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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