実録アヘン戦争 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.59
  • (7)
  • (17)
  • (18)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 151
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012073

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 毎日出版文化賞

  • 2018/01/20 0:45:36

  • アヘン戦争について。中国の近代史の入り口として重要な事件なはずだが、詳しくしらない。 日本にも列強の力とやりかたについて知らしめた事件。 ただ、当時の日本と中国とでは市場規模とかが違いすぎる。 日本が明治維新から富国強兵が進められたことにはかなりの幸運があることを知る。

  • アヘン戦争前の清の衰世から大局観を持って説き起こされている。林則徐が登場して本題に入ってからは一気に読んだ。清対イギリス。イギリスはなんと酷い戦争を仕掛けたものだ。アヘン戦争から10年を経て起きた太平天国の乱にも巻末で触れられており、興味が尽きない。陳舜臣の本をもっと読みたい。

  • アヘン戦争の要因、経緯、影響がコンパクトに纏められている。英国による残虐な無法行為が隣の日本で再現されなかった理由の1つに、清国が蒙った被害が日本の有識者を緊張させ、その事例から学んだ事も挙げられるかも知れない。日本の近代化の端緒ともいえるこの事件にもし興味を持ったら、実録風に楽しく読める本書は格好の作品。

  • イギリスの不義の戦いがコンパクトにまとまっています

    読み物としても面白いです

  • 表題にあるように小説ではなく実録としてアヘン戦争をまとめた作品となっている。アロー戦争を第二次アヘン戦争とするならば、これは第一次のみを扱っている。小説の方もちょっと読みたくなる。

  • 古本で購入。

    アヘン戦争は「西からの衝撃」として東アジアの近代史をひらいた重大な歴史的事件である―
    この前提の下、その衝撃の状況を捉え、西に染められる以前の前近代の東アジアの様相を再現すべく書かれたのが本書だ。

    康熙・雍正・乾隆三代の盛時を過ぎ、傾斜期の衰世となった道光帝時代の雰囲気から筆を起こし、アヘンの蔓延と銀の流出、清の対外貿易の仕組み、アヘン厳禁論と弛禁論の論争というように、アヘンをめぐる当時の社会の動きなどが描かれている。
    そして林則徐によって禁絶策が施行され、有名なアヘンの没収と処分が行われる。清を侮りきったイギリスとの緊張の高まり、ついに放たれる砲火と清軍の惨敗。林則徐は責任を押し付けられて左遷され、屈辱的な講和条約をもってひとまず幕が下ろされた。

    陳舜臣は、こうした実録的・概説的な作品を書かせると抜群におもしろい。
    彼の小説は起伏が乏しく地味な感じになりがちだけれど、この手のものを小説家の腕で書き上げると生き生きとした歴史として立ち上ってくるから不思議だ。
    個人的に、陳舜臣の最高傑作は『小説 十八史略』だと思っている。これは元代の歴史読み物『十八史略』を小説的に味付けしたもの(要は別モノ)だが、南宋滅亡までの流れを知ることのできる一種の「概説書」。これがまたおもしろい。併せて『中国の歴史』もオススメしたい。

    林則徐というアヘン戦争の英雄が登場するものの、本書の主人公は彼ではない。
    ここで著者が描き出したのは、大雑把に言えば19世紀半ばの中国、ひいては東アジアの「時勢」とでも言えるもの。当時の雰囲気を掴むのに適した本としてオススメ。

  • 現代の中国の人に読んでほしい!!

  •  中国、そして東洋が、帝国主義時西洋に組み込まれるきっかけとなった、アヘン戦争。そのアヘン戦争前後の清国と、英国を中心とした西洋列強の関係を綴った本である。
     この本の注目すべき点は、清国(中国)という国の考え方である。具体的には、官僚の国家内での位置合い、中国と夷国の関係がある。
     他にも、英国と米国との間の静かな貿易競争が、後の歴史と関係してくるだろうと予想され、重要な点だと思う。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

陳舜臣の作品

実録アヘン戦争 (中公文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×