実録アヘン戦争 (中公文庫 M 265)

著者 :
  • 中央公論新社
3.62
  • (9)
  • (19)
  • (21)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 205
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012073

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 222
    小説家の書いた歴史書。歴史書=史実であり、小説家が史実を語ると面白い。まさに「事実は小説よりも奇なり」である。中国史に興味のある人、日本を含む東アジアが被った「近代」という怒涛の嵐について知りたい人、アヘン戦争がなぜ勃発し、清朝が簡単に敗北したのかを理解したい人、歴史書を楽しみたい人におすすめの一冊。
    (『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)

    東アジアの全近代史に激甚な衝撃を及ぼした戦争と人間。その全像を巨細に活写し、読む面白さ溢れる名歴史書に「それからの林則徐」を付した決定版。

  • 近代中国史の屈辱は阿片戦争に始まる。依存性薬物の阿片を輸出し、清国民を阿片漬けにして、それを清国政府が取り締まると侵略戦争を始めた。この上なく非倫理的な侵略である。

  • アヘンが東洋で受け入れられた理由に仏教思想を背景に説明されていることが面白い。林則徐の退場以降はいろいろヒドすぎ。読みすすめるのがしんどい。

  • 「実録アヘン戦争」陳舜臣著、中公文庫、1985.03.10
    286p ¥390 C1122 (2022.01.09読了)(2014.07.12購入)(1989.10.10/4版)
    2017年に「中国の歴史」陳舜臣著、を読みました。その時、ついでにこの本も読むつもりだったのですが、タイミングを逃して、やっと読めました。
    当時(1840年頃)の中国の朝廷の様子がよくわかります。小説家の書いたものなので、歴史家の書いたものよりわかりやすいと思います。
    日本の幕末の志士たちも、中国の「アヘン戦争」ようにはなりたくないと頑張ったと言われるので、日本の歴史にとっても重要な事件だったわけです。読めてよかったです。

    【目次】
    まえがき
    第一章 衰世
    第二章 ひるねの友
    第三章 狭い門戸
    第四章 論争
    第五章 点火
    第六章 虎門の煙
    第七章 戦火
    第八章 アヘンのために
    第九章 プリズムの時代
    それからの林則徐

    ☆今後読みたい本
    「太平天国」増井経夫著、岩波新書、1951.07.15
    ☆関連図書(既読)
    「秘本 三国志 一」陳舜臣著、文春文庫、1982.07.25
    「秘本 三国志 二」陳舜臣著、文春文庫、1982.07.25
    「秘本 三国志 三」陳舜臣著、文春文庫、1982.08.25
    「秘本 三国志 四」陳舜臣著、文春文庫、1982.08.25
    「秘本 三国志 五」陳舜臣著、文春文庫、1982.09.25
    「秘本 三国志 六」陳舜臣著、文春文庫、1982.09.25
    「小説 マルコポー口」陳舜臣著、文春文庫、1983.04.25
    「ものがたり水滸伝」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「ものがたり史記」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「ものがたり唐代伝奇」陳舜臣著、朝日文庫、1983.07.20
    「西城余聞」陳舜臣著、朝日文庫、1984.05.20
    「中国の歴史 一」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「中国の歴史 二」陳舜臣著、平凡社、1986.04.25
    「中国の歴史(5) 動乱の群像」陳舜臣著、平凡社、1981.07.15
    「中国の歴史(6) 世界帝国へ」陳舜臣著、平凡社、1981.09.25
    「中国の歴史(7) 隋唐の興亡」陳舜臣著、平凡社、1981.12.15
    「中国の歴史(8) 宋とその周辺」陳舜臣著、平凡社、1982.02.25
    「中国の歴史(9) 草原からの疾風」陳舜臣著、平凡社、1982.04.23
    「中国の歴史(10) 復興と明暗」陳舜臣著、平凡社、1982.07.10
    「中国の歴史(11) 明から清へ」陳舜臣著、平凡社、1982.09.10
    「中国の歴史(12) 清朝二百余年」陳舜臣著、平凡社、1982.12.15
    「中国の歴史(13) 斜陽と黎明」陳舜臣著、平凡社、1983.03.07
    「中国の歴史(14) 中華の躍進」陳舜臣著、平凡社、1983.04.
    「録外録」陳舜臣著、朝日文庫、1990.12.20
    「琉球の風 一」陳舜臣著、講談社、1992.09.24
    「琉球の風 二」陳舜臣著、講談社、1992.10.14
    「琉球の風 三」陳舜臣著、講談社、1992.11.05
    (アマゾンより)
    東アジアの全近代史に激甚な衝撃を及ぼした戦争と人間。その全像を巨細に活写し、読む面白さ溢れる名歴史書に「それからの林則徐」を付した決定版。

  • 陳舜臣の本が読みたかった。司馬遼太郎と対談とかしているので。たまたま行った古本屋さんで手に取った。アヘン戦争。言葉は知っているが中身や歴史での位置付けは良く理解していなかった。あと林則徐という英雄が居たことも。韃靼疾風録を読んでいたので清朝も馴染みがあった。ここが中国の近代の始まりなんだな。この後太平天国の乱が起こって近代に突入していくのかな。孫文も読まないとと思った。しかしこの戦争のイギリスは酷い。ただのチンピラだな。しかし戦力の差。日本は中国があったからイギリスに攻め込まれなかったのか。よく分からないけど。この事件が起こって林則徐が外国の資料を渡して書かれた本が日本に来て日本に影響を与えるという。凄い連鎖だ。

  • 古いけど,最近の歴史の本より好き。

  • 毎日出版文化賞

  • 2018/01/20 0:45:36

  • アヘン戦争について。中国の近代史の入り口として重要な事件なはずだが、詳しくしらない。 日本にも列強の力とやりかたについて知らしめた事件。 ただ、当時の日本と中国とでは市場規模とかが違いすぎる。 日本が明治維新から富国強兵が進められたことにはかなりの幸運があることを知る。

  • アヘン戦争前の清の衰世から大局観を持って説き起こされている。林則徐が登場して本題に入ってからは一気に読んだ。清対イギリス。イギリスはなんと酷い戦争を仕掛けたものだ。アヘン戦争から10年を経て起きた太平天国の乱にも巻末で触れられており、興味が尽きない。陳舜臣の本をもっと読みたい。

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1924年-2015年。神戸市生まれ。大阪外国語大学印度語部を卒業し、終戦まで同校西南亜細亜語研究所助手を務める。61年、『枯草の根』によって江戸川乱歩賞を受賞し、作家活動に入る。その後、93年、朝日賞、95年には日本芸術院賞を受賞する。主な著書に『青玉獅子香炉』(直木賞)、『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』(日本推理作家協会賞)、『実録アヘン戦争』(毎日出版文化賞)、『敦煌の旅』(大佛次郎賞)、『茶事遍路』(読売文学賞)、『諸葛孔明』(吉川英治文学賞)、『中国の歴史』(全15巻)などがある。

「2018年 『方壺園 ミステリ短篇傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

陳舜臣の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×