嵐の中の北欧: 抵抗か中立か服従か (中公文庫 M 266-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012127

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  • 第二次大戦でノルウェーが学んだ教訓は、大国は小国の中立など少しも尊敬しなかったということ。まして、そこに戦略的地位と、交戦国に死活の利益をもつ経済活動が関係して来る場合はなおさら。

    俗に言うフィンランド化は、国民の英雄的な抗戦があってはじめて勝ち得られた。力無くては何も得られないのが国際政治の現実。

    スウェーデンがドイツの要求に抵抗出来るようになったのは、3年間の死に物狂いの軍備拡張の結果である。戦後もその軍事力を縮小せず、かえって全土を要塞化する重装備の針ねずみ国家を作り上げた。

    デンマークは、たった4時間でドイツに占領された。デンマークは1920年代から血縁の隣国よりも国際連盟にすべての希望と期待をかけ、その過大な期待のため自国の防衛態勢には殆ど無関心のままであった。

    中立維持がいかに難しいか。

  • すごく古い本だけど、北欧の歴史は知らないことが多いので、とても興味深く読んだ。

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著者プロフィール

1928年北海道室蘭市生まれ。中央大学法学部卒。外務省語学留学生(ストックホルム大学)、外務省北欧担当官(この間NHK国際放送〔北欧向け〕顧問)。在スウェーデン、デンマーク大使館一等書記官、宮内庁式部官、駐イスタンブール総領事を歴任。北海道東海大学教授(国際政治および日本外交史)、東海大学教授(北欧政治・外交および北欧社会研究)。この間大阪外国語大学、立教大学非常勤講師。1999年退任。現在、北欧文化協会理事長。
〈主な著書〉
『白夜の国々』(中公新書 1985)、『物語 北欧の歴史』(中公新書 1993)、『北欧の外交』(東海大学出版会 1998)、『北欧を知るための43章』(明石書店 2001)、『福祉国家スウェーデンの闘い』(中公新書 2001)、『物語スウェーデン史』(新評論 2003)、『バイキングと北欧神話』(明石書店 2005)ほか多数。

「2006年 『北欧悲史 悲劇の国王、女王、王妃の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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