- Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122012271
感想・レビュー・書評
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家族間で対話が不足しているがゆえの悲劇だと思った。
半年後に結婚するので、相手に対する思いやりを忘れずにいきたいです。
本の内容とは関係ないが、普段使わないデバイスで読んだので疲れた。
この人の作品は本で読みたいかな。
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まあまあかな。
許しという著者のライフワークの主題は本書にはあまりない -
妹である母親と夫と息子二人の幼少期から受験期までの綿密で濃やかな日々にとても引き込まれた。古さは全く感じなかった。姉は狂気の母性を持ち妹は自己中心的。事故以来頭が悪くなったと言われる弟の自然な無垢さが眩しい。浮気をやめてくれと頼む優秀な兄の父親への根っ子の信頼が叶うと思えず読み進めながら苦しかった。
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身近にありそうな設定の家庭の物語。子ども、夫の悩み。表には出さないが、抱えている問題には、色々と共感できることが多い。
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平凡で幸せそうな家族なのにこんなにもそれぞれの葛藤があるのかと
思える作品でした。
サラリーマンの夫和朗とその妻亜由子。
子供は男の子が二人、兄純一と弟真二の四人家族。
物語は少年純一の澄んだまなざしをとおして、
父と母の大人の世界を見つめながら進んで行きます。
和朗は昔から浮気症だと思っている亜由子の目線で
最初は語られるので、読者も和朗が悪いと思えますが、
和朗には和朗の言い分があり、
それがこの物語のキーワードになっていました。
この小説は昭和58年発行で、そのころの世相がよくわかる作品です。
夫婦にしてもこれは、まるで仮面の夫婦です。
ギスギスした夫婦間でも子供のためにと、
耐えて耐えて、取り繕っていた時代だったのでしょう。
今では考えられない。
恐らくこのような問題が夫婦間でおこれば、
今ではすぐに離婚、ということになるのだろうなあ。
父である和朗と母である亜由子の狭間で
ゆれながら成長していく少年純一が
自分たち子供の存在を主張し、
母の誤解や父の寂しさを理解していくまでが
三浦さん独力の文章力でせつなくも力強く書かれた作品でした。
ただひとつ、私も「?」と思ったのは、
あめん坊さんも指摘していた「三浦さんらしからぬ点」でした。
おそらく、読んだ方にはすぐにわかるはず。
そういう意味でも、異色の作品です。