春琴抄・吉野葛 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論社
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122012905

感想・レビュー・書評

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  • 谷崎潤一郎は、あらすじだけを語ると確かに変態。
    この春琴抄はあらすじを聞いて、読まないであろうと思っていたが、他の谷崎作品が好きなので読んでみた。
    今まで、何を怖がっていたのかと思うほど、痴人の愛と同じく、性的描写はほぼなく、谷崎特有の綺麗さがあった。
    もう少し勇気が出たら、卍にも挑戦してみよう。

    谷崎さんのなかで、かなり純愛度の高い作品。
    わがままな春琴に尽くす佐助の愛を感じた。
    また春琴も、やけどした顔を最も佐助に見られたくないと最後の最後で述べて、素直になり、春琴を見ることにより彼女を傷つけること全力をかけて拒んだ佐助の愛情を受け入れる。
    なんか感動した。盲目で、あたかも2人しか存在しないように感じる完璧な世界。
    谷崎さんしか書けない世界。

    吉野葛も、ただの旅行記かと思っていたら、さにあらず。何が起こるのだろうという期待感を途中で持たせてくれて、やはり谷崎さんのうまさを感じた。

    すでに谷崎作品は5冊目になるが、どれもいい。
    全集を買おうか、迷いだした今日この頃。

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