三島由紀夫おぼえがき (中公文庫 M 176-7)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122013773

感想・レビュー・書評

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  • 色んな方に勧められて読みました。
    いやあ………感慨深いものがありました。
    特に仲が良かった澁澤龍彦ですが、私も豊饒の海をかなり前に読んでいて、よりしっくりくる解説をしてくれたのが有り難かったです。
    三島由紀夫という人は、ある意味ファンタジックな世界にいて、現実を見た瞬間に消滅していった人ということが分かりました。
    ファンタジックと言っても、お花畑みたいなものではなく、寓話であり、観念の人であり続け、しかし最後の対談は淡々と

    三島由紀夫を介錯したら、自殺幇助になる

    なんて言葉も出てきて、彼らは非常に寓話的でありながら三島由紀夫は消滅していったけど、小説という形で生き続けている現在、澁澤龍彦は現実をしっかり見開いて見ていて、特に三島由紀夫との会話は、温かくなるような会話を交わしていたところが読んでいてほっとしました。
    三島由紀夫を唯一、文学的にも人間的にも知っていた澁澤龍彦。
    これを読んだら、三島由紀夫が読みたくなったので、積んである、獣の戯れでも読もうかしら。

  • 著者の三島由紀夫との交流が描かれ、意見を異にすることはあっても、お互いに刺激しあい、敬愛し、時に小説のモデルに使われたりといった様子が描かれていて興味深い。三島由紀夫死後に行われた対談では、世間の文脈でその死を分析することの不毛さを語り。死の直後に書かれた追悼文も印象深い。また、三島由紀夫が死の数ヶ月前に行なった対談で、示唆的な内容を語っているところも収められている。

  • 三島由紀夫をめぐる断章/三島由紀夫覚書/三島由紀夫の手紙/琥珀の虫/三島由紀夫とデカダンス/三島由紀夫氏を悼む/絶対を垣間見んとして…/『天人五衰』書評/輪廻と転生のロマン/『音楽』解説/セバスティアン・コンプレックスについて/サド侯爵の真の顔/『サド侯爵夫人』の思い出/女だけの女の芝居/サドと三島文学/フランス版『サド侯爵夫人』について/惑星の運行のように/『美の襲撃』書評/サロメの時代/ユルスナール『三島あるいは空虚のヴィジョン』あとがき/対談:鏡花の魅力(三島&澁澤)/対談:タルホの世界(三島&澁澤)/対談:三島由紀夫(澁澤&出口)

  • この二人めっちゃ好きです。
    本を通して二人の会話など見れたのは非常に新鮮でよかった。
    改めて三島由紀夫を尊敬している人は当時では非常に多かったのだろうと思う。
    二人の会話で泉鏡花の本を非常に読んでみたくなった。

  • 8/15 読了。
    ミシマ先輩とシブサワくん。「たまにはかういふ甘えもゆるして下さい」って。この二人の距離感が好き。

  • 澁澤の筆を通して描かれる三島の姿が、とても新鮮だった。サービス精神に富んだ人物だというのは意外だ。
    また、三島の作品評や、「天人五衰」についての創作ノート、また生前の三島との対談等が収められているのも嬉しい。
    「作家論」ではなく、本人を知っている人間が綴るエピソードは面白い。勿論、澁澤龍彦の文章の巧みさによる部分も大きいのだろうが。

  • 三島由紀夫と生前個人的に友好があり、文学においても互いを尊敬しあう仲である筆者が語る三島由紀夫と三島文学。

    生前のエピソードとか、もう、たまらんです

    三島由紀夫が盾の会を設立したり、自衛隊に入隊したときに、筆者は
    「いつの間にか貴兄もずいぶん遠いところへ行ってしまわれたような気がします」
    と手紙を送ったそうです。
    それに対する三島氏の返事は以下の通りなのですが

    「いろいろ近作にお目とほしいただいてゐて恐縮ですが、その感想によりますと、澁澤熟から破門された感あり、寂寥なきをえません。小生がこのごろ一心に『鋼鉄のやさしさ』とでもいふべきtendernessを追及してゐるのがわかつていただけないかなあ?」

     なんか、三島氏の文学に似ず、ものすごく感傷的で人間くさい文章だなあってほろりとしちゃいました。

  • ん〜〜〜!実に残念!!表装…カバー写真がないですね…。<br>これは非情に貴重?は【デ・ラランデ邸】の在りし日の姿なのに…。この洋館は旧三島食品(のちのカルピス)の建物で、三島の【鏡子の家】のモデルになった歴史的建造物。<br>しかし…私のお気に入りの書物…表装画像がないものが本当に…多いなあ。

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