キムチとお新香―日韓比較文化考 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122014282

作品紹介・あらすじ

韓国の美に悲哀をみる柳宗悦への批判を契機に、源流を共有しながらそれぞれ独自に形成した日韓文化に、キムチとお新香のような差異を発見し、民の文化とはなにかを問いつづける日韓比較文化論。

感想・レビュー・書評

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  • 1987年(初出1971〜78年)刊。
    著者は静岡県立大学国際関係学科教授。

     朝鮮半島の文化・生活・遊戯などを、日本列島との比較を交えつつ、民俗学的・文化人類学的視点から解読しようとするエッセイ集。

     かような民俗学的視点で朝鮮半島の文化を語る書はさほど多くないという印象がある中、なるほど、貴重な書だろう。エッセイで読み易い部類だし。

     しかし問題も。
     確かに、民俗学に基礎を置く書としては止むを得ないのだろうが、評価の決めつけが数多見受けられる。
     例えば
    ① 仏僧揶揄を仏教の揶揄と同一視する解釈を「飛躍」と断言してしまう件。
    あるいは、
    ② 仮面の創造的製作を「喜び」と一義的に規定する点など。
     そもそも「創造」には苦悩や努力を伴う場合もあるはずだし、それが普通だろうに…。

     また、生活・社会・文化史といえども、朝鮮史の、いつの時代に結びつくかを抜きにしては語り得ない。 ある文化的な所産が、古代と繋がるのか、それとも近世かによって、それが持つ意味が違うのは明らかだろう。また、半島のどの地域と繋がるかによっても違うはずだ。
     しかし、本書にはそういう視点・叙述は乏しい。

     ただし、日本の能面を引き合いにした、半島における仮面論は別儀だ。かなり詳細な説明で、わりと読ませる内容である。

  • 264夜

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