日韓ソウルの友情―座談会 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122015265

作品紹介・あらすじ

漢字が消える世代、植民統治下の抵抗、日韓それぞれの儒教、異なる文明をもつ友人等々…。いちじるしい近代化の中に薄れゆく伝統、簡略化される言語問題を憂い、相互理解による"互敬のつき合い"を提言する、日韓碩学による座談会。

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  • 中公文庫
    司馬遼太郎 日韓ソウルの友情

    市民レベルの日韓理解を目的とした35年前の座談会。巻末に小辞典があり 用語解説が充実している


    「両国(の市民)は、あらためて 他人として 互いを知るべきではないか」という言葉で始まる。たしかに 韓国のことはあまり知らない。今まで 関心を持ったのは 李御寧と尹東柱 だけかも。


    興味を持ったのは、500年続いた李氏朝鮮(高麗も併せると千年続いた統一王朝)の崩壊理由。座談会内容から想像するに、日本と韓国の儒教の受け入れ方の違いに 崩壊理由の一端がありそう。


    日本は単なる道徳律として儒学を用いただけで、朝鮮は イデオロギーとして支配体制に組み込んだとのこと。儒教は長期平和を実現する支配体制としては機能するが、儒教を知らない 野蛮な日本の外圧に対しては 機能しなかったということだろうか


    初めて知ったこと(35年前の話で現在は違うかも)
    *韓国の漢字廃止政策〜言語政策が重要という発言は 島国日本としては驚く
    *おはよう、こんにちは...など 挨拶の定型がない〜現在は違うと思う
    *一人飲みがない〜海外でもよく聞く。一人飲みは日本だけ?
    *手紙の返事や日記は書かない〜日本統治時代の影響みたいなので現在は違うと思う
    *黒白理論(白か黒かで中間を許さない)→自分と同じ考えでない人間は敵とのこと〜儒教の影響?
    *鎖国600年(日本は270年)


    35年前の話とは言え、渡辺吉鎔 氏の韓国経済が 日本を越えることを示唆する言葉は、なるほど と思う
    「日本人はソロバンは はじくけれど〜凝りにこって 道になってしまうことがある。そこで無駄も出てくる〜韓国人はソロバンのみ」

















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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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