危機の構造: 日本社会崩壊のモデル (中公文庫 こ 25-1)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122017863

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  • 1976年出版 オイルショック・ロッキード事件を危機とし
    日本の対応力の不足を問う
    1.戦前から「科学的対処力」の弱さ 太平洋戦争
     日華事変で取り返しが効かなくなり、
     真珠湾攻撃で国家滅亡へ
     戦術大勝利、戦略理解できず、国家戦略は能力外
     軍事官僚が国政を担うとき、国家滅亡は必然
    2.だれもが無責任体制
     権力者が官僚しかない
     オーナーシップは明治維新の勲功者だけ
     維新後の官僚には胆力はなく、己の栄達のみ
    3.経済学は無力
     合理的経済人の前提が現実から遊離させる
     サミュエルソン 近代経済学の基礎
     2020年からみると「世界資産の規模」桁違い
     FACT・DATAを見えていない

  • オイル・ショックの後に書かれた、やや時評的な性格を持った論考を収録しています。

    戦後の日本社会のあらゆる領域でタコツボ化が進行し、人びとが官僚化していった結果、個々の狭い共同体への忠誠と、共同体の外部に対する無関心が蔓延していったことに対する危機感が、著者の議論の背景にあります。これが、日本のアノミー状況を特徴づけており、戦後日本社会は大きな変容を迎えたにもかかわらず、戦時中の軍部や政府と同じような、各機能集団間のディスコミュニケーションを発生させていることを、鋭く批判しています。

  • 今の日本の状況を理解するためのバイブル

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年、東京大学から法学博士号を授与される。2010年没。著書は『ソビエト帝国の崩壊』『韓国の悲劇』『日本人のための経済原論』『日本人のための宗教原論』『戦争と国際法を知らない日本人へ』他多数。渡部昇一氏との共著に『自ら国を潰すのか』『封印の昭和史』がある。

「2023年 『「天皇」の原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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