失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122018334

感想・レビュー・書評

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  • 空気に支配されて、正しいことを判断できない世界。
    普段のビジネスの現場にも往々にして起きている。

  • うーん、みんなの感想が判で押したように「今も全く変わってない、何も進歩していない」とあるけど、本当の失敗の本質はこの「わかっちゃいるけど、変えられない」気質のところにあるんじゃないかと。ここで書かれる日本軍の失敗例は参考にはなるけど、じゃあなぜそれを自分の所属している組織で実践できないのか?空気に逆らい客観的な判断をしようとしても、なぜ当事者になったときに阿諛追従な態度しか取れないのだろうか?それは個人的性格や環境に左右されるものなのか?そうした部分まで踏み込まない限り、これからも失敗し続けるよ、きっとね。

  • さすがに読むのに時間がかかった。
    読んだといっても字面を追うのが精一杯だった感じ。要再読です。
    内容はすごいです。大東亜戦争における日本軍の組織的・戦略的な問題点を見事に分析・指摘しています。で、この指摘事項がそのまま現在の日本の政治や官公庁、はたまた企業の問題点に当てはまってしまっている。日本人の特質なのか、問題点が指摘されているにもかかわらず変わっていない。変えられないのかな。
    「戦略上の失敗要因分析」として、
    ・あいまいな戦略目的(両論併記的折衷案の連発)
    ・短期決戦の戦略志向(長期的展望の欠如)
    ・主観的で「帰納的」な戦略策定(楽観論、精神論の横行)
    ・狭くて進化のない戦略オプション(成功体験への依存)
    ・アンバランスな戦闘技術体系(オタク的な技術論,1点豪華主義,攻撃力だけで防御力を顧みない)
    の5点を、
    「組織上の失敗要因分析」として、
    ・人的ネットワーク偏重の組織構造(馴れ合い体質,情緒的)
    ・属人的な組織の統合(法的権限ではなく人間関係で動く,暗黙知,心内の汲み取りを期待する)
    ・学習を軽視した組織(同じ失敗を繰り返す,成功体験を頑なに引きずってしまう)
    ・プロセスや動機を重視した評価(結果よりも熱意を重視,無謀な作戦に異を唱えれば更迭)
    の4点が挙げられている。
    学習論とかにも触れられており、内容は濃ゆい。日本のサラリーマン、しかも中堅ところより上の人は一度読むことをお勧めしますよ、この本は。
    もともとTLで紹介されていて、気には留めていたのですが、「永遠の0」を読んで即購入決定。永遠の0で太平洋戦争のことに少し興味が涌いたので。これを機に永遠の0も再読だな。
    わが社も指摘された日本軍の組織的問題点と同じものを抱えている気がする。
    じぶん自身も考え方が古く、思考が硬直していると最近特に思う。成功体験に縛られているというか、あきらめに似た失敗への恐れで、新しいアイデアが出ていないよなあ。
    ちなみに単行本刊行は1984年。実に28年前。

  • 大平洋戦争においでなぜ日本軍が敗北を喫したのか。それはアメリカ軍との物量差が圧倒的にあったからだとか、兵器の精度が違ったからだとかそういう理由で、敗北は開戦した瞬間に決まっており、なぜ日本政府は開戦に踏み切ってしまったのかということに目がいきがちである。しかしこの本では真珠湾攻撃後の日本の敗戦を決定づける緒戦、それも日本軍の組織体系に焦点を当て問題を提起している。この本を読んで思ったのは、日本軍の各々の重要な作戦に失敗しておきながら責任の所在を曖昧にし、その結果を過小評価し次に生かせない組織体質、楽観主義、硬直した思考、平時に為すべき準備が不十分なため非常時の混乱、これら全ては現代のあらゆる組織に見られるのではないかということである。それは政治家や官僚にあるだけでなく企業、学校、部活動などあらゆるレベルの組織においても共通してみられるのではないかと思ってやまない。戦勝国のアメリカに習えということではないが自分が今属する組織の問題点を洗い出し、考えるきっかけになればいいと思う。

  • 日本軍が戦ってきた6個の戦争で何故負けたのか分析し、それをビジネスにも生かしてほしい主旨の書だと思う。戦略のミスは戦術では取り返せない、コンティンジェンシープラン(不測の事態に備えた計画)をたてよ、リーダーの考えがメンバーに伝わっていないと戦は負ける、戦略や作戦目的即ちビジョンを明確にせよ、合理性、効率性を追求せよ、等ビジネスと全く同じだ。目的を決めて戦略を立て軌道修正していく。これを実行していきたい。

  • なぜ日本の組織は失敗するのか、を世界大戦の日本軍の失敗を例に分析した本。読んでいると非常に切ない気持ちになった。
    失敗の原因としては、上長への行きすぎた配慮や、部下の士気に忖度しすぎること、曖昧な命令が生きてしまい組織が暴走してしまうこと、上司の暴走を部下が止められない(止めた人は左遷される)等が挙げられ、現在組織においても同様の問題がみられるよな、と思ったりした。これが日本人の特性かと思うと、非常に根深い恐ろしさみたいなものを感じる。
    非常に読み応えがある反面、日本が失敗する話ばかりなので、非常に読みづらい本でもありました。

  • 数ある敗戦の原因の内、「失敗」の蓄積・共有、そこからの学習がなされていなかったという部分に特に共感した

  • 何故日本は第2次世界大戦で負けたのか。
    その問いへの答えを、戦略と組織の観点から読み解く良書。
    ここで指摘された問題点を、未だに日本の組織は引きずっているのではないか?
    初版は1991年だが、今読んでも古さが感じられない。

  • 何事も変化対応が重要ってことかな

  • 大変面白く読ませてもらいました。
    ミッドウェー、ガダルカナル、インパールなど名前だけは、知っていましたが、日本軍がどう戦って、なぜ敗れたのか知らなかった私にとって非常にいい機会となりました。
    その上で日本軍および軍の統率者たちが気付かずしてやらかしてしまった失敗を見るにつけ、現代の政治や官僚機構における政にも、似たり寄ったりな政策や振る舞いがダブって見えてくる気がするのは、気のせいではないんでしょうねぇ~
    失敗の本質を知って、日本人の気質というか体質と云うかがよく分かった気がします。
    昨今、新たな戦争が幕を開けるやもしれぬこの状況で、どうすれば同じ轍を踏まずに済むのか、、、
    先の大戦に負けた理由、原因があまりにも日本人らしくてほんと心配になっちゃいました。

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著者プロフィール

2017年9月現在 帝京大学文学部教授

「2017年 『〈日中戦争〉とは何だったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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