TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 14975
感想 : 1456
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122018839

作品紹介・あらすじ

病弱で生意気な美少女つぐみ。彼女と育った海辺の小さな町へ帰省した夏、まだ淡い夜のはじまりに、つぐみと私は、ふるさとの最後のひと夏をともにする少年に出会った―。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語。第2回山本周五郎賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 女子にとって、親友と彼氏はとても大きな存在。
    自分をまるっと受け止めてくれて理解してくれる存在。

    病弱でいつも死が頭の片隅にあるつぐみは、人をバカにしたような口を聞いて、恐れを知らない行動を取る。
    それは、誰も自分のことは理解できないと思っていたからではないかなぁ?
    同じ敷地内に暮らす従姉妹のまりあとはいつしか親友の間柄になる。そして優しい彼氏もできる。
    この二人がつぐみの良き理解者となって、1言えば10わかってくれるような関係になれたことが、つぐみを変えていったのではないか、と私は思いました。
    あの恐れを知らなかったつぐみが、もう死んでしまうかも‥‥と弱気になったのは、怖いもの知らずだった少女が大人になり、周りのみんながどんなに自分を心配し大切にしてくれているのかが分かるようになったからではないかと私は思います。

    吉本ばななさんの文章はとても美しい。親友同士のなんだかカチッと分かり合えるということや、夜にはなぜだか胸の内を語ってしまうということ、そして海辺の町をなんとも美しく表現してくれています。
    ばななワールドに魅了されました。

    • しずくさん
      吉本ばななさんは『キッチン』で好きになった作家さんです。『TUGUMI』と聞いて懐かしさがこみ上げてきました。随分昔若い頃に読んでいて、内容...
      吉本ばななさんは『キッチン』で好きになった作家さんです。『TUGUMI』と聞いて懐かしさがこみ上げてきました。随分昔若い頃に読んでいて、内容もおおかた忘れてしまいましたが、印象が強く心に刻まれた1冊です。登山をするようになり、鳥を観察し初めツグミという鳥を見た時にすぐ本作のタイトルが浮かびました。
      とりとめもないコメントになりました・・・。
      2022/10/21
    • こっとんさん
      しずくさん、こんにちは♪
      私も『キッチン』は若い頃に読んだのですが、『TUGUMI』は未読でした。
      やっぱり吉本ばななさんはいいですね〜
      私...
      しずくさん、こんにちは♪
      私も『キッチン』は若い頃に読んだのですが、『TUGUMI』は未読でした。
      やっぱり吉本ばななさんはいいですね〜
      私は“つぐみ“と聞くと芦田愛菜ちゃんの“Mather“の可愛い演技が思い出されちゃいます。
      しずくさん、登山をされるんですね!私はキャンプによく行くのでアウトドア繋がりでちょっと嬉しかったです♪
      2022/10/21
  • きらめく美しい海と
    胸の奥を満たす潮の香り。

    旅館の居間で飲む薄めのカルピスと
    扇風機の生ぬるい風。


    切なさの塊のような文体で綴られる、
    生意気な少女と過ごした
    海の見える旅館での
    忘れることのできない
    一瞬のきらめき。


    夏と言えば
    真っ先に思い出すのが
    大好きなこの作品です。


    まずなんと言っても
    病弱で生意気な少女つぐみの
    傍若無人でいて純粋無垢なキャラが
    とにかく魅力的で心惹かれるのです。


    コレあまり知られてないけど
    映画版で牧瀬里穂が
    つぐみを演じていて、
    これが妙に合ってたんですよね〜


    主人公の白河まりあが語る、
    つぐみという
    いとこの少女と過ごした
    山本旅館でのひと夏の思い出。

    ただそれだけの話なのに
    どうしてこれほど
    記憶に残って
    いつまでも光を放ち続けるんだろう。


    意地悪で口が悪く、
    わがままで甘ったれで
    ずる賢いつぐみ。

    病弱なつぐみが
    いつも
    イライラを抱えてるのは
    いつか来る死の不安が常にあるから。

    そして人に理解されてしまわないよう
    わざと汚く振る舞う
    つぐみの
    いじらしいこと。


    まりあとつぐみが仲良くなるきっかけとなった
    お化けのポスト事件、

    犬のポチとつぐみの見えない絆、

    恭一とつぐみの淡い恋模様、

    いつも穏やかで涙もろい
    つぐみの姉の陽子ちゃんの清らかな魂。

    眠れなくてパジャマのまま
    あてもなく歩く
    夜のピクニック。

    花火を見上げながら食べるスイカ。


    ばななさんが
    この作品に込めたものは、

    いつか消えて無くなってしまうモノへの郷愁。


    そしていつも
    ばななさんの小説に共通するのは、

    避けがたいけれど
    決して不幸ではない
    自然な別離の大切さと

    儚く散ってしまったモノが
    きらめいた軌跡を
    絶対に忘れないでいようという
    強い意志なんですよね。


    人はみな
    守り守られて生きている。

    だけど二度と戻れなくなってからじゃないと
    その中で守られていたことにすら気がつかない…

    一度そこから飛び出してしまわないと
    その温もりには
    絶対に気付かない…


    だからこそ
    人には別れが必要だし、
    人はいつか
    暖かい場所を離れ
    旅立っていくんだと思う。


    命の危機にさらされたつぐみが
    初めて自分の心情を綴った、
    まりあに最後に送った手紙。


    切なさと希望が入り混じったラストも
    本当に素晴らしい、
    記憶に残る小説です。

    • 円軌道の外さん

      アセロラさん、
      いつもコメント
      ありがとうございます!

      この夏から
      体調を崩したり、
      仕事が多忙だったり、
      愛猫を亡く...

      アセロラさん、
      いつもコメント
      ありがとうございます!

      この夏から
      体調を崩したり、
      仕事が多忙だったり、
      愛猫を亡くしたりで、
      まったく本を読めない状態でした(≧∇≦)

      ようやくここ最近は
      気持ちが上向きになりつつあるので、
      ぼちぼちレビューも
      復活したいと思ってます(笑)



      おおーっ!
      アセロラさんにとっても
      大切な作品だったんですね(^_^)v

      しかも映画版まで
      御存知とは!(驚)


      つぐみのキャラは
      今思えば
      「元祖ツンデレ」で(笑)、

      ボーイッシュな女性がふとした時に見せる
      弱さや脆さや強がりに
      滅法弱い自分にとっては(笑)
      ホンマまぶしいくらい魅力的な女の子でした♪


      まりあのキャラは
      包容力に溢れて
      年の割にはスゴく大人びていて、
      (つぐみと一緒なら
      大人にならざるを得なかったのかな笑)

      つぐみの
      最大で唯一の理解者でしたよね。

      個人的には
      まりあのキャラこそが
      実はばななさん、そのものなんじゃないのかなって
      勝手に思ってます(笑)



      2013/12/01
    • Eriさん
      円軌道の外さん初めまして(*^^*)
      コメントありがとうございました*
      円軌道の外さんのレビュー心に沁みます(>.<)
      私は思ってる事...
      円軌道の外さん初めまして(*^^*)
      コメントありがとうございました*
      円軌道の外さんのレビュー心に沁みます(>.<)
      私は思ってる事を文章にしたり、言葉にするのがヘタクソなので羨ましいわぁ~(>_<)☆
      これからも覗かせて頂きます。
      私もTUGUMI大好きな一冊です(*≧∀≦*)
      自分に無いものを沢山持ってるつぐみは私の憧れです☆私が男だったらきっと恋してたなぁ~。


      2013/12/09
    • 円軌道の外さん


      わぁ~
      わざわざコメント頂き
      ホンマ嬉しいです(^O^)

      しかも大好きなTUGUMIのレビューに
      共感してもらえるなんて...


      わぁ~
      わざわざコメント頂き
      ホンマ嬉しいです(^O^)

      しかも大好きなTUGUMIのレビューに
      共感してもらえるなんて!

      あんなに傍若無人に振る舞っても
      どこか憎めないキャラって
      なかなかいないですよね(笑)

      ばななさんが
      命を吹き込むかのように、
      つぐみの悲しみや
      胸の奥に抱えた
      もやもやした想いや
      つぐみが持つ
      誰よりも純粋な心を
      丁寧に丁寧に描いたからこそ、
      多くの人を魅了する
      憎めないキャラになったんだと思ってます。


      Eriさんは
      思いを伝えるのが
      全然ヘタクソやないですよ(笑)


      言葉って
      生かすも殺すも自分次第やし、

      心で暖めるより
      言葉にして
      文字にして
      人目に触れて初めて、
      言霊が宿ります。


      だから上手い下手は関係ないし、
      好きな想いを
      素直に文字にして
      書いてみてくださいね(笑)


      これからもヨロシクお願いします!(^_^)v



      2013/12/12
  • つぐみは愛される人だ。
    カッコいいともいう。

    夏を愛し、海を愛す。
    全力で生きている感がすき。

    場所は伊豆であり、モデルも存在する。
    モデルが誰か、については最後に明かされる。

    私もいい年になったけれど、子どものときの記憶は(あまり行ったことない)潮の香だったり、波の音だったり、突き刺すような熱さだったりします。

    ばななさんの小説には運命/死が出てくることがありますね。
    つぐみは病床で語ります。
    こういうことなのかもしれない、と。

    そうなのかもしれないですね。

  • 青春時代の淡い一夏の思い出を描いた作品です。

    文章からその情景が瑞々しく立ち上がってきます。ストーリーにも引き込まれ、一日で貪るように読んでしまいました。

    個人的には「キッチン」よりも好きです。

    オススメ!

  • 吉本ばななさん。初めて読んでみました。
    読みやすいです。
    うらやましいような、どこか切ないような青春の1ページ。
    病弱ではあるが傲岸不遜の美少女というキャラに引っ張りまわされます。
     
     全く、つぐみは勝手だ。きっと今ごろはもう、すたすたと廊下を歩いて病室へ向かっているだろう。小さな体で、王様のように堂々と胸をはって。(本文より)
     
    むしろ、のっしのっしと歩いて欲しい。(笑)
    嫌な終わり方でなくてほんとうによかった。

  • 『握手なんて求めたらぶっ殺す』

    つぐみが可愛らしい。彼女の存在感が小説を素晴らしいものにしてる。映画もみたいな。でもこれは想像の中だけで終わらせるほうがいいかも。

  • すごく、すごく良かった。
    以前『キッチン』を読んだときもすごく好きだったから、『TSUGUMI』も読みたいと思っていたんだけど、
    なんでもっとはやく読まなかったんだろう。
    何回も読みたい。忘れられない一冊になった。

    あとがきにもあったけど、この作品で素敵なキャラなのはつぐみであって、主人公なはずのまりあはあくまで引き立て役。
    自然とか、海とか、山とか、土とかそういったものの描写が綺麗で、丁寧で、優しい。

  • やはり吉本ばななさんの表現は好きだ。
    海の音を聞きながら読むTSUGUMIはすごく良かった。こんな海で1ヶ月友達と過ごす青春うらやましい。
    つぐみが、人に当たってしまう気持ちはわかるような気がする。でもそれは本当の本当につぐみがしたいことなのかどうかはわからない。これから自分に素直に生きていってほしいなあ。

  • 中学生の時に好きだった作品を久しぶりに読んでみたらどんな感想を持つのかと再読してみました。

    主人公まりあは、愛人としての母と二人で、親戚である山本屋旅館に居候している。この旅館の娘がつぐみで、彼女は病弱の美少女なんだけど口が悪くて生意気。物語は、まりあの父の離婚が成立して母と家族三人で晴れて暮らせるようになった年、山本屋旅館も閉館が決まり最後の夏を旅館で過ごすことにしたまりあと、つぐみと、海で出会ってつぐみが恋に落ちる恭一、それから旅館の人々の様子を描いた爽やかな海辺のひと夏の思い出、といったところ。

    10代の頃はきらきらして見えた世界観だったけど、さすがにアラフォーとなった今はリリカルな描写に少々こっ恥ずかしくなったりしつつ笑、(いやでも発刊当時はきっと斬新な描写だったのだと思う)、父の不倫という家庭で育ちながらも優しい雰囲気で語られる主人公の人生観や、つぐみの周りをひきつける生命力に魅了されました。
    やたらとつぐみが病弱病弱と出てくるので、もしや……と思っていただけに、ラストの手紙は良かったです(再読だったけどラストはまったく覚えていなかった)。薄い本だけど、夏の海辺の世界観が凝縮されていました。

  • 読んだことあると思っていたけど初読。
    さりげない一文一文がきれい。夏。青春。
    つぐみからの手紙で一気に涙腺がゆるんだ。
    つぐみのめちゃくちゃさも魅力的だけどまりあの俯瞰で周りを見ている感じが好き。

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著者プロフィール

一九六四年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。八七年「キッチン」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。八九年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、九五年『アムリタ』で紫式部文学賞、二〇〇〇年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞を受賞。著作は三十カ国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数。noteにてメルマガ『どくだみちゃん と ふしばな』を配信中。

「2023年 『さよならの良さ どくだみちゃんとふしばな8』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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