TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.72
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本棚登録 : 11301
レビュー : 1264
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122018839

感想・レビュー・書評

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  • 吉本ばなな、初めて手にとりました。
    エッセイ書いているイメージが強かったから、人間味が繊細に溢れた世界観の小説にびっくりでした。

    そして、彼女自身が実際に抱いた感情をどうにか残したくてこの1冊ができたというのがものすごく納得。
    単なるお涙ちょうだいではなくて、彼女が実際に体感したことだからこそ、ぐっと伝わる強さを備えているのですね。

  • 友達買ってたのを見てつい私も図書館で借りてしまいました。
    高校生の時に一度読んだ気がするのだけど内容を忘れていたのでもう一度読むことに。

    本当に、夏の思い出を切り取ったという感じで、まりあちゃんの視点から回顧録みたいな感じですすんでいく。途中に、自分の過去等の回想が入るとこまで自分の思い出を思い出してる感が出ていて、少し読みにくかった。それにしてもなんと波乱万丈な夏休みなのだ。

    これは著者自身思い出を書くような感覚だったのかなあ

    死と隣り合わせで町から出ることのできない境遇だとどんなことをかんがえるのかなあ、と。つぐみちゃんはいろいろなことを見ている、という設定になっていたけど、いろいろなものがみえるのかなあ。いろいろなものってなによ。とか思ってしまったけど、結局私は全く違う環境にいるのでよくわからぬ。でもこんな子が近くにいると考えることも違ってきそう。

    むんむん。私は特にこれといって特別な夏の思い出はないのでちょっとうらやましいような。

  • 読書感想文に書いた。
    つぐみと主人公との掛け合いが新鮮で
    読んでて面白かったです。
    つぐみという人間の心の強さを
    感じた一冊でした。

  • 山本周五郎賞を受賞している作品ということで気になって手に取ってみました。

    海辺の旅館を舞台にした、タイトルになっているつぐみとの間に起こった出来事中心の物語です。
    病弱なつぐみはとてもユーモラスで、ストレートな物言いをする、おちゃめで、皮肉屋で、むかつく、パワフルな精神をもった女の子です。
    ときには人を騙したり、罠にかけるようなことも。
    でもそれは悪気があるとかではなくて、彼女なりの他人への関わり方で、ふとしたときに垣間見える素直さが、読者や主人公を惹きつけます。

    見ようによってはかなり粗暴でとっつきにくい人間なのでしょうが、そんな彼女を受け入れている周りの心の広さや懐の深さがまるで海のようで、温かさを感じます。

    そして何よりいいのが、つぐみが自分の抱えている病気に対する弱音や泣き言を一切言わないことです。
    卑屈になったりしないところが素敵。

    自分が抱えていた気持ちを吐露する場面では、彼女が主人公に寄せていた信頼の大きさがわかります。
    それまで墓場にもっていこうとするその強さには恐れ入ってしまいます。

    照れくさそうに電話をかける姿も、なんだか可愛かった。

    とんでもねー変わり者やひねくれ者が好きで、それを見てにやにやしちゃうタイプの人は、とても楽しめる作品だと思います。

    ・こぼれ話
    うちの父が上海で犬を食べた話をして、それを聞いた母と姉は残酷だと引いていたのですが、隣で聞いていた私は、「愛玩動物だけに同情が集まるほうがよほど残酷だな」と思ったのです。
    そのとき、つぐみの言っていた、犬を食べる話を思い出しました。
    つぐみの発言がすっきりして聞こえるのは、どこか決まったところに心を依存しない、思いきりの良さがあるからかもしれないなと思いました。

  • 爛漫として降り注ぐような、生涯唯一の夏物語。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「生涯唯一の夏物語。」
      初めて、ちゃんと読む吉本ばななの一冊目を、此れにした。夏に読むには良い話なのかな?
      「生涯唯一の夏物語。」
      初めて、ちゃんと読む吉本ばななの一冊目を、此れにした。夏に読むには良い話なのかな?
      2013/08/02
  • みんなが優しくてあたたかくて光にあふれてるようで、ところどころに激しいマグマみたいなものが紛れ込んでる。
    そしてそれがふいに滲み出る。
    人間の持つなんとも言えない気持ちが、海に囲まれた町の情景と照らし合わされて、絶妙に響いてくる。すごい

  • あまり好きではないけど良い小説だと思った。中学生や高校生が読むと良い感じに影響を受けそう。
    感情や風景などの表現が絵的で詩的で芝居がかっているように感じられてしまうが、キレイなのでそれほど嫌味はないかも。
    とは言え、自分はつぐみとは絶対に親しくなれない。

  • 中学の頃に読んで、TSUTAYAで見かけて懐かしくなり中古で購入。
    教科書で少し読んでからなんだか気になり子供ながらに「こんな青春ステキだな」と思ったのを覚えている。
    十数年振りのつぐみもやっぱり大変な人物だったけれど、やはり嫌いになれない、むしろ惹かれてしまう気持ちになるのは、心のどこかにわたしもつぐみの様な人格を持ち合わせているからかもしれない。
    あんな風に激しく魂を燃やして生きる事が出来たら…そんな風に考えて、なんだか懐かしい様な切ない様な気持ちになった。

  • つぐみに惹かれました。
    美少女で、病弱で、わがままで、周りの事情など気にしないつぐみ。
    普段の生活につぐみみたいな人がいたなら、嫌われたり陰口の標的にされるでしょう。可愛いから調子のっている、とか自己中、だとか。

    しかし、つぐみはそれでも人を引き付ける魅力がある。
    何ででしょうか。
    わがままだけど、自分勝手だけど、突然普通の人なら思いつかないだろう突拍子のない行動をする。
    まわりがつぐみに巻き込まれていく。
    巻き込まれるけれど、それは嫌ではない。
    むしろ、快感になっている。
    たまに、そんな人っていますよね。
    まわりのことを考えていないようで行動力があって、突然何か思いついたことに付き合わせる人。
    でも、その人がキラキラ輝いているからでしょうか、自分もキラキラしたいからでしょうか、なぜか付き合ってしまう。

    作中のつぐみも、とてもキラキラと輝いていました。
    ろうそくにゴウゴウと勢いよく燃え盛る炎のように。
    全身全力で生きてやる!
    身体が弱いからか「生」にとても執着していて、「私は全力で生きてやるんだー!!」と大声をあげて叫びそうなつぐみが頭に浮かびます。
    つぐみは夏の山のてっぺんでみる星空のようにキラキラしていて、とてもうらやましい。
    私もつぐみと一緒に遊んでパワーをもらいたい、つぐみみたいにキラキラと輝きたい、と思ってしまいました。

    これから元気がなくなったとき、自分がキラキラとしていないときは作品を読んで、つぐみから生きるパワーをもらいたいと思いました。

  • <香魚子さんのレビュー>
    ほとんど読書をしなかった中学時代の図書室で、きれいな装丁に惹かれてなんとなく手にとった本でした。
    病弱だけど乱暴な美少女つぐみに私はあっという間に魅了されてしまい、自分でつぐみをイラストにしてみたり、つぐみという名前を気に入ってあちこちで使ってみたりと大フィーバーでした。
    大人になって改めて買って未読状態で手元にあるのですが時間が経って神聖化されてしまっていて、読むのが少し怖いです。
    本というより、思い出そのものって感じです。

    ▼ブクログお知らせブログにも香魚子さん情報を掲載しています
    http://info.booklog.jp/?eid=439

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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