TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 11293
レビュー : 1264
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122018839

感想・レビュー・書評

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  • なるほど。
    海の近くに住みたくなります。物語の世界へすぅっと入っていけます。最初はつぐみの事が好きになれず、読むのをやめようと思ったけど、最後まで読んでよかった。鮮やかで退屈しない本です。

  • 大好きだった本を十数年ぶりに再読。きらきらした海と、終わりゆく夏と、終わりゆく子供の時代。病弱でわがままでズル賢いつぐみに、それでも魅力を感じてしまうのは、似たような感情を少なからずみんな持っているからなんだよね。素晴らしい作品は、何年経っても相変わらず素晴らしく、こちらが歳をとったことすら忘れさせてくれるような、懐かしさすらあった。

  • こういう、正解とかテーマとか何にもない、ただある人々に起こっているかもしれないドラマが描かれた小説もいいなー。
    ただの喜怒哀楽では説明できない、あるワンシーンのその人物なりの表情や動作が繊細に書かれていて、ちょっとじーんとしたり、うわぁ、この書き方好き!てなったりする本でした。

    つぐみの強烈なキャラが面白くて、全然重そうでも難しくもなく、綺麗な海辺の長閑な時間の中でどんどん過ぎていく日々。さらさら読めて、後味も良く、人の心の機微に触れられる気がする。夏にオススメの一冊です。

  • 病弱で生意気なつぐみと私(まりあ)とそれを取り巻く周囲の人々との淡く、どこか切なく、それでいておだやかな陽光のようにあたたかいストーリー。

    つぐみは、ガラス細工のような少女。鮮やかな細工は小粋で且つ生意気であるが、光を元の光以上に綺麗に透過させる純粋さをのぞかせます。つくりは脆いが、脆いが故に、そのはかなさがそれの美しさを一層際立たせる。そんな存在に思えました。

    こんな夏休み、学生のうちに体験したいなぁと思わせる作品です。

  •  正直、本の装丁の雰囲気とか、ばななってペンネームとか、何となく食わず嫌いしていたんですよね。

     どうもすいませんでした。

     登場人物の細かな心の動きや、情景が繊細に描かれていて、実によかったのです。高校時代に読んでおけばよかったです。

     主人公のまりあが昔暮らした海辺の街に東京から最後に帰省したときの物語。

     従姉妹のつぐみは、病弱でいつまで生きられるかと心配されたために、甘やかされとことん我が侭に育ち、家族は振り回されている。まりあも我が侭に付き合わされた一人だが、お化けポストでの事件から、親友となる……。

     まりあ、つぐみ、陽子の3人が織りなす人間関係。
     つぐみの性格に辟易しながらも、どこか常人離れした魅力に取りつかれるまりあ。傲慢で自己中で手の付けられないところがありながら、どこか繊細で儚げな美しさも持ち合わせている。

     主人公まりあの心情や港町の情景が繊細に書かれていて、一気に読み進めてしまいました。

  • 初めての吉本ばなな。夜通し、一気に読んでしまった。もう30年前だけど、青春時代を思い出して、心がざわついた。

  • 夏の夜、友達と集まって何をするでもないのにいつまでも家に帰りたくない、あの時の気持ちが思い出される。
    ちょっと大人になったような、それを友達と共有している罪悪感を感じながらドキドキしていた頃の。

    つぐみの激しさと対照的な陽子ちゃんの優しさと冷静さ、
    夏の日差しと夜の静けさのようでした。

    夏の夜に外で飲むのって、サイダーでもビールでも、なんであんなに美味しいんでしょうね。

  • ありきたりな感傷じゃない。懐かしい思い出とか、夏とか、儚くて胸が苦しい、今にも消えそうなものを閉じ込めている。どの一瞬も忘れたくない、記憶に刻みたい熱い想いを感じるようなことも最近はなくなってしまったなあと思う。潮のにおいや海の見える景色が少し好きになれる気がする。

    吉本ばななさんの本は初めて読んだけど、言葉選びがとても好き。なんだか心地よくて、自分の中の言葉にできなかった言葉を、言葉にしてくれて、自分の中にすっと入り込んでくる、そんな感じ。

  • 『 夏は毎年当たり前にやってくるけど、
    もうあの夏には出会えない。』


    ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー


    ふとなんとなく、数々の思い出フォルダの中から
    以前自分が何気なく、なんとなく過ごしていた
    あの日の一瞬を取り出したくなる時がくる。

    取り出したものが、実は自分にとって
    大事なものなのか、必要なものなのか、
    はたして意味があるものなのかはわからない。
    ただ、静かに心をふるわせてくる
    不思議な輝きが存在する。

    たしかに自分は過ごしていたはずなのに
    時間が経つにつれ透明な存在になってしまう
    もう戻れない あの頃 を見つめた作品です。
    繊細で丁寧な背景描写がとんでもなく素敵でした。

  • 心安らぐお話。いつかもう1度読みたいと思いました。

    人の強さと弱さ、切なさや喜び、たくさんの感情に触れることができた気がする。

著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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