言い触らし団右衛門 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 155
感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122019867

作品紹介・あらすじ

おのれの武芸才能を主君に認めてもらうにはPRが一番と、ひたすら売名に専心した塙団右衛門の珍妙な物語をはじめ、戦国末から江戸にかけて活躍した豪傑後藤又兵衛、岩見重太郎ら、乱世を懸命に生きる男たちの豪快な生と死を著者独自の視点から取り上げた面白さ無類の短篇五篇。

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎の小説の数少ない未読の一冊。
    短編5作品だが、長編ほどの盛り上がりがなく、いまいち。

  • 戦国末期がメインの短編集。
    塙団右衛門直之
    薄田隼人正兼相
    後藤又兵衛基次
    雑賀市兵衛基定(三木城籠城)
    中書新次郎(高取植村藩大砲方)
    一事に滑稽なほど執着した男たちの話。加藤秀俊氏の解説も秀逸。なるほど司馬作品のヒーローは単純なハッピーエンドを迎えない。

  • 高名に人生をかけた塙団右衛門(言い触らし団右衛門)系図を拾い仕官した岩見重太郎(岩見重太郎の系図)乞食に落ちても市価-石高-にこだわる後藤又兵衛基次(売ろう物語)念仏を唱えて自分を悪人という義観と鉄砲の名手の雑賀市兵衛の別所家三木城での籠城(雑賀の船鉄砲)徳川家康の時代からお守りされていた大砲の管理をすることになった笠塚新次郎の幕末での天誅組の乱での活躍(おお、大砲)
    それぞれの登場人物がその時代の中で必死に生きている様が生き生きと描かれている。

  • 名を売る者、富を求める者、世の流れを受け入れ身をゆだねる者。それぞれがそれぞれの志を曲げす懸命に生きる。そして誰もが「これでもかっ!」てぐらいに人間くさい。後藤又兵衛が目の前にした五十万石は、ひたすら人間くさく懸命に生きた証なんだろうな。

  • 大河ドラマ「真田丸」に登場した塙団右衛門が主役の話が表題作.他に後藤又兵衛を描く「売ろう物語」など全5編.
    どちらかというと,この著名な2名が主人公の話より,ひょんなことから「橙武者」薄田隼人正の子孫であることを詐称することになる「岩見重太郎の系図」や幕末の天誅組騒動に巻き込まれる「おお,大砲」のように,市井の人(主に下級武士)の思わぬ運命の転換を描いた話の方が面白かった.

  • 真田丸を観てるので、塙団右衛門と後藤又兵衛の短編を読んでみた。

  •  大河ドラマ「真田丸」の残りわずかな放送回数を大変寂しく感じている今日この頃です。そんな中、木札の名刺を配っていた塙団左衛門を主人公とした表題の「言い触らし団左衛門」。このおっさんはかなり面白い!例えば大坂冬の陣の夜襲で3人一組で戦うという戦法を編みだしたのは団左衛門。後に大石内蔵助が討ち入りに採用します。「売ろう物語」は5人衆の一人、後藤又兵衛の物語。武名を上げていたこのおっさんは、一時期乞食に身を落としていた…。
    「おお、大砲」は冬の陣で淀殿をビビらせたあの大砲は、後に家康が大和高取藩に与えたもので、幕末にもう一度活躍することになる…。その他2遍の短編集。冬の夜長におすすめします!
     

  • 16/11/13読了

  • どの話も面白かった。お陰で正月も退屈しなかった。史実と創作を織り交ぜた中に封建批判など作家独自の鋭い目線も感じさせつつ、ひっくるめて優良エンターテイメントになっているのがすごいと思う。とりあえず面白い本読みたいってとき最近は司馬遼太郎か池波正太郎か松本清張にしている。

  • 司馬遼太郎の短編集。5編のうち4編は既読でがっかり。

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著者プロフィール

司馬遼太郎
大正十二年(一九二三)、大阪に生まれ、大阪外語大学蒙古語学科を卒業。昭和三十四年『梟の城』により第四十二回直木賞を受賞。四十二年『殉死』により第九回毎日芸術賞、五十一年『空海の風景』など一連の歴史小説により第三十二回芸術院恩賜賞、五十七年『ひとびとの跫音』により第三十三回読売文学賞、五十八年「歴史小説の革新」により朝日賞、五十九年『街道をゆく 南蛮のみちⅠ』により第十六回日本文学大賞(学芸部門)、六十二年『ロシアについて』により第三十八回読売文学賞(随筆・紀行賞)、六十三年『韃靼疾風録』により第十五回大佛次郎賞を、それぞれ受賞。平成三年、文化功労者に顕彰される。五年、文化勲章受章。日本芸術院会員。以上のほか主な著書に、『豊臣家の人々』『竜馬がゆく』『世に棲む日日』『峠』『坂の上の雲』『花神』『翔ぶが如く』『項羽と劉邦』『菜の花の沖』など。『司馬遼太郎全集』がある。平成八年(一九九六)二月死去。

「2023年 『歴史のなかの邂逅 同時代篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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