エリュトゥラー海案内記 (中公文庫)

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  • 中央公論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122020412

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  • 古代地理や交易を学ぶと耳にする機会のある古典で、紀元1世紀のエジプトで書かれたと推測されているギリシア語の奇伝の訳本。
    内容はこの海で航海貿易を行う者向けの、エジプト発インド着(ヒマラヤ付近まで)までの寄港順に、各地の名産品や需要物や情勢土地柄などの叙述である。

    この本の魅力は、学術的に範囲や視野を定めて記述したものというより、航海者自身が印象に残ったものを特に書き留めた名残という点にある。
    そのため、異国情緒ある文化や政治体制、潤沢な交易品や自然情景の描写は、ただの説明の羅列でありながら、著者を捉えたものとして、魅惑的に映る(豊富な補注を見れば、更に募る)。

    エリュトゥラー海とは現代的には紅海のことだが、当時は他にアラビア海やインド洋までを包括した地域として示されているようだ。
    当時のインドは非統一状態が常態であり、ローマ人の中心交易対象には、現在のハイデラバードを主体にクリシュナ川(インド中央部の東海岸から西端に広がる河川)全域を支配していたサータヴァーハナ朝、マドゥライ周辺のインド南岸部を支配していたパーンディヤ朝、西アジアやパキスタンを含む北西インドを支配していたクシャーン朝などがある。

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