- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122022669
作品紹介・あらすじ
無頼の男民次の心の中にふと芽生えた一掬の情愛-雪散る江戸深川の夜の橋を舞台に、男女の心の葛藤を切々と描く表題作ほか、多彩な人間模様を哀感こめて刻む自選傑作時代小説八篇。
感想・レビュー・書評
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「「鬼気」「夜の橋」「裏切り」「一夢の敗北」「冬の足音」「梅薫る」「孫十の逆襲」「泣くな、けい」「暗い鏡」の九編。
「孫十の逆襲」について
上の村が野伏りに襲われた。野伏り達はそのまま上の村に留まっているが、やがてはこの村に降りて来る。そこで担ぎ出されたのが、村で唯一合戦の経験が有る年寄りの孫十。当時、関が原から帰った孫十は勇者として迎えられ、美人の妻を得た。誰にも知られないようにしていたが、実は関が原では逃げ回っていただけだった。
しかし今度はそうはいかない。息子や嫁や孫の為に孫十は必死に策を考えて・・・。
『七人の侍』ばりの孫十の頑張りも良いのですが、そのさなかに亡くなった妻が逃げ回っていただけという事を知っていたことを嫁から告げられ、それでも、いや亡くなった妻の為にも見事な奮闘をする孫十が良いですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2019.9.2(月)¥250(-20%)+税。
2019.9.12(木)。 -
市井もの、武家もの、その他混合の、著者自薦の時代小説9編。著者自ら選んだだけあり、どれもそれぞれに味わいのある短編、
「孫十の逆襲」に黒沢映画を連想し、「泣くな、けい」に太宰治の「走れ、メロス」を想起するのは、穿ちすぎかな(笑) -
武家から町人までを題材にした短編集。
静かな作品。
独特の優しさが前面にあふれているというより、
少々の世間の苦味が強い作品たち。
なので、自然すこし暗い仕上がり。 -
武士から町人まで。
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20120725 さすがの短編。それぞれ変化があって楽しめる。
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時代小説は
わたしの性に合っているのか。
年齢ももうすぐ60になるからだろうか。
宇江佐さん、諸田さんはじめ女性作家がいい物を書いていますね。
でも、藤沢周平さんを忘れてはいけませんね。 -
江戸庶民の暮らしと武家の暮らしをバランス良く描いています。人の心は今も昔も同じ。読後は心が温かくなります。
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重たい本の後 何とも言えぬ軽さ
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101001(n 101016)
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00年9刷本
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市井物、武家物が良い感じのバランスで収録されている短編集。しかも、主従の絆、父子愛など、描かれるテーマが違うので、この一冊を読んでいる中では飽きがこなかった。作者の「あとがき」もわりと好きな感じでした。気に入った話は「泣くな、けい」。つい泣きそうになった。