旅する人 (中公文庫 た 33-5)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122023451

作品紹介・あらすじ

孤独な旅の空の下でめぐり逢った、あの忘れえぬ"風景"と"時間"。人生の旅も半ばにさしかかった著者が、切なさといとおしさをこめて若き日の放浪を追想し、旅することへの見果てぬ夢を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 世界各地を旅してきた著者のエッセイを収録しています。

    著者は、アルジェリアからチュニジアまでヒッチハイクで行こうとしていたときの日誌に「アバンチュール」ということばを書き留めたことに触れて、「私は、あてもなく移動することこそが“旅”なのだと考えはじめていたようだ」と述べています。車に乗せてくれたひとから「そりゃ、君、アバンチュールだよ」といわれて、それが「はた迷惑な向こう見ず」といったニュアンスが込められていることに気づきながらも、そのことをそのままに受け止める著者は、見ず知らずの旅人を泊めてくれる人びとの親切さに感謝しつつも卑屈な態度は示さなかったといい、「それが、歓待される者の礼儀であろうと思ったからである」と語っています。こうした著者の態度に、小田実の『何でも見てやろう』や沢木耕太郎の『深夜特急』に代表されるような、エネルギーに満ち溢れた若者たちが海外へ貧乏旅行に出かけた時代の雰囲気が感じられました。

  • 読み応えのある旅エッセイ。

    わりとしっかり書かれてあるので
    しっかり読みたい時に向く。


  • 著者 玉村豊男。古本屋で購入。
    食べ歩きかと思いきや、若い頃のヒッピーな旅の日記。

  • 旅の前後に「旅の本」を読む、というのもありきたりだけど。そういうモードなんだから仕方ない。「旅もの」といえば王道は「深夜特急」、やはり。私ももちろんすごく好きで、これに勝る旅ものにはまだ出会えない。玉村豊男は素朴なインテリといったかんじで(そんなものが存在するのだろうか)好感を持てる。大仰じゃないところが良かった。北アフリカも行ってみたい。 (1999 Dec)

  • 玉村氏が若い日に留学していたヨーロッパの各地紀行、その他その後の作家生活での旅先での出来事を軽妙な語り口で振り返る楽しい本。その中にも 若い頃とは違うんだな、 なんていう切ないくだりがあってリアルでユーモラス。

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