陰翳礼讃 (中公文庫)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024137

感想・レビュー・書評

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  • グローバル化が進み、異文化との垣根が無くなりつつある昨今。また、IT化により情報の送受信が楽になり、情報が溢れた昨今。
    モノの美醜を、西洋的か、東洋的か、という観点で意識して観たことはなかった。それだけ私たちの生活において、西洋的なるものは当たり前の存在になり、陰翳は輪をかけて存在感を消している。
    それでも著者の言う「日本人特有の翳り」が自分の中にもしっかりと存在していることを、発行後40年以上たった今でも大いに共感することができる。日本的な美の本質に迫る言語表現の高さに驚いた。実体の無い「美」の観念を言葉に落とし込む、著者の能力の高さを感じずにはいられなかった。

    私にもっと歴史や支那の文化に知見があれば、さらに読書を楽しめたと思うが、著者が何を言ってるのかが分からず置いてきぼりをくらった感は否めない。

  • なんか、凄い感銘を受けたというか、日本的な美しいさってなんなのかを物凄く分かりやすくよく書いてるなと思って心に深く入ってきて感動してしまった。闇を前提としてる美しさなんだなって物凄く納得できて、そう思うと、日本的な美しさってもう日常にはないんだなって寂しくもなる。この前、モネ展に行ってきたが、モネって凄く西洋的で(あたりまえなんだけど)、光にたいしてのこだわりが凄くて、最終的にたどり着いたのは光だけを描く目とそれを描く技術なんだなと感じて、それはそれでこの人美術史の40年位先まで到達して死んだんだなそれはすごいな流石巨匠って思う一方でそこまではまらなかった自分もいて、光だけじゃつまらないでしょって心のどこかで思ってたと思う。が、なんでそう思ったのかがわかった気がして、心のどこかで陰りを芸術に求めてるのかもしれないなと思った。京都に行ってお寺とかみるとなんでいいとおもうのかなって、今までは職人的な技術の集大成に対して膝まづく感じかなとか思ってたけど、陰の芸術だからこそ好きなんだなと理解できました。

    さすが大谷崎!

    ドナルドキーンが日本文学には谷崎という大きな山脈があるって言ってたけどほんとかも!

  • 谷崎の不思議な感性に少し近づいた気がした

  • 谷崎潤一郎さんが、色々な方面における好みやこだわりについて語る本。一番大好きな作家なのですが、これまでのところ、唯一面白くなかった。すいません。彼がいかに、日本の文化を誇りに思っているということは伝わってくるが。

    文章読本に続き、吉行淳之介氏の解説。面白い。私と一緒で羊羹がお嫌いらしいが、それでも谷崎が述べる状況における羊羹が素晴らしさはわかると述べ、かつそれでも羊羹が嫌いだと思うと述べているのが、正直で笑えた。私も羊羹の部分の文章は、官能的で美しいと思った。

    陰翳礼讃。日本古来の文化がいかに、仄暗さの中で美しく見えるように心遣いされているかについて述べる。吸い物に使われる漆器から、女性の化粧にいたるまで。

    懶(本当はりっしんべん頼)惰の説。この中で、外人俳優の顔が全部同じに見えると言及して、「あの白い汚れ目のない歯列をみると、何んとなく西洋便所のタイル張りの床を想い出すのである」にはウケテしまったし、ちょっとわかる気もしてしまった。。。

  • 曖昧なところに宿る美意識のお話しを、静かに聴いているようで心地良い。
    表題作と並んで厠のいろいろが軽妙で楽しかった。なるほどーと思ったあとに、待って!うんこの話しだよね今の!?と揺り戻しがある。

  • 時代は全く違うが共感できるところは多い。
    寝台列車も一回くらい乗ってみたい。

  • やっと読み終えました。80年くらい前なのに分かることが多すぎました。仄暗いのが落ち着くのは分かるなー。ちょうど新幹線に乗りながら読んでいたからか、特に旅のくだりが分かりすぎたので、昔みたいに鈍行でのんびり鉄道旅をしてみたくなりました。今回は結構時間をかけてのんびりと読み進めたので、またのんびりと読み返したい一冊です。

  • 文学が好きでない人にも入りやすい谷崎の随筆。
    トイレのくだりなどは真面目な語り口調ながら思わず笑ってしまう。

  • 陰翳に美を見出す点は共感するものも多いが、現代においてその陰翳を味わえる場所というのはほとんど残っていないと思うのは少し残念である。

  • 陰の美しさを語る。暗いトイレ、露出を控えた和服におけるうなじ、ほぼ影に覆われる日本家屋の外観など。美意識に対する自論が掲載。

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著者プロフィール

明治十九年(一八八六)、東京日本橋に生まれる。旧制府立一中、第一高等学校を経て東京帝国大学国文科に入学するも、のち中退。明治四十三年、小山内薫らと第二次「新思潮」を創刊、「刺青」「麒麟」などを発表。「三田文学」誌上で永井荷風に激賞され、文壇的地位を確立した。『痴人の愛』『卍(まんじ)』『春琴抄』『細雪』『少将滋幹の母』『鍵』など、豊麗な官能美と陰翳ある古典美の世界を展開して常に文壇の最高峰を歩みつづけ、昭和四十年(一九六五)七月没。この間、『細雪』により毎日出版文化賞及び朝日文化賞を、『瘋癲老人日記』で毎日芸術大賞を、また昭和二十四年には、第八回文化勲章を受けた。昭和三十九年、日本人としてはじめて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれた。

「2018年 『父より娘へ 谷崎潤一郎書簡集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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