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- 本 ・本 (401ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122024656
感想・レビュー・書評
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戦国後期〜江戸末期に生きた大名たちの生き様や散り際を描いた、伝記短編集。
十四のおかしくも悲しい大名たちのドラマを収録。
有名どころでは、松永久秀・松平忠直・徳川宗春など。
上記三人の逸話は結構有名なため、新たな驚きといったものはない。
この作品集では、知名度の低い大名の逸話の方がかなり面白かったりする。
寒ブリが原因で隣国の大名と一騒動を起こした結果、取り潰しになった大名
稲葉紀通
武士としての面目を貫くために、最後は乞食になってもその節を曲げなかった大名
鮭延秀綱
粗暴な性格と癇癖の強さで家臣を振り回し続ける迷惑な殿様
徳川重倫
などなど。
性格破綻しているがどこか憎めないおかしさや、意固地な生き方しか出来ない不器用さなんかが印象的でした。
戦国末期から江戸初期にかけては、武士にとって大きな価値転換があった時期ですから、幕藩体制の枠には収まりきれない個性的な大名たちが沢山いました。
時代感覚と大名個性のズレが本書で紹介されるようなドラマを生み出します。
歴史の流れのなかに埋没してしまうような人々の中に、人間としての矜持や人生の可笑しさなどがつまっていることを再認識させてくれた作品です。
歴史好きにはオススメです。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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