文章読本 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論社
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本棚登録 : 625
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122024663

作品紹介・あらすじ

当代の最適任者が、多彩な名文を実例に引きながら、豊かな蓄積と深い洞察によって文章の本質を明らかにし、作文のコツを具体的に説く。最も正統的で最も実際的な文章読本。

感想・レビュー・書評

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  • 『考える力をつける本』の著者である轡田隆史氏の推薦書。
    轡田氏曰く「文章について読むべき一冊だけを挙げろといわれたら、ためらいなく『文章読本』を推す」と。
    そして、本書の中のこの一説を味わうことが書かれている。
    「人は好んで才能を云々したがるけれど、個人の才能とは実のところ伝統を学ぶ学び方の才能にほかならない。」

  • 「多彩な名文を実例に引きながら、
    豊かな蓄積と深い洞察によって文章の本質を明らかにし、
    作文のコツを具体的に説く。」

    いまさらなんですが、これでも少しは勉強しようかと
    読んだからとて、教養は一朝一夕にいかず、才能は生まれつきにしかず

    第1章から第12章までのうち、いいなと思った章は

    第2章 名文を読め
    第3章 ちょっと気取って書け
    第5章 新しい和漢混淆文
    第9章 文体とレトリック

    少々乱暴にまとめると

    名作名文をたくさん読んで
    意気込みと勇気をもって
    今の日本語、漢字かなカタカナ混じりの、時々はローマ字もいれて
    言いまわしを選び、リズムをもって書くのだ

    つまり何はともかく、本をたくさん、たくさん読めってことで
    丸谷才一さんの『文章読本』はさながら高級な読書案内でもありましたよ

  • 文学者が膨大な読書体験から視点を増やしてまた文章を読んでることを感じた。

  • 151104

    p.158「一応の説明ではうまく言へないところまで説明し、いはゆる理屈では不十分になりがちな事情を呑み込ませる力である。もちろんイメージは美をもたらす。」
    論理では説明がしにくいことを、イメージで補う、という。ピンときた。

    p.308「この教訓は、文章においてさらによく当てはまるだろう。すなはち、記すに値することがあつてはじめて筆をとれ。書くべきこと、語るべきことがあるとき、言葉は力強く流れるだらう。これこそは人間の精神と文章との極めて自然な関係にほかならない。」

    起承転結は論理のためにあるのではなく、物語のためにあるのではないか?と感じる。

  • 濃密な文章論だった。精神面から技術面まで微に入り細にわたり記されているが、結局は第二章の「名文を読め」に尽きる。たくさんの言葉やレトリックを知っているだけでは良い文章を書くことはできない。

    古今東西の名文を読み、その息遣いを感じること。文章の型を学び自分のものにすること。これは名文家であれば誰しも通る道なのだろう。多読家が名文家とは限らないが、名文家は必ず多読家であるはずだ。

    本書の中に引用されている文章は読んだことのないものばかりだった。谷崎潤一郎、佐藤春夫、折口信夫、石川淳、その他いろいろ。今年も大いに読まなければ。

  • 中に収められている古今東西の名文の中で、私が最も感銘を受けたのは、日露戦争の折、幸徳秋水が『平民新聞』に載せた「兵士に送る」。丸谷さんが絶讃なさる通りの傑作。これ程胸を打つ反戦の文章があったろうか。保守リベラル双方の陣営の政治家、論客、マスコミの方々に是非一読
    していただきたい。勿論若い人にも。

  • 文章作法というよりは名文とは何かを論じた本。谷崎版と三島版の中間と位置づければいいか。
    どちらかというと書きたい人向けではあるが、読み物としても面白い。谷崎版は読み物としてはちょっと……なところがあるので、そういう意味では丸谷版の方が面白かった。

    ただ、新字旧仮名ってとっても読みづらい……。

  • 例文がすばらしい。佐藤春夫の「好き友」には参った。

  • 一読、「これじゃない」感。
     修辞と名文の書き方は「美しい」和漢混淆文の確立という著者の夢物語とも思えてならない。見果てぬ夢だし、それに最も近づいた人物が丸谷才一だと言われればそうかとも思うし、なによりも日本において文語文体から口語文体を生み出したのが小説家であって批評家でも歴史家でも、もちろん学者でもないという事実はよくわかるのだが、、、だからこそ、この本で認められている随想・随筆・(感情入り)批評の類を除き、日本には論理的文章が育たなかったのではないのか、という批判はぬぐいきれない。
     ま、それは本文中で言う「欧文調」との距離感の問題かもしれない。だが、カタカナ語が通常の口語となった現代において、丸谷氏の求めた和漢混淆文こそが、残念ながら文語文なのだ。
     知の巨人による近代文語文最終講義、というのが現在の位置づけか。

  • 本というのは、引用に次ぐ引用、また無限の参照作業であるとするならば、数ある「文章読本」は、またよくできた読書案内でもあるというのは当然のことだといえよう。

    …ようするに、読みたい本がまたたくさんみつかった、ということ。

    鷗外「羽鳥千尋」
    尾崎一雄「虫のいろいろ」
    「ハムレット」(福田恆存訳で)
    「方丈記」


    などなど。

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著者プロフィール

1925-2012。作家・英文学者。山形県生まれ。東京大学英文科卒。「年の残り」で芥川賞、『たった一人の反乱』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。他『後鳥羽院』『輝く日の宮』、ジョイス『ユリシーズ』共訳など。

「2016年 『松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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