日本人と日本文化―対談 (中公文庫)

  • 中央公論新社
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感想 : 54
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122026643

作品紹介・あらすじ

「ますらおぶり」と「たおやめぶり」、忠義と裏切り、上方と江戸の違い、日本にきた西洋人-雄大な構想で歴史と人物を描き続ける司馬氏と、日本文学のすぐれた研究者であるキーン氏がともに歴史の香りを味わいながら「双方の体温で感じとった日本文化」を語る、興趣つきない対談。

感想・レビュー・書評

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  • ドナルドキーン氏の訃報を折に、長年積読状態にあった本書を読むことに。

    司馬遼太郎とドナルドキーンという日本史に造詣が深い(そりゃそうなんだけど)2人の対談だけあって、内容はめちゃくちゃ面白い。けど、あくまで対談なので、体系だったものではなく、面白いに留まる内容だったかな。

    個人的に面白いと思った指摘は以下の通り。

    「日本人はますらおぶりではなく、たおやめぶりの民族ではないか。宮中における女性の社会的地位が高かったことも影響している(当方意訳)」

    「足利義満の時代のように、世界に窓が開かれてる時は気分が解放的になり、金色の文化が芽吹き、逆に閉鎖されてる時は日本的な文化が生まれ、銀色の文化が生まれる」
    ⇨と言うことは義政的な侘び寂び文化が日本文化の代表と言っても間違いない…?

    「日本の戦国史においては、明治時代までは裏切りが普通であり、明治になると政府が捕虜にならないように指導した。と言っても、日露戦争の頃は将校レベルでも捕虜になることはあり、また国際的な感覚も強い時代であったので、国際法に基づく捕虜の権利を主張したりしていた。一方で、昭和になると捕虜になるなら死を選ぶような暗いナショナリズムが覆うようになるが、あれは当時のドイツ的な考えを移植したものであり、大和魂でもなんでもない」

  • 対談中の御二方の知識の正確さと幅広さに恐れを感じるほど感心しつつ読了しました。

    日をおいて、テーマを絞ってということもあるのでしょうけれども、とにかくすごいの一言。司馬氏の教養の深さもさることながら、キーン氏の鋭い指摘は、日本とその文化が、海外から俯瞰してどのように意味付けられているのかの一端を明るみにしてくれています。

    そうした点で非常に旨味のある本だなと、大変な価値を感じた一冊でありました。

  • 司馬遼太郎 ドナルドキーン 日本人や日本文化についての対談。つくづく 日本は 面白い国だなーと思う


    日本人のモラルは 儒教か、神道かについて、結論の違いがあっても 落とし所を探さず、論理構成をたどることで一部共通性が見えるところが面白い。キーン氏の方が一般市民的な感覚に近いように思う


    日本が島国であることを理由として、日本人の対外意識(外国文化に対する愛と憎、受容と抵抗の意識)の強さを指摘している。大陸には見られないらしい


    司馬氏の「日本人は たおやめぶり(女性的)な民族」という指摘は 他の指摘〜日本人は 政治能力より美意識を優先する。言葉と肚の中の考えが違う〜と併せて読むと なるほどと思う


    双方とも 東山文化に日本文化の特殊性を見出しているにも関わらず、東山文化の中心人物である足利義政に対する評価が逆転であることが面白い。キーン氏の評価がなぜここまで低いのか、著作を読んでみたい


  • 日本が異国の技術を柔軟に取り入れることができた背景事情(134頁 西洋技術と東洋道徳)な儒教の影響度について、異なる考察が展開されていて興味深い。日本史を勉強し直してからもう一度読み直したい。

  • 日本人や文化について、大変多くの発見がある。

  • 580円購入2011-01-25

  • 司馬遼太郎とドナルド・キーンの対談本。やや期待はずれか。それとも読みこなしが足りないのか。

    第一章 日本文化の誕生
    第二章 空海と一休
    第三章 金の世界・銀の世界
    第四章 日本人の戦争感
    第五章 日本人のモラル
    第六章 日本にきた外国人
    第七章 続・日本人のモラル
    第八章 江戸の文化

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    恥、他力本願、英雄のいない国

  • 司馬遼太郎さんとドナルド・キーンさんの対談本。
    「日本人と日本文化」について、色々なお話が繰り広げられます。

    印象に残ったのは、「何が日本オリジナルか、それにどれだけ価値を感じるか」みたいなことで、

    「本居宣長のやまとことばへのこだわりは、あんまりすきぢゃない」
    という話とか。

    「昔だって、神道、仏教、儒教などを並列して日常で使っていたいい加減な日本人」とか。

    あと、「日本人がいちばん肌が合うのは、何のルールも規則もほぼ無い状態の、原始的な神道では」という司馬さんと、「やっぱり仏教も相当に根を張っている」というキーンさんの微妙な温度差。

    なんだけれども、結局、「いいかげんな神道の皿のうえに、仏教と言う食べ物も乗っている」みたいな言い方でお互いが納得する感じとか。

    「日本らしさ」とか「日本文化の素晴らしさ」というような話をするうえでは、この物知りふたりの意見というのは、大いに参考にすべきですね。

  • 司馬遼太郎とキーンさんの対談とあって、面白くないはずがないと読んだが、予想通り、否予想以上に面白い知識と思慮とウィットに富んだものだった。
    なにより嬉しいのは、最後に人名索引と年表があること。キーンさんの対談らしい。

  • 噛み合ってない感じが逆に良かった。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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