- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122026933
感想・レビュー・書評
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百閒食べる食べる飲む呑む喫むが、ギッチリ詰まった百閒好きのための百閒本。ひい!
おいしそうな物がたくさん登場しますが、油揚げを焼いて生姜醤油をかけたのを友人に出して、後世まであれは美味いねと(優しさと勘違いを含め)云われ続けた一品がやたら美味そうだったので、週末の肴に決定。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アイスクリームを「食べる」とするか「飲む」とするか、百閒さんが表現迷ってるところがあって、ああ新しい食べ物に対しては連なる動詞も最初は決まってへんのか、とおもった。あとソップがスープのこととか、へーそんな風に言うてたん。そんな習慣があったん。みたいなのが多くて面白かった。
でも、百閒先生自身がものすごーく食い意地がはってるかというと、どうだろって思うのね。だって戦争云々抜きにして、空腹を我慢して生活してるとこたくさん出てくるでしょう?あと詳しい調理法にもいうほど興味が無いようで(おからにレモンを絞るとかその程度である)、昨今のグルメエッセイを読み慣れてると、どうも物足りない感じの主観者なのよね。全然つまらない本じゃない!さすが百閒先生でいっぺんいっぺん面白いっちゃ面白いんだけど、わたしには物足りなかったって感じ。
最初の一遍と、途中に日記形式で食べたもの、食べたいものをメモしているやつがあるけど、なんかそういうのをもっと読みたいなー武田百合子さんの富士日記ぽくておもしろかったもん。そういうの無いかねぇ? -
平たく言えばおっさんの日記帳。好きなタバコは。好きな食事は。好きな酒は。といった内容が続く。印税の前借までしてパーティをし、酒の歯止めが利かずにべろんべろんに前後不覚になる「御慶」は印象に残った。蛍の光を差し止めさせるあたりのくだりは吹き出してしまう。概ねこんな感じなので、たぶん得るものはあまりないが、私はこういうのが好きです。
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※1979年発売
食いしん坊で大酒飲みの、わがままじいさんの、食べ物にまつわる随筆集。あいかわらずむちゃくちゃなのに、どうにも憎めなくって、妙にかわいくて笑える。
絶対に巻き込まれたくないけれど、宴会のどんちゃん騒ぎの夢と現の境目が曖昧な描写はすごいなぁ。
私もこれから呑むのは麦酒とお酒に絞ろうかな、なんて、考えてみたり… -
旧仮名使いであるが、それがまたこの作品の良さを引き出している。シュークリームやらカステラやら麦酒やら食へのこだわりを感じた。当時の人にしてはかなり良いものを堪能していたのではないだろうか。
また最初から最後まできっちり読まなくても、短い短編としても気軽に楽しめるのもこの作品の良いところ。
夏目漱石には頭が上がらないんだろうなぁ -
20170304 時間がかかったがようやく読み終わった。作者の食べ物に対するこだわりは付いていけないくらいすごいとおもう。あの時代だという事が余計にすごい。何かこだわるならそこまでやれないといけないのかな?
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堀江敏幸さんの朝日カルチャーでの講座で使用するとのことで購入。
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忙しいのとポケモン買ったのと一篇が短いのとで、読むのに1か月くらいかかったが、百閒氏のへんなひとがらが伝わってくる素敵なエッセイだった。ビスケットと牛乳ってちょっといいね。
ところどころ『作家のおやつ』を引っ張り出してきて交互につなぎ合わせつつ読んだよ。 -
もー、近くにいたらこの偏屈じじい!とか言っちゃいそうだけど、とても楽しい随筆集でした。私はお酒はまったく飲めないし煙草も吸わないけど、最後にはなんだかどっちもすごくいいものに思えてきた不思議。楽しいなぁ。あと年表よく見たら百間先生、祖父と15歳違いで、聞く機会もなく“歴史の教科書”程度の知識だった祖父の若い時代を「あぁ、こんな風景があったのか」と思えたりしてなんだか嬉しく読みました。おもしろかったー。