窯変 源氏物語〈13〉 寄生 東屋 浮舟 1 一 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122027008

感想・レビュー・書評

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  • 源氏物語もいよいよクライマックスに向けて、、、盛り上がっているのだろうか、、、。
    匂の宮は中の君との仲を成就させ満足そうだが、薫は亡くなった片思いの大君の思い出に縋って生きている。
    しかしそこに大君と中の君の父である故・八の宮と “中将の君”の間に生まれた異母妹、御落胤の姫君・浮舟が現れ、薫は浮舟を建て替えた宇治の屋敷に囲おうとする、、、
    それにつけても右大将・薫の優柔不断さ、ナイーブさがまどろっこしい。光源氏があれだけ積極的な性格だっただけに、この奥手感はとても光の血を引いているいるとは思えない(事実、血の繋がりはないですが)。
    紫式部は書いていて、この父子のギャップを楽しんでいたのだろうか。

  • 本巻では宇治十帖の寄生・東屋・浮舟1が収録されていました。

    相変わらず薫のことを小馬鹿にしながら物語は進みます。
    私自身も薫に(匂宮にも)魅力を感じないのでそのスタンスに異論はないけれど、これって当時の読者はどんな思いで読んでいたのかが気になりました。。

    それはそうと今回注目したのは浮舟の母の心。
    八の宮が(身分の違いや対面上から)自分を一人の人間として扱ってくれなかったことを相当恨み、分相応の女の幸せを求めるほうが幸せだと悟ったと語ったその舌の根の乾かぬ内に、匂宮や薫の見栄えや身分にクラっとして、七夕のような逢瀬であっても正妻になれなくてもやっぱりこっちが幸せ、と思ってしまうところ。
    あんなに恨んでいたのに、とっても痛い目に合ったのにね。

    身分によって人としての優劣も決まり、気高い人は身分も高く、身分が高くなければ姿容貌が美しいとはいえないという絶対的価値観はとても強固です。
    生きづらい社会。

  • 若菜と浮舟は読め@「光る源氏の物語」→気を取り直して再開。
    東屋から、ギャグのような心の声が面白くなってきた。女房の聞こえよがしの文句や心の声は、当時の風俗を反映しているし、本音が面白い。
    受領は軽んじられるというのは、紫式部の僻みもあるのかな…書かれ方がひどい。訛りに、銭ゲバ、ダミ声、そして肥満。
    これまでは「お陰、光、恵み」という意味で使われてきた「徳」も、東屋では「財産」として三回も登場。銭をかけてるのにダサイという。
    日本人昔から意地悪笑。世間体を気にしないネット社会になってまた平安時代の意地悪に逆戻りか

  • 寄生◆東屋◆浮舟1

    著者:橋本治(1948-、杉並区)

  • 橋本治 窯変 源氏物語 寄生〜浮舟

    匂宮と薫の女性の奪い合い、譲り合い。11巻から13巻は 読みにくいし、面白くないので 流し読み

  • 「寄生 やどりぎ」「東屋 あずまや」「浮舟 うきふね1」まで収録。いや〜おもしろいですね!おもしろいです。薫は本当に粘着質というか…完全ストーカーですね。柏木の血を引きすぎです。世を捨てたいが口癖の割に俗っぽい。中の君も浮舟もいい迷惑ですよ。匂宮のほうが私は好きですね。常陸殿のおっちょこちょいなお母さんぶりが微笑ましいです。あと方言ギャグ(?)みたいなのがちょいちょい挟まれていて結構ウケました。語り手の紫式部の微妙な底意地の悪さ(?)まで見事に再現されています。次は最終刊。ここまでたどり着くのに約一ヶ月かかりました〜。

  • 寄生、東屋、浮舟?が収録されていました。
    薫くんは一途なんだかそうでないんだかよく分からないところが源氏とよく似ていると思います。
    どちらかというと私は匂宮派ですね。

  • 内容紹介:寄生・東屋・浮舟 1

    資料番号:011220225
    請求記号:F/ ハシモ/ 13
    資料区分:文庫・新書

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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