- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122027343
感想・レビュー・書評
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とても細かい内容が、
思いついた順に書かれているという感じで、
なかなかすっきりと理解できないのだけれど、
でも、とても示唆に富んでいて、面白かった。
特に、桐壺の更衣と死別した時の桐壺帝の年齢が18歳
この推定には驚いた。
なんとなく、中年の桐壺帝を想像していたので。
こんなに若い青年だったなら、そして初恋だったなら、
あの取り乱し様も理解できる。
ちょうど、夕顔に溺れた光源氏のような状態のように。
そして、また「うるはしき姫君の日常」として
18畳の部屋に、2畳くらいのベッドがあり、
それだけが、高貴な姫君の生活空間、
というのも衝撃だった。
しかも、することは何もない。
退屈を紛らわすための娯楽などがあるだけ。
御簾ごしに眺める庭が外界のすべてで、
訪れる男君をただただ待つだけ。
末摘花は、教養もないので、訪問者はほぼなく、
貧乏なので、退屈しのぎにすることも限られ、
本当に終日ボ~~っと、待ち続けていたのだろう。
想像するのも恐ろしい日常だけれど
宮家の高貴な姫君だから、それを苦ともしなかった、
というか、そういうのが当たり前だったのかもしれない
本当に、平安時代って、びっくりさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
朱雀帝、前々からあやしいと思っていましたがやはり…。私は男君メインで源氏物語を読んで行きたいと考えているので、著者の女君賛歌に陥らないバランス感覚ある論考が、大変読みやすく感じました。