中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 3497
レビュー : 342
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028401

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹最初の短編集。
    個人的には収録順に面白くなっていった。
    シドニーのグリーン・ストリートは大人向け絵本って感じでとても好き。挿し絵もついてるし。物語通してどこかコミカルなんだよなあ。村上春樹の長編でもクスッとくるところが結構あって、同じ種類のコミカルさだった。
    やっぱり短編って作者のエッセンスが詰められてるんだなあって思う。

    村上春樹の小説って音楽と酒とセックスは必ず出てくるけど、動物も準レギュラーかもと思った。動物園もけっこう出てくるし。
    あと、人物の描写の仕方は作者が人をどう見てるかってところに繋がると思うのだけれど、村上作品って服装の描写が丹念だなあと思った。魅力的な人(特に女性)は品のいい着こなしをしていて、モブとかつまらない人は無難だったり品のない服を着ている傾向にある気がする笑

  • 村上春樹の初期の短編小説七篇を収めている。
    「中国行きのスロウ・ボート」が一番かな?シドニーのグリーン・ストリートも好きだな。

  •  私の中にある、いわゆる村上春樹っぽい文章は、まさにこの「中国行きのスロウ・ボート」のような文章です。多分、今の文章とは全然違うのだと思いますが、私にはあまり違いが分かりませんし、最初にすり込まれたのがこんなイメージだったので、未だに私の中では、このタイプの印象です。

     短編はいいですね。読書のために短い時間しか取れなくても、中途半端なところでお仕舞いにならないのが短編のよいところです。反面、村上春樹の唐突な世界観が、長編だと何となく辻褄が合って終わってくれるのですが、短編の場合、辻褄が合わないまま終わってしまうこともあって、読み終わったときに取り残されたような虚しさを味わうことがままあります。

     この村上春樹の初めての短編集「中国行きのスロウ・ボート」が出版されたのが、1983年だそうです。私が村上春樹を初めて読んだのは「ノルウェイの森」ですので、その前にこの作品は世に出ていたことになります。まあ、高校生の私が読んでも、多分理解できなかったでしょう。今読んでも、よく分からないし(^^;。

     私が好きなのは、「中国行きのスロウ・ボート」「カンガルー通信」「午後の最後の芝生」「シドニーのグリーン・ストリート」、しっくりこなかったのは、「貧乏な叔母さんの話」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「土の中の彼女の小さな犬」といった感じです。

     「シドニーのグリーン・ストリート」には羊男が出てきます。僕がグレン・グールドのレコードを聴いているのもそれっぽくて素敵です。カンガルーもいいですね。

     ちょっとしたスキマ時間に、気分転換に読んでみるのに最適な一冊です。

  • ニューヨークの炭鉱の悲劇から面白くなってくるかな。

  • 再読多分2回目。村上春樹を知ったきっかけになった短編集。高校の国語の授業で「中国行きのスロウ・ボート」の一部が取り上げられ、興味を持ったのが動機。「中国行きのスロウ・ボート」以外は初読み。「カンガルー通信」は今こういうことをやったらストーカー扱いだなと考えながら読んだ。印象に残ったのは「中国行きのスロウ・ボート」の女性の中国人留学生のやり取りの話。「ノルウェイの森」を始めて読んだような切なさを感じた。「午後の最後の芝生」や「土の中の彼女の小さな犬」も作者らしい作品でいい。感想はこんなところです。

  • 「中国行きのスロウ・ボート」
    語り手と、過去に出会った中国人たちのちょっとした
    時に不幸なすれ違いを回想する作品
    ここに登場する中国人とは
    時代背景を考えるに台湾(中華民国)系の人々であろうか
    村上春樹の政治的立場を考察する上では
    重要な作品と思われる

    「貧乏な叔母さんの話」
    小説家の背中に張り付いた貧乏な叔母さんのイメージ
    それに人々は自らの思い入れを投影した
    懐かしさ、甘酸っぱさ、
    あるいは後ろめたさからの悪意
    理不尽に傷つけられた叔母さんを慰めたいと小説家は思う

    「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
    なぜか友人が次々に死んでいく年があった
    事故、病気、自殺
    死はわれわれのすぐそばにある
    それをまるで確かめるかのように

    「カンガルー通信」
    いかにディープなハルキストでも
    この作品が気持ち悪いという意見には頷いてくれるだろう
    電波じみた録音ラブレターである

    「午後の最後の芝生」
    大量生産・大量消費の世の中で
    手仕事の丁寧さにこだわる昔かたぎのアルバイター
    2010年代ならば、かえって批判の対象だろう
    しかし1980年代には温故知新だった

    「土の中の彼女の小さな犬」
    ガールフレンドにすっぽかされた旅行先のホテルで
    初対面の女を相手に占い師の真似事をする
    時の流れの中で、過去になど構っていられない
    そのことに女は罪悪感を感じている

    「シドニーのグリーン・ストリート」
    父の遺産を相続して、大金持ちの「僕」だったが
    奇特な性格で、私立探偵などやりつつ
    結婚して印刷工になるのも悪くない、などと考えている
    そんな「僕」のところに羊男が現れる

  • エッセイ「サラダ好きのライオン(だったかな…)を彷彿とさせる読みやすさ。長編もいいけど、短編も面白いすね。

  • これ好き
    羊男出てきて嬉しくなった

  • ずっと読み忘れていた本をやっと読んだ。意味不明なものもありつつ、それもまた良いと思った。

  • 短篇集。「中国行きのスロウ・ボート」が一番好み。
    おしゃれな文章。人の心に行き着くにはあまりに遠い、そんなどうしようもない気持ちを書いた感じがある。好き。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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