坊ちゃん殺人事件 (中公文庫 う 10-11)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122028715

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  • 居候のルポライター、浅見家の「坊っちゃん」光彦は、四国松山に漱石、子規、山頭火の足跡をたどる取材に出た。途中、瀬戸大橋で出会った美女から痴漢に間違われるが、数日後、彼女は絞殺体で発見される。さらに、好奇心で覗いた句会では、主宰の老俳人が毒死した。連続殺人の渦中に立たされた浅見光彦は、事件の鍵は「俳句」にあるとにらむのだが…。浅見光彦自身が記した危険な事件簿。

  • 【登場人物】
    浅見光彦……ルポライター。四国松山に漱石、子規、山頭火の足跡をたどる取材に出かけたところ、2つの殺人事件に巻き込まれ、容疑者扱いされる。浅見家の「坊っちゃん」。
    稲本敦子(マドンナ)……美熟女。有能なクラブの経営者で、支店を幾つも持っており、東京にも進出予定。光彦をストーカーと思い込んで警官に通報するが、その夜、死体で発見される。
    中田刑事(トンカツ)……年のころ35、6。トンカツに目鼻をつけたような面長。熱血漢の短気で、光彦をマドンナ殺害の容疑者として付け狙う。
    丸山登(山嵐)……巡査部長。丸坊主の頑丈そうな男。意外に物分りのいい人物で、光彦を信頼して協力する。
         
    水沼哲男(鶴)……73歳。松山市の俳句結社・青山社を主催。句会の最中、毒物を注射されて死亡する。
    水沼真理子(撫子)……水沼哲男の孫娘。
    波戸雄二郎(狸)……波戸船舶興業株式会社専務。青山社のスポンサーとなった縁で幹部として収まっている
    武田健夫(野だいこ)……華奢な感じの男。青山社の同人。幹部クラスだが、「雑用係を務めさせていただいております」と謙遜している。
    五十崎銀治(いか銀)……水沼老人が殺害された内子座の管理人。
    畑野(バッタ)……役場の職員。水沼真理子の恋人。水沼老人殺害容疑者として逮捕される。
    (うらなり)……水沼老人殺害事件を担当する主任警部。痩せて青白い顔をした秀才タイプ。顔の下半分が妙に膨れている。
    副署長(赤シャツ)……松山東警察署副署長。オールバックに金縁眼鏡、チョビ髭に金歯。
          
    【読後コメント】
     キャラ設定は夏目漱石『坊っちゃん』にちなんでいますが、物語そのものはオリジナルです。
     浅見光彦が語り手となっています。
     浅見光彦シリーズをはじめ、内田康夫さんの作品を読んだのは(ドラマを含め)これが初めてなのですが、普段の浅見光彦シリーズは、「軽井沢の作家」が語り手となっているようです。
         
     辻真先『四国・坊っちゃん列車殺人号』
      http://sfkid.seesaa.net/article/416187941.html
    の主人公・瓜生慎もトラベルライターの素人探偵です。
     瓜生慎の方は早い段階から面が割れて、名探偵ということで警察官から頼られていますが、浅見光彦の方は正体を明かさないので、警官達から目の敵にされ、挙げ句の果てには容疑者扱いされます。
     でも結局正体が明らかになって恐縮されるところは、水戸黄門の印籠パターンです。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150531/p1

  • 浅見光彦が四国・松山を取材中に偶然見かけた女性が変死体で見つかった。さらに内子町の句会で起きた奇妙な殺人事件。何の繋がりも無いような2つの事件ではあったが果たして・・・

  • ミステリの勉強のためにと家にあったのを読んでみました。
    昔ちょっとだけドラマで冒頭を見たことがあって、犯人が気になっていたので。

    トリックとか見せ方は上手いと思うんですけど、最後の方がちょっと飛躍しすぎな気はします。
    こういうものなのかもしれないですけどねー(何せミステリを読まないので分からないw)
    人間の表情とかも描写が細かいのはすごく参考になりました。浅見探偵のキャラも好き。


    でも、まあ、推理ってどこまでも推理でしかないんですよね、うん。
    そんなことを実感した久しぶりのミステリ。

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著者プロフィール

1934年東京都北区生まれ。1980年に自費出版した『死者の木霊』で衝撃的デビュー。主人公の信濃のコロンボこと竹村警部が活躍する作品に加え、1982年に刊行された『後鳥羽伝説殺人事件』で初登場した浅見光彦を主人公にしたミステリー作品は大ベストセラーに。映像化作品も多数。2018年逝去。

「2022年 『箸墓幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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