Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122029576

作品紹介・あらすじ

村上春樹が心をこめて贈る、12の「パーソナル・ベスト」。レイモンド・カーヴァーの全作品の中から、偏愛する短篇、詩、エッセイを新たに訳し直した「村上版ベスト・セレクション」に、各作品解説、カーヴァー研究家による序文・年譜を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 【ロングセラーを読む】いたるところにドラマはある 「レイモンド・カーヴァー傑作選」村上春樹編訳 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/life/news/201114/lif2011140001-n1.html

    ほぼ日刊イトイ新聞 -本読む馬鹿が、私は好きよ。
    https://www.1101.com/yomu/08murakami_06.html

    Carver's Dozen|文庫|中央公論新社
    http://www.chuko.co.jp/bunko/1997/10/202957.html

  • 69冊目『Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(レイモンド・カーヴァー 著、村上春樹 編訳、1997年10月、中央公論新社)
    村上春樹が偏愛する作家、レイモンド・カーヴァー。彼の短編、エッセイ、詩など12作品(+おまけが1作)が収録。
    どの作品も硬質な文章でありながら、リリシズムに溢れる繊細な物語が展開されてゆく。
    「大聖堂」や「僕が電話をかけている場所」といった代表作も収録されており、カーヴァーの入門書として最適な一冊。

    〈「だってね、スチュアート、彼女はまだほんの子供だったのよ」〉

  • 「ささやかだけれど大切なこと」をおすすめされて読んでみたのですが、これは確かに良い小説でした。タイトルから勝手に名作の気配を感じていた私は、何か良い絵本を読んだときのような、温かい感動と教訓がもたらされる作品かとはじめは想像していましたが、少し違いました。そうではないのですが、なんとも言えない味わいがあって心をつかまれる、そういう良作です。これは「ささやかだけれど大切なこと」に限らず、本書に収められている他の作品にも共通することですが、人生の荒波の中で心のどこかに傷を負った大人たちの、それでも譲れない何かを守るための闘いの物語というか、決して派手な激変があるわけではないですが、その闘いの中で偶然的に見えてくる新しい展開に、はっとさせられるものがあります。私は特に、「大聖堂」と「ダンスしないか」が好みでした。

  • 村上春樹によるレイモンドカーヴァーベスト。そりゃもう良いです。気になっている人の入門書として最適。なんでこんなにままらない人を描かせると上手いのだろう。良い人を良い人として、悪い人を悪い人として描くのじゃなく、悪い人でもシームレスに良いことを考えたり行動したりする。一瞬の思考や行動の発露の描写がすんごい美しかったりして胸を打つ。そうだよなー人ってこういうものだよなって思う。凡百な小説が類型的に人を描いた挙句捨象されてしまった全てがここにあるんじゃないかとすら思っちゃう。あなただって普段の生活でそういう感じでしょ?(良いこと考えてる次の瞬間にどうしようもなく汚いこと考えたりしない?)

  • 初めてのレイモンドカーヴァー。
    すごく好みだった。
    どれも深い余韻を残して終わっていく。
    日常のリアルの中の一部をカーヴァーの目線で切り取っている。
    リズムがすごく好き。
    文章は村上春樹訳だからかとても読みやすい。
    村上春樹が好きな短編を集めているということもカーヴァーへの尊敬の念がひしひしと伝わってくるところも含めて、すごく良かった。

    ・ダンスしないか?
    世界観がたまらなく好き
    彼女は会う人ごとにその話をした。でも相手に伝えられない何かが残った。

    ・大聖堂
    盲人をこんなふうに描くんだと
    最後の終わり方も最高
    自分が何かの内部にいるという感覚がまるでなかった。

    ・使い走り
    みんなの日記からとっているあたり
    シャンパンで終わらせる
    カーヴァーの自分の姿と重ね合わせている

  • 再読。村上春樹による訳文、どうしても春樹感が出るのでもっとニュートラルな訳文も読んでみたい。「ささやかだけれど、役にたつこと」「ダンスしないか?」「大聖堂」なんかのわかりやすく人の心と心が結びつく一瞬を描いた作品が好き。

  • ドラマチックではない

    ハッピーエンドでもない

    でも、破滅的な絶望という訳でもない。

    やや日常的で、負のオーラを出していそうな主人公達・・・

    不幸で寂しい話が多かった気がします。


    村上春樹の一個一個の解説を読む前、読んだ後で読むと良い様な気がします。

  • 大聖堂、ささやかだけれど役に立つこと。
    この二作品だけのために買っても損じゃないぐらいよかった。

  • 果たしたとも。
    そう言って死んできたい。

  • レイモンド•カーヴァーの短編集、村上春樹訳。
    小川洋子さんが「みんなの図書室」で選書されていた短編「ささやかだけれど、役にたつこと」を読んだ。

    村上春樹さんの訳は初めて読んだが、直訳の感が強く、日本語訳なんだけど英語の原書を読んでるような独特のニュアンスがあった。

    息子を交通事故で亡くした夫婦と、あるパン屋の主人のお話。息子を亡くしどんなに深い喪失の中にあっても、生きていかなくてはならない。そんな時、あったかい出来立てのパンを食べることは「ささやかだけれど役に立つこと」。

    近所の珈琲屋さんにこの本が置いてあったので、他の短編もまた来た時に読もうと思う。

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