プレゼント (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
3.38
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本棚登録 : 551
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033061

作品紹介・あらすじ

ルーム・クリーナー、電話相談、興信所。トラブルメイカーのフリーター・葉村晶と娘に借りたピンクの子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。二人が巻き込まれたハードボイルドで悲しい八つの事件とは。間抜けだが悪気のない隣人たちがひき起こす騒動はいつも危険すぎる。

感想・レビュー・書評

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  • 若竹七海『プレゼント』中公文庫。

    葉村晶と小林警部補シリーズの短編集。8編を収録。

    『海の底』。平淡な弛いストーリーは、終盤に一気に畳み掛けるようにフリーター・葉村晶が名推理を展開する。それまでの弛い雰囲気は一転して引き締まる。そして、最後に名言。

    『冬物語』。過去に騙された知人に復讐殺人を企てた男が、その犯罪を小林警部補に暴かれるという他愛の無い短編。

    『ロバの穴』。フリーター・葉村晶が登場する短編。事件解決後にまたも名言。パターンだな。

    『殺人工作』。小林警部補が登場する短編。可もなく不可もなく。

    『あんたのせいよ』。探偵・葉村晶が登場する短編。いつの間にか事件は解決する短編

    『プレゼント』。表題作。小林警部補が登場する短編。ひねったね。


    『再生』。探偵・葉村晶が、またもいつの間にか事件を解決するという感じの短編。

    『トラブル・メーカー』。探偵・葉村晶と小林警部補のコラボ短編。珍しく葉村晶が痛い目に遇わないなと思ったら……

    本体価格705円
    ★★★★

  • 最近、御子柴くんのシリーズを2冊読んでおもしろかったので、ルーツというこの作品を読んでみた。
    小林舜太郎警部補&部下の御子柴くんが探偵役のものと、葉村晶のものが交互に入っている短編集。
    御子柴くんは捜査中にガム噛んでたり、ここではちょっとチャラい若者だ。
    基本的に一作品に一事件だが、どれもちょっと変わった味付けとオチで、意外なところから犯人が来たりして、えええっ?となる。
    そして、“クロスカウンター”みたいな仕掛けが多いかも。
    葉村シリーズも読んでみたくなった。

    『海の底』(葉村)
    豪華なリゾートホテルが、昼の休憩プランを設置して、「豪華なラブホ」と騒がれる。
    そこにカンヅメになった作家が、血痕を残して姿を消した。

    『冬物語』(小林)
    雪に閉ざされた冬の別荘…の近くの山の中で人が死んでいる。
    小林警部補の言動が“コロンボ”っぽい。

    『ロバの穴』(葉村)
    コールセンターから電話が来るのが嫌いだが、コールセンターで働くのはもっと嫌だ。
    いろんな“人の殺しかた”があるんですね…

    『殺人工作』(小林)
    叙述トリックに引っ掛かる?

    『あんたのせいよ』(葉村)
    職を転々としていた葉村が、探偵事務所で働き始める。
    災難引き寄せ体質はこの頃から始まる?

    『プレゼント』(小林)
    このどんでん返し。
    登場人物の言動を、あとで思い返すと面白い。

    『再生』(葉村)
    原稿のためにカンヅメになった作家が…あれっ、このフレーズ…
    裏窓ものとでも言おうか。
    笑ってる場合でないが笑える。

    『トラブル・メイカー』(葉村)(小林)
    時間が“返し縫い”みたいになっていて面白い。
    事件の絡む感じに、最近の御子柴くんものの萌芽を感じる。
    相変わらず最後の一行が、山椒のようにピリリと効いている。

  • ブクログのどなたかの本棚で見つけて、面白そうなので図書館で借りた。
    小林警部補とフリーター葉村晶がそれぞれメインとなる短編が交互にあり、最後は2人が登場する話で終わる。なかなか面白かったが、宮部みゆきさんの作品のような、社会背景や登場人物を深く掘り下げたモノの方に惹かれる。どちらかというと小林警部補の方が好きかな。2019.6.29

  • おすすめいただいたので、葉村晶シリーズに手をつけてみる。

    最初は中途半端な終わり方や悲しくなる終わり方に戸惑ったものの、二話ほどで慣れて、次第にそれが潔く感じて癖になってくる。シリーズすべて読んでみたいと思います。

  • 若竹七海さんの作品の中で好物のキャラ、葉村晶と、「昼あんどん」的風貌、実は切れ者キャラ、小林警部補が、交互に登場する短編集。

    葉村晶シリーズのシニカルな語り口は、相変わらずパワーが落ちていない。その物言いには苦笑させられるが、それでも気持ちいいのは、ファンの心の声の代弁者だからだろうか。

    例えば「ロバの穴」では、事件関係者が「父のことでお話をうかがわせていただきたいんです。ご迷惑でしょうけれど」。語り手(葉村)は「迷惑とわかってるなら声をかけるなと言いたかったが、好奇心が邪魔をした」と。ほとんど揚げ足取り。

    そして、よせばいいのに葉村が事件に巻き込まれていくのは、その好奇心のなせるわざ。あげく、実の姉に殺されかけるという、なかなかハードな事件に遭遇するのだ(トラブル・メーカー)。

  • 本屋の平台に乗っていたこの本を見て
    「ああ、この人の葉村晶シリーズ、面白かった」
    と思って購入して、読み始めたら、
    あら、前に読んだ本だった。。。
    帯に<葉村晶シリーズ>の原点がここに
    って、ちゃんと書いてあるじゃないか
    でも、再読でも忘れている内容もあり
    十分に楽しんで読んだ
    ほのぼの系のミステリーでは決してないけど
    ミステリーらしい楽しみ方が出来た感じ
    今度こそ、読んでいないシリーズ本を読もう

  • おもしろかった!

    さくっと読めるし、内容的に殺伐としているのにじめじめせず、あとくされない。葉村晶のキャラクターもドライなのにどこか人間味があり、いい!
    事細かに書いているわけじゃないのに満足。あとバットエンドな話も変に悲しくなりすぎなくてよかった。

  • ルーム・クリーナー、電話相談、興信所。トラブルメイカーのフリーター・葉村晶と娘に借りたピンクの子供用自転車で現場に駆けつける小林警部補。二人が巻き込まれたハードボイルドで悲しい八つの事件とは。間抜けだが悪気のない隣人たちがひき起こす騒動はいつも危険すぎる!

  • んー。面白いのもあるけれど、毎回最後に意外な結末になる。そのあたりが物足りなかった。
    ラストの「トラブル・メイカー」もわかりにくい話でした。
    次も読んでみようとは思うけれど、少し期待外れだったなぁ。

  • 葉村晶シリーズ第一作として読み始めたので、各章毎に主人公が彼女と小林警部補なる人物に切り替わるのは少々面食らったが、彼が別シリーズの登場人物だと知り納得。葉村編は全て彼女の時点、小林編は全て彼以外の登場人物の時点で描かれるので、一冊で二つの異なる作品を楽しめるのは面白い。序盤〜中盤までの葉村編は妙に殺伐としており、彼女のキャラクターも硬い為、20代という彼女の年齢設定を考えると、人生の酸いも甘いも噛み分けたかの様なハードボイルド口調は無理がある気もするが、終盤ではあの不運ぶりが発揮されるので、次作に期待。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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