情報の文明学 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 985
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122033986

作品紹介・あらすじ

物質とエネルギーの産業化から、精神の産業化へ-。情報産業社会の到来をいち早く予告し、その無限の可能性を人類文明の巨大な視野のもとに考察した、先見性と独創性に富む名著。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい本ですが、この本から受ける衝撃は長く続くはずです。本書は、梅棹氏が60年代初頭に「情報産業」(同氏の造語とされています)の到来を正確に見通した類例のない予言の書です。当時、営業を開始したばかりの新幹線を、人や貨物の運搬ではなく、情報を運搬するものと定義し、情報産業に位置づける箇所は、いまもなおスリリングです。
    (ブクログ ITエンジニアに読んでほしい技術書・ビジネス書 推薦文)
    https://www.shoeisha.co.jp/campaign/award/2017/recommend#reco01

  • 糸井重里さんのご紹介から、読みました。情報産業論のお話には、圧倒され、現代社会が、梅棹先生のお話の世界になっている状況に、ただただ、言葉がありません。オススメしたい一冊です。

  • 1962年に執筆された情報産業論に始まる論説をまとめた著作。50年も前に現代の高度情報化社会の到来と工業から情報産業へのビジネスシフト、IT技術の家庭への普及、インターネットの可能性について予想している逸脱な論考。類似の論考はA.トフラーの「第三の波」があるようだが、情報産業論はそれよりも20年前に発表されている。農業の時代、工業の時代を経て人類は情報の時代へ突入しつつあり、これは文明としても新しい段階に一歩踏み出しているという大局的な視点で情報化を観ている。

  • なんでも情報産業に結びつけてる。薬だってそうだそうな。
    こんな昔に現代を予見していてすごいみたいな書評を見た気がするが、全然予見してない。たまたま情報産業という名前を使ってることと、かの時代に起こりはじめたソフト的な産業について話しているだけじゃないのか。
    それが重要だと言ったくらいなもので、重要とかってよりも、これもそう、あれもそう、あっちもそうじゃん!情報じゃん!ってことを書いたにすぎず、昔に特に注目を集めた時期もあるようだけどイマイチよくわからん。

    僕の理解が少ないのでしたらすみません。そのうちまた読み返します。

  • 初めて梅棹先生の本を読みました。
     読めば「1960年代に、この現代を見抜いていた」という慧眼に感服することは間違いないと思います。過去・歴史の分析と、現在に起こっている事象との相違・繋がりを、絶妙な「言い換え」によって表現し、そこから未来を読む。この「言い換え」が梅棹先生の慧眼に結びついているのではないか?と感じました。
     分かりやすい例えもあれば、一読では理解しがたい表現もあり…だからこそ余計に、好奇心を掻き立てられるのかも。読むのに難儀して、一旦置くんだけど、時間をあけるとまた読みたくなり…を、読み切った後もしばらく繰り返しそうです。

  •  梅棹忠夫氏が「情報産業論」を最初に論じられたのは1962年ですが、その後の時代の流れを正確に見通していることに驚きました。生物の発生学にもとづいて情報産業を外胚葉産業と例えた着眼点もさることながら、情報の意味と価値に関する認識を改め、情報経済学までも打ち立てようとされています。

     特に情報産業時代の価格決定システムとして提案されている「お布施原理」には目からうろこが落ちる思いでした。一般にモノの価格は需要と供給で決まりますが、情報の価格は売り手の格と買い手の格で決まるという洞察されてます。実際に現代社会ではソフトやコンテンツに対して正規料金を支払う人もいれば、で無料でダウンロードする人もいます。このお布施理論は来るべき「評価経済社会」にも通じるものを感じます。

     また、梅棹氏はマーケティングについても先見性があったようです。梅棹氏が80年代以前から指摘していた体験情報の重要性や顧客ニーズの個別化の動きは、その後「経験価値マーケティング」や「1to1マーケティング」としてMBAコースでも教えられています。

     コンテンツビジネスについても、80年代当時に民放が情報の価値を理解せずに古いフィルムを廃棄していた一方で、梅棹氏はビデオオンデマンドの構想を先駆けて打ち出し、ライブラリの構築を進めていました。

     現代では当然と考えられていることを40年以上前に予見した梅棹氏の思考の根底を理解することは、この先に起きる変化に対応する際に必須かもしれません。

  • 昔とった杵柄・・とはこのこと。しかし内容はむしろ今こそ読み返されるべきものだと思いました。情報=コンピュータと思い込んでしまう世代にはとくに情報の本質を感じさせる本です。

  • 2018.11.21 品川読書会で紹介を受ける。
    http://naokis.doorblog.jp/archives/shinagawa_reading_comm_21.html

  • たけの書見台、R-Style

  • 往来堂書店「D坂文庫2015春」から。
    1962年に梅棹忠夫が書いた『情報産業論』の本文と、その後の再説やそれにまつわる講演などをまとめた一冊。これが1962年に書かれたということに驚嘆する。民間放送が活発になってきた時代を背景に「放送人」という切り口から、今後の産業の重心が農業から工業、そして情報産業へ移行してゆくことを論じている。果たして、その半世紀後の現在、著者の予測があまりにも的確であることに唸るなと言う方が無理な話だ。
    興味深い指摘が満載だが、そのうちのひとつは「コンニャク情報論」か。栄養価はゼロだが、歯触りで味覚に満足を与え、消化管の中に入ることで満腹感を与える。すなわち、感覚器官と脳神経系を大いに刺激する。このコンニャクと似た存在の情報があることを著者は指摘する。仮にノイズにしか思えない情報でも、感覚器官と脳神経系を興奮させる以上、情報の一種であり、排除できない、と。
    コンニャクを食べるのか、それをうまいと思うのか。この辺りがあふれる「情報」との付き合い方のカギなのかもしれない。

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著者プロフィール

梅棹忠夫(うめさお・ただお)

1920年,京都に生まれる。京都帝国大学理学部卒業。理学博士。1955年京大カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊に参加。京都大学教授。国立民族学博物館の設立に尽力し、初代館長となる。1994年文化勲章受章。2010年,90歳で死去。『文明の生態史観』『知的生産の技術』『日本探検』『情報の文明学』など著書多数。主な著作は「梅棹忠夫著作集」(全22巻 別巻1 中央公論社)に収められている。

「2015年 『日本語と事務革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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