人にはどれだけの物が必要か: ミニマム生活のすすめ (中公文庫 す 20-1)

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  • 中央公論新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122034655

感想・レビュー・書評

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  • この本は1999年7月に出版されてるので、2015年現在だと16年前になる。

    タイトルの通り、「人はどれだけの物が必要か」ということで今で言うエコでサステナブルな生活を問うています。

    今のブームとして、「質より量」の考え方が台頭してきて、「フランス人は10着しかもってない」などの本も注目されてきているけど、99年代はまだ世の中がそういう流れになってなかったように感じます。

    その時代に書いてる本なので、時代の先駆けの本だなと感じました。

    原子力発電や食糧破棄の問題に警鐘を鳴らしていて、それから少なくとも15年は現状が変わってないので、ゾッとします。
    今だからそこ読んでおきたい本です。

  • ミニマムリストと言うと、個人的な持ち物をコンパクトにして暮らす人というイメージがあったが、この本のミニマム生活は、地球全体の破壊をミニマムにするということで、勘違いして読みました。意識としては持っていたいです。

  • 単純なミニマム生活のススメ。という内容ではない。
    書かれたのはずいぶん前のようだが、2014年のいま読むと先見の明にはっとされる部分もある。
    まぁ内容がやっぱりちょっと古いんだけどね。

  • 201106/
    考えてみれば、木が板や柱として使えるようになるまでには、一般に50年以上の長い年月が必要なのだから、木材を使った製品は少なくとも同じ年月だけ使わなければ、自然の帳尻が合わなくなるわけだ。/
    自然の野山に生える草は概して繊維が固く、その主成分であるセルロースは人間が食べても消化できない。つまり草はそのままでは人間の栄養源とはならず、その意味では不用品なのだから、この草だけを食べる動物を家畜にして、その肉や乳を充分でない人間の食物の足しにするということは、古代人の考え出した素晴らしい食料増産の知恵といえる。/
    ドングリの類はクリやクルミなどとは違って、タンニンを大量に含むから、そのままでは人間の食用にはならない。しかしヨーロッパでは日本のように、どんぐりを潰した上、水で晒して、タンニンを除去してから食用にするという技術が発達しなかったため、沢山あるドングリは人間にとって無用の長物だった。このドングリが豚の大好物であるから、ヨーロッパ人は豚を林内放牧という形で、初冬まで森の中に放っておいて、豚がドングリを食べつくして充分肥えた時点で、それを一斉に捕殺して鱈腹食べ、余った肉を塩漬けのハム、ソーセージにしたり燻製のベーコンなどの形で、厳しい冬の食料として貯えたのである。このように豚を翌年用の種豚だけを残して一度に大量に殺し、人々が肉を腹一杯食べる時が、謝肉祭の原型である。/
    豚にとっては、未だ消化しきれないいろいろな物質を含んだ人間の排泄物は、充分な栄養を含む食物となり得たのである。中国の文献には便所の下で豚を飼ったことを教えてくれるものが沢山あるし、古代の王の墓から出土する数多の副葬品の俑の中には、便所と一体構造になった豚小屋も見つかっている由である。/
    人類は太古の昔から食料源として、いろいろな家畜を飼ってきたが、原則としてそれらは人間が食べる物を食べず、人には食用価値のない物を、しかも自分で勝手に食べてくれるからこそ、家畜・家禽たり得たということである。ところが大変困ったことに、この人間と食用家畜の食物は互いに競合せず、むしろ相互排除の関係になくてはならないという太古からの原則が、最近の豊かな社会の出現とともに破られてしまったのである。/
    ごく身近な見渡しのきく、狭い範囲の生活圏の中で起こる問題にだけ対応するように出来ている私たちが、生産活動や日常の消費生活の面では、国際化どころか地球化してしまったのである。/

  • 会社からの推薦図書かなんかで購入した本。以前に読んだ気もしないことはないのだが、再度読んでみた。
    「はい、全て鈴木先生のおっしゃるとおりです」と言わざるをえませんが、同じことはできるもんでもない。でもその精神は私の中にも残り、自分でできそうなことはやろうと思った次第でございます。(やたら丁寧語になってしまう)

  • これから地球はどうなっちゃうんだろう?
    今がよければ、それでいいのか?
    もっと先のことを考えた生活しないと必ず後悔する日がくると思う。
    欲しいものを好き放題買って
    いらない物を捨てる。
    これが当たり前になってる世の中はもうどーしよーもないし
    この本にももう地球を元の状態に戻すのは『不可能』って書いてある。
    だけど、その進度を小さくすることは誰にでもできる。
    たとえば、石油燃料があと200年で底をつくっていう科学的データが出たとして
    そんなんもう自分死んでるし関係ない
    なんて考え方の人間にだけは絶対なりたくない
    自分の子孫はそこにいるわけで
    まあまだこどもも産んでないのに何言ってんだって感じだけど
    でも!一人一人がほんのちょっと気を使うだけで全然違う。
    もっとエコしよう。

  • 世の中のみんなが、鈴木先生のようだったら、地球は泣いて喜んでくれるでしょう。

  • 物に対する考え方が変わります。

  • 分類=生活。99年7月。

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著者プロフィール

1943年岩手県生まれ。三菱系エレベーター会社を経て1967年に独立創業し、鈴木エレベーター工業(現在のSECエレベーター)を1970年に設立。独立系エレベーター保守会社という新しい業態を日本に誕生させる。エレベーターの構造を知り尽くす「技術屋」で、ビジネスの面でもエレベーター業界の風雲児として活躍する。

「2017年 『技術屋が語るユーザーとオーナーのためのエレベーター読本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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