バビロンに帰る: ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2 (中公文庫 フ 1-2)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122034945

感想・レビュー・書評

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  • 原文で読んだわけではないが、翻訳されても尚、この作家特有の透明感のある世界感や時代の空気感等が文章にあらわれている気がする。この繊細な雰囲気が好き。

  • スコットは愛らしいひとで
    彼が紡ぐ物語はなんてことないのに
    子どもらしい彼の愛嬌が垣間見れる

  • 村上春樹編・訳によるフィッツジェラルド短篇集第2弾。5つの短篇を収録するが、やはり後半に収められた大恐慌後のパリを舞台にしたシリーズが秀逸。1920年代の後半、パリのリッツホテルは、アメリカのお金持ちやフィッツジェラルドをはじめとした有名人達で溢れ、連日連夜喧騒を極めていた。そして、大恐慌。フィッツジェラルド自身もしだいに過去の人になりつつあり、ここでもニュー・ヒーローのヘミングウエイがもてはやされるようになった。表題にもとられた「バビロンに帰る」は、このパリを背景に喪失と哀惜に満ちた実に魅力的な作品だ。

  • フィッツジェラルドの作品は、ストーリーが特別魅力的なわけではない。ではなにがいいのか。それは村上春樹が語るように『(実体験に基づいた)自己憐憫をを糧にして小説を書く』ことだと思う。無常感とも言える。それと彼の文章力が相まって、退廃の中の美を描き出している。無常感の中に美学を見出すのがフィッツジェラルドの作品であり、それが日本人の感覚に合っているために、日本人にも好まれるようになったのではないだろうか。個人的には、表題作の『バビロンに帰る』が一番よかった。

  • 表題作を読んでいるうちに「雨の朝、巴里に死す」として昔読んだものだと行くことに気付いた。14,5歳だったのでわからなかったというのもあるだろうけど、やはり翻訳の出来が全然違うと思いました。 ただ正直、村上春樹とフィッツジェラルドが一体化 し過ぎているような感じで、どこからが村上春樹でどこまでがフィッツジェラルドなのか私には区別し ずらい。村上春樹の原点のひとつらしいことが良くわかる作品と言う印象でした。

  • フィッツジェラルドの短編。春樹さんのエッセイ付き。
    「ジェリービーン」「カットグラスの鉢」「結婚パーティー」「バビロンに帰る」「新緑」。「スコット・フィッツジェラルドの幻影」。

    毎回この時代の作品を読むにあたっては、人生哲学が学べるのではないかと思いながら読むのだが、90年前でも人間は人間。今と変わらないというのが毎回の感想。

    春樹さんは、「新緑」はいまいちとの評価だったが、私は「新緑」、「バビロンに帰る」の2編が好みでした。

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ようこそ、フィッツジェラルドの世界へ―「特上クラス」の名作から「シングル盤B面」的佳品まで、心をこめて選んだ五短篇を訳し、フィッツジェラルドゆかりの地、アッシュヴィルを訪ねて記したエッセイを付す。

  • 時代に愛され、時代に見放され、時代と自分を見詰めた作家、フィッツジェラルド。
    作家って言うのはこういうことさ――な短編集。村上春樹訳。

  • ジャズ・エイジの寵児、F・フィッツジェラルドの短編が収められています。バビロン再訪(Babylon Revisited)は間違いなく名作です。

  • 大学2年の時にはまったね。

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著者プロフィール

1896~1940  1920年、処女長篇『楽園のこちら側』がベストセラーとなり、妻のゼルダと共に時代の寵児ともてはやされるが、華やかな社交と奔放な生活の果てにアルコールに溺れ、失意のうちに死去。『グレート・ギャツビー』『夜はやさし』等長篇数作と数多くの短篇を残した。

「2022年 『最後の大君』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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