大衆文芸評判記 (中公文庫 み 15-39 鳶魚江戸文庫 別巻1)

著者 :
制作 : 朝倉 治彦 
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122035072

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  • 大衆文学史上の問題作を俎上にのぼせ、時代考証の立場から斬りまくった。当時の流行作家は、江戸のお目付役鳶魚を恐れると共に彼の著作を必読文献とした。大衆文学に大きな影響を与えた鳶魚の労作。

    俎上に乗せられているのは次の作品である。
     赤穂浪士  (大佛次郎)
     青頭巾   (土師清二)
     南国太平記 (直木三十五)
     富士に立つ影(白井喬二)
     紅蝙蝠   (長谷川伸)
     鳴門秘帖  (吉川英治)
     大岡政談  (林不忘)
     大菩薩峠  (中里介山)
     旗本退屈男 (佐々木味津三)
     国定忠治  (子母澤寛)

    本書は、癖のある文章で、作品をこき下ろしており、後味の良いものではないが、江戸時代を知るには貴重な本である。
    鳶魚は、武士らしさや、身分というものにこだわっている。随所に「武士はそんな振る舞いをしない」「武士はそんな考え方をしない」というのが窺える。当然のことながら、江戸時代は階級社会であった。その感覚を現代人が実感ことは難しいが、意識して読むことにより、少しでも近づく事が重要ではないかと感じた。
    それにしても、売れっ子作家達がいかに自由奔放に創作したことか。

  • 1260.初、並、カバスレ、帯なし。
    2011.5/13.白子BF。

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