大衆文芸評判記 (中公文庫 み 15-39 鳶魚江戸文庫 別巻1)
- 中央公論新社 (1999年9月18日発売)
本棚登録 : 14人
感想 : 2件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122035072
感想・レビュー・書評
-
大衆文学史上の問題作を俎上にのぼせ、時代考証の立場から斬りまくった。当時の流行作家は、江戸のお目付役鳶魚を恐れると共に彼の著作を必読文献とした。大衆文学に大きな影響を与えた鳶魚の労作。
俎上に乗せられているのは次の作品である。
赤穂浪士 (大佛次郎)
青頭巾 (土師清二)
南国太平記 (直木三十五)
富士に立つ影(白井喬二)
紅蝙蝠 (長谷川伸)
鳴門秘帖 (吉川英治)
大岡政談 (林不忘)
大菩薩峠 (中里介山)
旗本退屈男 (佐々木味津三)
国定忠治 (子母澤寛)
本書は、癖のある文章で、作品をこき下ろしており、後味の良いものではないが、江戸時代を知るには貴重な本である。
鳶魚は、武士らしさや、身分というものにこだわっている。随所に「武士はそんな振る舞いをしない」「武士はそんな考え方をしない」というのが窺える。当然のことながら、江戸時代は階級社会であった。その感覚を現代人が実感ことは難しいが、意識して読むことにより、少しでも近づく事が重要ではないかと感じた。
それにしても、売れっ子作家達がいかに自由奔放に創作したことか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1260.初、並、カバスレ、帯なし。
2011.5/13.白子BF。
全2件中 1 - 2件を表示