- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122035829
感想・レビュー・書評
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フロイスの日本史第三巻のメインは、高山右近の活躍と、本能寺の変。
高山右近は、現在でも最も有名なキリシタン大名として知られているが、本書では、その人柄について多くのページを割いている。
巷間伝わるように、勇猛果敢で公正無私、領民のために身命を賭すようなところがあったらしい。
父親が信長に反旗を翻した際、信長は領民を人質にとって右近の翻意を促したが、右近は出家姿で信長の前に現れ、「城も領土も返上する」としたのは有名な話。本書でもこのときの右近の苦悩が事細かく描かれている。
また、本能寺の変に関しては、事件を自らが観察していたような筆致で描かれているのが興味深かった。
6月20日の早朝、明智の軍が京に入ると、人々は信長の義弟である徳川家康を討ちにきたのだと噂しあったという。
当時家康には信長に討たれる理由でもあったのだろうか?
また、本能寺が消失した後、信長の死体は見つからず、
「その名だけで万人を戦慄せしめていた人間が、毛髪といわず骨といわず灰塵に帰さざるものは一つもなく、かれのものとしては地上になんら存在しなかったことである」と結んでいる。
このあたりも奇怪である。
この巻では、秀吉の中国大返しと明智光秀の敗死、秀吉の畿内統一までが語られる。
最後に歴史の皮肉ともいえる興味深い挿話をひとつ。
彼ら宣教師の最大の庇護者であった信長を討った明智光秀にはひとりの娘がいた。彼女は父親の死後、イエズス会に入信することになる。
後に細川ガラシアとして有名になる彼女のことを、フロイスは次のように記述している。
「修道士は彼女の頭脳の敏活さに驚いて、後ほど、自分は過去十八年の間、あらゆる宗派についてこれほど明晰かつ果敢な判断ができる日本の女性と話したことはなかったと漏らしたくらいであった」
様々な人間が織りなす、安土桃山時代末期の群像劇が、信長編の中では最も面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宣教師目線での「本能寺の変」考察が面白い。明智光秀について、「裏切りや密会を好み、刑を科するに残酷で・・」の一節がよくある光秀の裏切りキャライメージを定着するのに一役買ったと考えられる。光秀による信長からの権力奪取でしょ的なノリで描かれている。そして最初の信長ベタ褒めから若干けなし気味になっている点もやっぱりキリスト教認めるかどうかで書き方変えているなぁと感じた。
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・この時代のキリシタン人口比率は、現代と比べるとなかなか多いように思える。理由は何だろう?
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大河ドラマ「麒麟がくる」と時代が重なる。
ドラマではちらっと伴天連もでていたけどあれはフロイスだったのか? -
20150117途中返却
実際の人物が書き記した貴重な文献 -
噂の戦国面白資料。を、いよいよ読み始めました。
お、面白い・・・!!!
訳がとても読みやすいというのもあるのでしょうね、、聞きしに勝る面白さですいすい読んでいます。
ブクログには光秀や氏郷も登場する3巻を選びました。
なんでそんな事知ってるの・・・なフロイスが胸中に抱くあれこれを現代にあって読める幸せったらないです。
特に光秀の嘘泣きの記述とか大好きです。見たの?見たの?っていう(笑) -
尺度次第でこうなるのか。