明日は舞踏会 (中公文庫)

  • 中央公論新社 (2000年3月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784122036185

作品紹介・あらすじ

19世紀パリ、乙女たちの憧れは華やかな舞踏会! フロベール、バルザックなどの作品を題材に、当時の女性の夢と現実を活写する。〈解説〉岸本葉子

みんなの感想まとめ

十九世紀のフランス上流階級の生活を舞踏会を通じて描いた一冊は、当時の女性たちの生き辛さや社会的な役割を浮き彫りにします。著者の平易でわかりやすい文章は、読者に深い理解を促し、特に女性主人公の社交界デビ...

感想・レビュー・書評

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  • 叢深い田舎の乙女がパリに出てきたらどうなった?

    パリに出られなかった『ボヴァリー夫人』と修道院からパリに出たルイーズを描いた『二人の若妻の手記』などを読み解きその実態に迫っている。

    なろう系を読んでいると必ず出てくるのが舞踏会!でも舞踏会ってどんなものか全然知らない…ので読んでみましたがとても面白かったです。表紙の絵の服、めちゃくちゃ可愛いーーーー!!当時の服の絵もふんだんに載っています。

    「19世紀のパリで1年間生活した報告書を出しなさい。」なんて課題、なろう小説を書きなさい、みたいな。著者の授業、受けてみたかった。

  • 挿絵も含めて、兎に角素晴らしい一冊。鹿島氏の文章は平易でわかりやすくて、学生時代の仏語の教授がこんなに面白かったらもっと仏語が習得できた筈とけしからぬ思いを抱いた程。ただ時代が女性に求めているのが政略の道具であったりしたために当時の女性の生き辛さが垣間見れた。

  • 図書館で、
    海外文学のところになぜか置いてあって、
    ハテナ?と思いながらも、
    鹿島先生のことは好きなので、ふと借りてみた。

    これがまた大当たりでねえ、やっぱり買っちゃおうかしらん?
    海外文学のコーナーに置いてあった意味もわかった。

    これを読むと十九世紀のパリの上流階級の暮らしが
    よくわかり、それによりそのころを扱った作品も
    より楽しめると言う訳だね。

    修道院の寄宿舎や舞踏会、オペラ鑑賞、お散歩について、
    「実際の意味」と言うのが別にあると知った!

    紹介される作品もどれも読みたくなる。
    (さっそく「ボヴァリー夫人」を買ってきちゃった)

    どの分野においても、
    面白おかしく、わかりやすく教えてくれる
    優しい先生に出会う、と言うのが
    その分野を好きになるかどうかに大いにかかわっていると
    つくづく感じた一冊であった。

    劇場は…「視線の戦場」!ニャハハ、そうですか。

    当時のモード新聞に載っていた、ドレスの挿絵が
    たくさん収録されており、そちらもとても素敵です。

  • 19世紀フランスの貴族あるいはブルジョア階級の生活の一端を、舞踏会を切り口にガイドした一冊。
    同じ著者の『馬車が買いたい!』の女性版とのこと。
    (だいぶ前にそれも読んだ気がするが、ショパンが馬車を欲しがっていたエピソードくらいしか覚えていない…)

    王政復古期を舞台にしたバルザックの『二人の若妻の手記』を軸に、上流の貴婦人の日常が細やかに再現される。
    本書は、小説の中で修道院を出た二人の女性、ルイーズとルネのうち、とりわけルイーズの社交界デビューと結婚のいきさつをガイドツアーしてくれる。
    バルザックにそんな作品があるとも知らなかったわけだが、男性が上京するタイプの小説がたくさんあるのに比して、女性を主人公とするそのタイプの小説は、鹿島さんの調査では本作品くらいしかないのだとか。
    なかなか読めない小説なので、この小説自体がどうなるのかという関心にひかれてもいた。

    時代、国、社会階層ごとに、生活スタイルは決まってくるということは頭ではわかっているが、具体的に知るのはなかなか楽しい。
    例えば、羞恥心の規範。
    この時期の上流貴婦人が上半身をさらす(ほとんどバストが見えてしまう)ことは、まったく羞恥の対象にもならなかった一方で、足を人前にさらすことはならなかったとか。

    「健康のため」の運動とされたチュイルリ公園での午後の散策、夜のオペラ座での観劇など、彼女たちの日々は忙しいのだが、ダンディが何人会釈するか、オペラグラスを介し誰と視線を交わすかなど、恋の駆け引きに余念がない。
    舞踏会については興行形式などにも触れられており、大変なお金が動くイベントであったことにも改めて気づかされる。

    お金の問題と言えば、貴族の結婚にも大きく影響する。
    男の子にも女の子にも財産が分与されるルールだったそうだが、何代もそれを繰り返せば土地など細切れになってしまう。
    女の子を修道院に入れてしまうというのは、それを避ける一つの方策であった、と聞くと、なんとまあ、と思ってしまう。

    エンマ・ボヴァリーが貪るように読んだモードジャーナリズムについての記述も興味深い。
    フランス19世紀の文学には、ほとんどなじみがないけれど、こうした背景を知っていると面白く読めるんだろうなあ、と感じた。

  • 軽く読める文章で良かった。
    当時の上流階級は日々社交界に命をかけて、恋愛が全てだったというのがよくわかる本。

  • 女性にとって、舞踏会は戦場です。ここでの立ち振る舞いがその後の生活に決定的な影響を与えかねません。 華やかな衣装に身を包み、優雅な社交界でダンディー達と夢のようなひと時を…という憧れがこの本を読むともしかしたら壊れてしまうかもしません。 社交界は想像以上にシビアで現実的な戦いの場だったようです。 当時の結婚観や男女の恋愛事情を知るには打ってつけの1冊です。 フランス文学がなぜどろどろの不倫や恋愛ものだらけなのかが見えてきます。

  • 読みたい本が増えた罠。
    バルザックはノーチェックですわぁ。
    ゴリオ爺さんは文庫でありそうかな、二人の若妻の手記は単行本のみ??
    人間喜劇とか幻滅とか。うーん、文庫で手軽に読めるのがあるといいな。
    レ・ミゼラブルは積んでるし(子供の頃に簡易版は読んでる)ボヴァリー夫人はやりなおし世界文学でも読んでみたいと思ってた本。
    あとはモーパッサンの女の一生か。
    衣服のアルケオロジーは履修済み!

    それにしてもおそろしいコルセット。
    100人中25人は結核、15人は初産で死亡、15人は初産のち産後の肥立ちが悪い状態に、15人は奇形となり、30人は持ちこたえても不快感に苦しむという…。
    二人の若妻の手記の主人公の一人、ルイーズの母である公爵夫人は子供を複数産んでもなお精力的に社交に明け暮れていられたのだから、まさに選ばれしエリート(笑。
    フランス革命も過ぎ去って、絢爛な社交界がまた繰り広げられていた時代。

    ゴリオ爺さんの時代には扇子に踊りのパートナー予約を書いていたけど、後に舞踏会の手帖というものが現れる。
    『舞踏会の手帖』というタイトルの映画はちょっと見てみたい。
    仮装舞踏会は何の本で見たかなぁと。
    確かオベロンやティターニアの仮装をしてるシーンのある話を読んだ記憶。
    パリ通信の引用の黎明と夜の仮装が素敵。
    表紙のイラストは荷揚げ人足の仮装だとは。
    仮面舞踏会はその後のなのね。
    ファッションプレートのページはどれもじっくり見てしまうのだけど、実際の衣装も見てみたいわぁ。
    イラストレーションの方は多少は誇張が入ってるのかな?と地味に疑問。
    膨らんだ袖はあんなに張り出したまま維持できるかしらとか。

  • お姫様に憧れる娘が読むにはあまりな部分も多いが
    ロマンス好きな大人が読むとロマンスものの背景がよくわかりとても楽しい。添えられた挿絵もとても美しく、服装の面もよくわかる。
    いろいろ得るところの多い本と思う。

  • 当時のパリの上流階級の女の子(というか女性?)の生活についての本。
    様々な物語りを引用しつつ、エッセーに近い語り口でぐいぐい読めます。
    結婚後の恋愛が自分へのご褒美、みたいな当時の常識とかそういうのが分かるのがすごく楽しい。

  • ファッション•プレートが付いてて嬉しいー

  • 資料用に買った本。
    貴族の日常ってこんな感じなのか・・・!と驚きもありおもしろかった。

    コルセットの話(コルセットの締めすぎがどんなに体に悪いか)はちょっと衝撃的だった。

  • 19世紀パリの社交界、その風俗としての「舞踏会」がどんなものだったかがリアルにつかめる。ただしダンスそのものに関する記述はほとんどない。

  • 十九世紀パリの社交界の生活。

  • 舞踏会。
    女子にとっては夢でもいいから、一度は行ってみたい場所ではないだろうか。
    本書は当時を生きる女子の目線からの、
    社交界・恋愛・結婚・人生を描く。
    これを読めば、私達も一緒に舞踏会の舞台に立てます。

  • 19世紀フランスの女性の生活、文化をバルザックの『二人の人妻の手記』や『ボバリー夫人』『ゴリオ爺さん』などを軸に語っている。おもしろい本である。舞踏会が娘の経済価値を確認する場であることが書いてある。娘の運命だけでなく、一族の運命がかかっているのである。恋愛と結婚生活についても考えさせられる著作である。結婚しても夫と恋愛をつづけるルイーズに友人が書き送った言葉、「幸福で身を滅ぼす」「(恋愛状態は)病気の状態」は深遠であろう。ただし、「フルスロットルの恋愛」を走りぬけて、短い生涯を閉じたルイーズの人生もまた、「愛の天才」と礼賛されている。

  • 当時のフランス貴族の生活が!綺麗なフルカラーイラストがついた本が、この価格で見れるなんて!見た瞬間可愛さで即買いでした。こういうのがイギリスとドイツ、イタリア版もあったらなあと本当思う・・;

  • 面白いです!
    社交界へのデビューに舞踏会までの道のりなど。。。
    いつの時代も大変だな〜(笑)

  • 図書館で大判のほうを読んだのが最初なのですが、後に文庫版を見つけて手元に保存。面白いし、当時のお貴族さまのシステムがわかりやすく学べます。多分。
    いやこのあたりの生活風俗モノは、まだ他の本はあまり調べてないので一概に言い切れないのですが。舞台がヴィレイダに近づいたらもっと調べる。(完全な私事)(アーレルは鎖国してない江戸イメージだから
    資料はまた別のベクトルなのです)

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著者プロフィール

鹿島 茂(かしま・しげる):1949年、神奈川県横浜市生まれ。フランス文学者、評論家、作家。東京大学文学部仏文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学名誉教授。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。2017年、『神田神保町書肆街考』を刊行、同年、書評アーカイブサイトALL REVIEWSを開始。2022年、神田神保町に共同書店PASSAGEを開店、現在4店舗を構える。

「2026年 『『共同幻想論』に挑む 家族人類学的考察』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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