- Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122036185
感想・レビュー・書評
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挿絵も含めて、兎に角素晴らしい一冊。鹿島氏の文章は平易でわかりやすくて、学生時代の仏語の教授がこんなに面白かったらもっと仏語が習得できた筈とけしからぬ思いを抱いた程。ただ時代が女性に求めているのが政略の道具であったりしたために当時の女性の生き辛さが垣間見れた。
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図書館で、
海外文学のところになぜか置いてあって、
ハテナ?と思いながらも、
鹿島先生のことは好きなので、ふと借りてみた。
これがまた大当たりでねえ、やっぱり買っちゃおうかしらん?
海外文学のコーナーに置いてあった意味もわかった。
これを読むと十九世紀のパリの上流階級の暮らしが
よくわかり、それによりそのころを扱った作品も
より楽しめると言う訳だね。
修道院の寄宿舎や舞踏会、オペラ鑑賞、お散歩について、
「実際の意味」と言うのが別にあると知った!
紹介される作品もどれも読みたくなる。
(さっそく「ボヴァリー夫人」を買ってきちゃった)
どの分野においても、
面白おかしく、わかりやすく教えてくれる
優しい先生に出会う、と言うのが
その分野を好きになるかどうかに大いにかかわっていると
つくづく感じた一冊であった。
劇場は…「視線の戦場」!ニャハハ、そうですか。
当時のモード新聞に載っていた、ドレスの挿絵が
たくさん収録されており、そちらもとても素敵です。 -
お姫様に憧れる娘が読むにはあまりな部分も多いが
ロマンス好きな大人が読むとロマンスものの背景がよくわかりとても楽しい。添えられた挿絵もとても美しく、服装の面もよくわかる。
いろいろ得るところの多い本と思う。 -
当時のパリの上流階級の女の子(というか女性?)の生活についての本。
様々な物語りを引用しつつ、エッセーに近い語り口でぐいぐい読めます。
結婚後の恋愛が自分へのご褒美、みたいな当時の常識とかそういうのが分かるのがすごく楽しい。 -
ファッション•プレートが付いてて嬉しいー
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資料用に買った本。
貴族の日常ってこんな感じなのか・・・!と驚きもありおもしろかった。
コルセットの話(コルセットの締めすぎがどんなに体に悪いか)はちょっと衝撃的だった。 -
19世紀パリの社交界、その風俗としての「舞踏会」がどんなものだったかがリアルにつかめる。ただしダンスそのものに関する記述はほとんどない。
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十九世紀パリの社交界の生活。
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舞踏会。
女子にとっては夢でもいいから、一度は行ってみたい場所ではないだろうか。
本書は当時を生きる女子の目線からの、
社交界・恋愛・結婚・人生を描く。
これを読めば、私達も一緒に舞踏会の舞台に立てます。 -
19世紀フランスの女性の生活、文化をバルザックの『二人の人妻の手記』や『ボバリー夫人』『ゴリオ爺さん』などを軸に語っている。おもしろい本である。舞踏会が娘の経済価値を確認する場であることが書いてある。娘の運命だけでなく、一族の運命がかかっているのである。恋愛と結婚生活についても考えさせられる著作である。結婚しても夫と恋愛をつづけるルイーズに友人が書き送った言葉、「幸福で身を滅ぼす」「(恋愛状態は)病気の状態」は深遠であろう。ただし、「フルスロットルの恋愛」を走りぬけて、短い生涯を閉じたルイーズの人生もまた、「愛の天才」と礼賛されている。