情報の家政学 (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122036680

作品紹介・あらすじ

モノと情報があふれる時代、「創造の場」として見直されるべきは「家庭」である。かつて、家庭は安定したところとみなされていたが、昨今の流動的な社会にあわせ、変動系の家政学が必要とされるようになった。家庭というシステムを、情報論・文明論的な切り口から考察する刺激に満ちた論考。

感想・レビュー・書評

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  • 『文明の生態史観』(中公文庫)の著者が、文明論・情報論の観点から家政学について論じた本です。

    本書で著者は、家庭を「創造の場」として捉えなおそうという視点が打ち出されています。また、本書の後半では、「食」についての比較文明史的な議論が展開されています。

    本書では、家庭が一つの「系」あるいは「システム」として把握されています。たとえば、家庭とは何かという問いに対して、家屋という物質構造があってその中に家具などの物体が並んでおり、夫婦や親子が暮らしているのが家庭だと答えるとすると、それは家庭を「物質系」として捉えていることになります。家庭がどういう機能を果たしているかという観点から考えるとき、家庭は「エネルギー系」として捉えていることになります。そして著者は、家庭の捉え方をさらに一歩推し進めて、現代の家庭は「情報系」として捉えられる必要があるのではないか、という見解を打ち出します。

    もちろんインターネットもなければ、「スマート・ハウス」という言葉もない時代に書かれた本なので、生活の中で生かせる具体的なテクニックを本書に期待することはできませんが、そうした発想がまだなかった時代に、もっぱら文明論的な思考によって家庭を「情報系」として捉えるという考え方に到達していたことに驚きました。

  • 放射能汚染に対する食卓上の恐怖感に疑問を持ち、手にとった。
    ただし全集(第9巻)。

  • 食と生活にいかに情報の利用が広がるかについての考察。
    うまく使えば便利だが、振り回されるかを考えるきっかけになるとよい。

    日本文明との関係では、漢字文化の繁栄など、見逃している部分があるかもしれない。
    積極的提案というよりは、第三者的評論になっている部分がややかなしい。

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