- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122038431
作品紹介・あらすじ
延命を至上目的にしてきた医療のあり方に対する疑問-死は敗北なのか…死の問題、終末期医療へ取り組み続けた著者が語る、生きること、そして死ぬことの意味。人生を百パーセント生きるとはどういうことか、死後の生とは何か-著者の生い立ち、体験、実践から語られるメッセージ。
感想・レビュー・書評
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エリザベス・キューブラー・ロス博士の講演を編集したもの。シリーズの中でも特に分かりやすく書かれている本書は、ロス博士が語り続けたメッセージを理解するための最良の書である。延命治療のあり方や、死をどう受け止めるか、生きることと死ぬことについて深く考えさせられる。身内を亡くした友人にこの本を貸したら、「読んで良かった。気持ちが楽になれた。」と言ってくれた。身近な人の死に遭遇して、 喪失感が拭えない人に読んでもらいたい。
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某所読書会課題図書.象徴言語に関する対象に精神病患者、幼児、末期患者を挙げており、有益な情報が得られる由.臨死体験者の証言を元に様々な知見を導き出している努力は凄いと感じた.やり残した仕事を遂行してもらうためのサポートが重要だと思う.死に対する考えが未熟だなと痛感した.
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知識は役に立つがそれだけでは誰も救うことはできない。治療の見込みがないと思われていた分裂病患者たちの94パーセントを退院させることができたという記述に目を見張った。わたしはキューブラーロスさんの言葉ひとつひとつに、身体を揺さぶられる。わたしは愛を与える力が少ないのではないか、これはどういうことだろう、人として生きていくにはやはり、、、などと考えてしまう。
まず、自分の肉体、感情、知性、霊的、その四つの調和が必要だという記述には、当然と思う反面、では調和がとれているかというと、うーむと唸ってしまう。
その四つが調和を保つためにはどうしたら良いのか?それは、自分の存在を受け入れ愛する、自然な感情に蓋をせず表に出して人と分かち合う、そして人を無条件に愛する、ということ。
この先の自分を支えていく考えに触れた。読んで良かった。 -
「死ぬ瞬間」で有名な”死の受容の五段階”を提唱したキューブラーロスの講演録。
ロスのウィットに富んだ講演の様子がよく伝わってくる。自分や大事な人の死を受け入れた子ども達のエピソードにはどれも目頭が熱くなる。
そして、この著書では以前の著書にはなかった死後の世界や転生について語られる。これについては非常に否定的な意見が多いことだろう。実際、講演録でもロスはこの話題について極力慎重であろうとする場面も見られる。
私は死後の世界は否定的だが、それでも”死の受容の五段階”のみを取り上げ、それ以外のロスの考えを見ない(知らない)人たちにも強い憤りを覚える。大事なのは”死の受容の五段階”を経て、なぜ人は死を受容できるのかではないか。ロスは死を始めとした全ての苦しみは成長の為にあるという結論に辿り着いた。人は死ぬ間際までも(ある意味死後も)死という苦しみと向き合うことによって成長できる。
確かにロスは多くの死に向き合う中で”死の受容の五段階”を提唱した。そしてさらに多くの死に向き合う中で死後の生について語る様になった。だが、どちらもロスの核心ではない。ロスが最も言いたかったことは、人は死を経て成長し得る、ということだったのではないだろうか。一連のロスの著作を読んで私はそう感じた。
この本は本当に多くの人に読んでもらいたいと思う。
”死の受容の五段階”は知ってるけどロスをよく知らないという人に特に読んでほしい。 -
精神科医が多くの死を看取り、自らは肉体離脱を体験?している。
「死」の意味、「死後の世界」のことが書かれている。
引き込まれるように読む。
自分の身近で体験した「死」がまだ消化できずにいたが
先日読んだ『歎異抄』の阿弥陀仏の本願...完全な愛...
と重なるように感じた瞬間もあった。
死を目前にした人(患者)からのメッセージ...
この意味を知ること、知って自分に何ができるか?どうすればいいのか??
そんなことを読みながら考える。
そして頭で考えるな(知)!
直感正しい!その道は険しいけれど...にも納得する。
愛、自分を癒せ、大事にしろ!そして愛...
なんかすごい本... -
"この本は、キューブラー・ロスさんの講演を編集したもの。「死」を見つめることで、生を考えている。死に直面した子供との話は、死とは何かについて考えさせられる。子供は死を迎えることを意識しているし理解もしている。しかし、子供の表現力には限界があり、その子が何を気にしているのか親は気がついてあげられない場合もある。キューブラー博士は、子供が描く絵から死を前にやり遂げたいと思っていることを聞き出す。
日本では世界的に見ても希な宗教を意識していない生活をしている人が多い。宗教が死への足かせともなりうるということがあるエピソードには驚いた。
今回の本には、臨死体験にもふれている。永遠の謎である死後の世界、その一端ものぞける。" -
丁度、この本を読んでいる最中に件の天災は起こった。
否認
自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。
怒り
なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階である。
取引
なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態である。
抑うつ
なにもできなくなる段階である。
受容
最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である。
~wikiより引用
天災などによる死は、このような過程を辿れる余裕がないからこそ、より残酷性が増すのかもと思った次第。
ところで、甚だ不謹慎ではあるが…
相撲の八百長や、大学入試のカンニング事件や、前原さんを糾弾する人々は一体何処にいったのだろうか…
例の受験生を追って山形の母親を取材していた記者達は、そのまま仙台に移動したのだろうか…
そう言えば、阪神大震災の時にも多くの人が「私達が欲しい情報は"今現在、何処に、何が在る"なんです!」と訴えていたのを思い出した。
にも関らず、今回もTVでは…
今回の地震のメカニズムや原子炉の構造を解説することに多くの時間が割かれている(私達素人にそんなことを判り易く説明して、一体何の役に立つのだろうか…)
さらには…
日々明らかになっていく惨状や死者行方不明者数が、私達をどんなに陰鬱にさせているのか…
とにかく…
歴史や過ち、天災は何度も繰り返される。
しかし、死は一度しかやってこない。 -
講演録をおこしているので、彼女の人柄も出ている感じで、読みやすくてよかったです。
後半は、ちょっと理解がむずかしかったかな。
思想や宗教に関わってくると、そうなのかなあと信じ切ることもできないでいます。 -
『死ぬ瞬間』が最も有名ですが、この本は講演録なので読みやすいです。
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条件つきの愛が人生を台無しにすることがいかに多いか。
喪失体験が足りないと、giveがベースの愛情は育ちづらいのかもしれない。
しかし、godnessにしっくりくる訳語ってないね。