砂漠の反乱 (中公文庫 B 1-5 20世紀BIBLIO)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122038653

作品紹介・あらすじ

五〇〇年におよぶ抑圧をはねかえし、ついにアラブ民族はトルコ帝国の支配に反旗を翻す。民族解放闘争を指導したのは、一人の英国青年「アラビアのロレンス」だった。その凄絶な苦闘とスケール豊かな人間的魅力を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 『アラビアのロレンス』の映画を子供の頃に見て以来、大好きな人。
    毀誉褒貶激しく人によって様々な評価がされる人ですが彼が起こした行動が一助となり、アラブが独立したことは確か。
    宗教や生活習慣の異なる国で英国軍の将校として、フェイサルの顧問として、二つの立場で生きなければいけなかったのはかなりしんどかったのだろうな、と思う。『キングメーカー』だの『無冠の帝王』だの言われても行軍を共にした人々から正当に認められなかった(ダマスクス入城後の祈りの呼びかけ)ことは彼のプライドをどれだけ切り刻んだのだろう、と思うと悲しくなる。

    『智恵の七柱』をかなり簡略化した本なので行軍や日常、利害関係国の動きと言った様々なことが省かれていて物足りない気もしますが、簡略化した分、最後の方の自分の相反する欲求に悩むあたりが際立って見える。

    でも、スレイマン・ムーサの本を読むとこの本のロレンス像が瓦解するんですよね。何が正しいのか、は本当に謎。

  • 「知恵の七柱」をもとに描かれた、コミック「T.Eロレンス」の、彼の出生の秘密や心理的な葛藤、性癖などに興味が沸き、この本を読んでみたが、アラブの独立にむけて砂漠の冒険やゲリラ戦などの軍略を記したもので、内面的な葛藤などはあまり表現されていなかった。
    けれど、砂漠の民ベドウィンとともに独立にむけロレンスが指揮していった行動、軍略の数々は、まるで冒険小説を読んでいるようだったし、そこからロレンスの葛藤など想像しながら読み、これが実際に歴史のなかで行われたことなのかと思うととても感慨深い作品だった。

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