島津義弘の賭け (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 71
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039094

感想・レビュー・書評

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  • 島津義弘の生涯を中心に、戦国期の島津家の動勢を、信頼の置ける膨大な歴史書を元に描いた作品。

    島津義弘と言えば戦国期の随一の猛将といった「合戦」のイメージが強かったのですが、本書を読むと、彼が、内政、外交など領国統治に諸々腐心していた様子が伝わってきます。

    5千の島津軍が20万の明軍に大勝利を収めた、慶長の役における泗川の戦いの部分や、関ヶ原合戦の退き口の部分は、台詞もついてリアルな描写で、本書のハイライトの1つでしょう。

    なかなか面白かったです。

  • 多くの資料を基にして、戦国末期の島津義弘をメインに描写した作品。

    小学校で読んだ伝記の影響でなぜか戦国期は義弘より義久、幕末は斉彬より久光に思い入れがある。
    そんな自分の中のイメージを変えてくれました。

    いろいろな資料から浮かび上がる繊細さや思慮深さ。
    義弘に対する猪武者の思い込みがガラッと崩れた。

    やっぱり同じ人物を色んな角度から見ると面白いんだなぁ。

  • 豊臣政権に服属を余儀なくされた九州の雄島津家は、いかにして伝統的体制の自己変革をはかったのか。厖大な史料をもとに描く歴史ノンフィクション。

  • 豊臣政権は“総帥”の義久よりも、弟の義弘の方を「九州の薩摩や大隈に在る島津の代表者」というように遇する。豊臣政権の時代以降、大名は「政権の膝元に赴いて、色々な役目をこなして政権に尽くす」ということを求められ始めたのだったが、島津家でそういう役目を担ったのが義弘だったのである。

    この義弘は、兄の義久らとの間で「政権の指令への対応」を巡って、その“温度差”にかなり永い間悩み続けることになる。或いは本書は『島津義弘の賭け』というよりも「島津義弘の苦悩」という感さえ抱く。彼らの書簡などを丹念に紐解き、それらの内容もふんだんに取り入れながら、正しく「肉声が聞える」ような調子で、様々な挿話に彩られた島津家の物語が語られている。

    非常に興味深い一冊!!

  • 関が原前後の義弘関連の史実文書をまとめた本。
    見やすくて分かりやすいです。

  • 島津家文書をもとに、戦国大名家の視線から近世社会成立史を検証する本。関が原の合戦で有名な島津の退き口。石高からすると一万の動員兵力を持つはずの島津家が、なぜ退却時にはわずか二、三百騎の兵しかいなかったのか。その理由は想像以上のお家内部事情があったということを良質資料で確認できる。


    2006.11.15読了

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著者プロフィール

1957年岡山県津山市生まれ。東京大学文学部卒業。同大修士課程修了。文学博士。現在、東京大学大学院情報学環教授、同史料編纂所教授。
『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)(1991)で、日本エッセイストクラブ賞受賞。『鎖国と海禁の時代』(校倉書房)(1995)では、従来の「鎖国令」の定説をくつがえし、教科書が書き換えられている。豊臣政権から江戸時代の政治や武士社会を中心に研究している。
著書は、『流れをつかむ日本史』(角川新書)、『東大教授の「忠臣蔵」講義 』(角川新書)、『歴史の勉強法 確かな教養を手に入れる』 (PHP新書)、『天皇125代と日本の歴史』(光文社新書)、『格差と序列の日本史 』(新潮新書)、『歴史をつかむ技法 』(新潮新書)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『信長の血統』(文春新書)、『武士道の名著』(中公新書)など多数。
東京書籍からは、『読み方で江戸の歴史はこう変わる』、『教科書には出てこない江戸時代』、『こんなに変わった歴史教科書』ほか。

「2018年 『教科書には書かれていない江戸時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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