プラドで見た夢―スペイン美術への誘い (中公文庫)

著者 :
  • 中央公論新社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039810

感想・レビュー・書評

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  • ★2.5、期待感が高かったので少々肩透かし。
    特に当方の中での巨人、ベラスケスの論ははっきり弱いと思う。時代が時代だけに、こういった評論の上に今があるとは分かっているものの、残酷だけど浅い。歴史学に限らないだろうけど、それが進歩ですかね。
    まぁそれでもプラドへの憧れは益々強まるばかり、この意味で本作も悪よのぉ、凡民にとっては。

  • (2004.03.24読了)(2003.04.20購入)
    副題「スペイン美術への誘い」
    この本はプラド美術館とスペインの代表的画家(エル・グレーコ、ベラスケス、ゴヤ、ガウディー、ピカソ、ミロー)について紹介した本です。
    ●プラド美術館
    プラド美術館のスペイン派(約3千点に及ぶコレクションのうち半数近くがスペイン派)は、12世紀のロマネスク壁画から18世紀のゴヤにいたるまでの、スペイン絵画の主潮流をほとんど網羅している。「ティツィアーノ、ボッシュ、ルーベンスをよく知るためにはプラド美術館を訪ねなければならないが、偉大なスペイン絵画を正当に評価するためにはプラド美術館を出る必要はない」といわれる。
    僕も1974年にプラド美術館に行きましたが、ベラスケス、ゴヤの作品を満喫できたし、ボッシュにも出会えて嬉しかったことを覚えている。(ゴヤについては、スペインに行く前に、西洋美術館でゴヤ展を見ているので再会ということになる。)
    プラド美術館は85枚のルーベンスと52枚のベラスケスを収蔵している。2人は、ルーベンスが1628年から1629年にかけて外交的使命を帯びてスペインを訪れ、約9ヶ月滞在した時に親交を結び年少のベラスケスは先輩からかなりの教訓を学びとった。ベラスケスのイタリア旅行もルーベンスの示唆による。ということです。
    ●エル・グレーコ
    ヴァザーリの「美術家列伝」の余白に、エル・グレーコが書き込みをしたものが残ってるそうで、ミケランジェロの項には40ほどの書き込みがある。「彫刻家そして線の巨匠ミケランジェロと画家ミケランジェロを峻別し、前者に対しては最大級の賛辞を呈し、後者に対しては強い批判的な態度を見せている。システィーナ礼拝堂の壁画は絵画と呼ぶのは困る。」
    エル・グレーコは、スペインに来る前にイタリアで10年ぐらい過ごしているのではないかという。したがって、ミケランジェロの作品も見ている。言われてみれば、ミケランジェロの壁画は絵画というよりは、彫刻作品が平面にあるという表現があっている。
    ●ピカソ
    ピカソの中で、最もスペイン的な主題といえば闘牛ということになる。
    地中海文明において、牡牛とは聖なる動物であるとともに力を象徴する動物でもあった。一方スペインでは男らしさを無常の価値とする国で、男の価値は美醜ではなく、男らしさ、勇気にある。力の象徴である牡牛と一対一で戦う事は男らしさの表現として最高のものになる。ピカソも牡牛で男らしさを表現しているといえる。
    牡牛と戦う闘牛士ではなく牡牛そのものを男の象徴として描いている作品が多いように思う。
    ●スペイン
    人口は日本の約4分の一、国土は日本の約1.5倍。
    1960年代から始まった観光立国政策が驚異的な経済発展をもたらし、大規模な中産階級が誕生し、国の様相を大きく変えた。生活水準も向上した。
    神吉さんはこのように述べているが、経済学者はどのように見ているのだろうか?
    (サッカーの超一流選手たちは皆スペインに引き寄せられている!)

    著者 神吉 敬三(かんき けいぞう)
    1932年 山口県生まれ
    1956年 上智大学経済学部卒業
    1956年‐59年 スペイン国立マドリード大学留学
    スペイン美術史専攻
    上智大学名誉教授
    1996年 逝去 64歳

    (「BOOK」データベースより)amazon
    エル・グレーコ、ベラスケス、ゴヤ、ガウディー、ピカソ、ミロ―偉大な美術の天才たちを生み出した地、プラド、そしてバルセロナ。聖なるものと俗なるものとが、葛藤しつつ共存しているかのようなドラマティックなスペイン美術の魅力を、スペイン美術研究の第一人者が、自らの内的体験をもとに描きだす。

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