南島の神話 (中公文庫BIBLIO)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 50
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122039872

作品紹介・あらすじ

ハワイとポリネシアを中心に、各地の神話を紹介。英雄マウイ、女王ペレ、姫ヒナが活躍する南太平洋の創世、恋愛、穀物起源など、語り文化の豊かさを改めて確認する。日本との共通点も浮き彫りに。

感想・レビュー・書評

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  • 東南アジアからメラネシア、ミクロネシアにポリネシアに至る南東地域の神話を概説した書。創世神話・起源神話といったテーマごとに各地域の神話を集成し、それらの共通点や繋がりを解説する。
    本書は、その名の通り南島(オセアニア)地域の神話を紹介したものである。メインとして扱っているのはメラネシア、ミクロネシア、ポリネシアの各部族に伝わる神話であるが、同時にそれらと影響関係にある東南アジア、台湾、さらには日本の神話についても取り上げている。構成としては、本書の前半で世界の始まりや事物の起源といった主題毎に各地の神話を紹介・比較検討し、後半でハワイ神話やその叙事詩『クムリポ』に焦点を当てて解説を行っている。
    本書で語られるオセアニア神話の最大の特徴は、海を通して広い範囲にわたって共通点が見られるという点である。死体からの作物の発生(死体化生型神話)、脱皮による若返りとそれの否定による死の発生――。旧石器時代にまで遡るスンダランドからの民族移動を始めとしてさまざまな民族(文化)の移動や流入があったがために、南東地域の神話のテーマは遠く離れた地域同士でも共通点が見られる。筆者が強調するように、南東地域の神話の分析には考古・民族学を踏まえた広範にわたる比較が必要であるという考えは頷けるものだろう。
    また、自分が面白いと思ったのは南島の神話における死生観である。南島の神話における死の起源は「始祖の過失」や「楽園喪失の結果」とするものも少なくないが、一方で「正しい生殖・排泄方法との引き換え」(パプアニューギニア)や「脱皮によって若返った母との近親相姦の防止」(メラネシア)、「死の女神への胎内回帰の失敗」(ニュージーランド・マオリ)といった「性」にまつわるものも幾つかある。先にも述べた死体化生型神話を踏まえても、南島地域においては生(性)と死はまさに表裏一体のものであると感ぜられた。

  • 37321

  • 出産の仕方を知らず子を産む度に女の人が死んでいたという伝説にびっくり?!
    日本の国生み神話などにも共通するところも解説されていて
    日本神話が好きでよく読んでいて、はじめての世界の神話を読んだ。
    南の島は元々好きなので、少し聞きかじった話しもあって面白かった。
    機会があれば世界の神話ものも読んでみようと思った。

  • 面白かった。漢字つながりで隣国とわっかが重なるだけでなく日本は神話でポリネシアやメラネシアともわっかが重なっている。

    同じ人が書いた『「物言う魚」たち―鰻・蛇の南島神話』も読みたい。

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著者プロフィール

1954年、宮城県仙台市生まれ。東京大学で考古学を専攻し文学修士。ハワイ大学で人類学を学びPh. D.(人類学)。宮城学院女子大学、同志社女子大学を経て、南山大学人文学部教授。著作に『海の文化史』(1996、未來社)、『ハワイ・南太平洋の神話』(1997)、『南島の神話』(2002、以上中央公論社)、『「物言う」魚たち』(1999、小学館)、『民族考古学』(2001)、『カメハメハ大王』(2008、以上勉誠出版)、『海を渡ったモンゴロイド』(2003)、『海から見た日本人』(2010)、『世界神話学入門』(2017、以上講談社)、『天文の考古学』(2017、同成社)、Cultural Astronomy of the Japanese Archipelago : Exploring Japanese Skyscape(2021, Routledge)など。

「2022年 『大林太良 人類史の再構成をめざして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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